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命がある限り希望を持つということ

放射能の子どもたちへの影響

2011-06-14 07:48:51 | 原発事故
このブログでずっと乳幼児、児童、妊婦さんなどは
極力被爆を避けてほしいと書き続けた。
一般的に子どもは放射線の影響を受けやすいという表現をされるが
具体的な資料として東大病院放射線科のチーム中川のブログで
「放射能(Bq:ベクレル)」から「被ばく量(Sv:シーベルト)」
への変換について」という記事があった。

この先生はあまり評判はよくないが専門家だからいくらなんでも
専門分野の資料については信憑性があると思うということで。

この中に食物の場合を例に挙げて次のように書かれている。
「食物に含まれる「放射能(Bq:ベクレル)」が、それを摂取す
る私たちにどれだけ「被ばく量(Sv:シーベルト)」を与えるか
は、放射性物質の種類、取り込み方(吸引か経口か)、私たちの
年齢などによって変わります。」

ベクレルをシーベルトに換算するために換算係数というのがあって
これが放射線の核種や年齢によって違うということ。そして
ヨウ素I-131の被ばく量を例にとって計算されている。

「放射性物質であるヨウ素I-131の「変換係数(μSv/Bq)」は、
0歳で0.140、1~6歳で0.075、7~14歳で0.038、15~19歳で0.025、
大人で0.016です。(乳児はお母さんの母乳から摂取するとします。)

ホウレンソウ中に観測されたヨウ素-131の最大値として、1kgあたり
15,020Bq(ベクレル)を用います。そのうち100gを摂取したとします。

1~6歳  :15,020×0.1×0.075 = 112.65
7~14歳 :15,020×0.1×0.038 = 57.08
15~19歳 :15,020×0.1×0.025 = 37.55
大人    :15,020×0.1×0.016 = 24.03

単位は(マイクロシーベルト)です。乳児の場合は、I-131を摂取し
た母親の授乳により乳児が受ける線量は母親の摂取量あたり0.054
μSv/Bq (参照:ICRPPub.94 Table 13.1) として、15,020×0.1
×0.054 = 81.11μSv(マイクロシーベルト)が被ばく量となります。」

更に詳しく知りたい方は次のページを参照してください。

http://tnakagawa.exblog.jp/15135702/

放射能の数値ベクレルを被爆量のシーベルトに変換した場合、ヨウ素131
で言えば乳幼児は大人の約5倍の被爆量になるということだ。
この記事には核種と年齢別の変換係数も掲載されている。

先般原発事故の初期に放出された放射能の値が修正されたが
あの数値はあくまでも総量で、その中にはセシウムとかヨウ素
とかウラン、ストロンチウムといった色々な種類の核種が含まれ
ていて、その核種ごとの放出量があって、更にそれらによる
年齢ごとの被爆量の違いがあるということになる。

とても大雑把な分類で申し訳ないがこれが特に乳幼児や妊婦さんが
極力被爆を避けなければいけない根拠と言えるだろう。

「放射能汚染地図」で報道されたホットスポット(原発からの
距離だけではなく、風や雨の影響、地形などによって放射能
の濃度が高くなっている地域)についても段々認知されてきて
福島では避難地域が拡大されるということだ。

原発事故の発生当初、政府(東電や専門機関も含めて)が
スピーディーを公開しなかったこと、原発の冷却機能が失わ
れた3月12日の時点で最悪の事態を想定して、60km~80km
圏内の住民に対してせめて屋内避難などの指示を出さなかった
ことはもうほとんど犯罪としか言いようがない。

イタリアでは国民投票の結果を待たずに首相が脱原発を表明し
投票の結果は投票者の9割以上が脱原発に賛成した。
もちろん脱原発を実施するには当然それなりのリスクはある。
一人一人が我慢をしなければならないことも努力しなければ
ならないことも当然出てくる。それでも自分たちの家族や
生活や財産や、更にはたくさんの人たちがこつこつと働いて
持続発展されてきた産業や、つまりは自分たちの国を守るために
考えなければならないこと、行動しなければいけないことが
ある、そういうところに来ているのではないかと思う。