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癌と生きる 依存症と生きる

命がある限り希望を持つということ

母親がパチンコ中に幼児が焼死というニュース

2009-01-11 19:26:12 | 依存症
1月6日の夕方、千葉の松戸市の団地で火事があり、幼いこども三人が亡くなった。
最初「病院に行っていた」と話した母親が実はパチンコに行っていたというニュースが後日報道された。
 
少し前に読んだ吉田修一さんの「女たちは二度遊ぶ」という短編集の中に、確か「泣かない女」だったと思うがパチンコ依存症の母親について触れた箇所があった。細部は明確でないが、ヒロインが働いているパチンコ屋で幼児が事故で亡くなった。その母親がしばらくしてまたそのパチンコ屋に来ていたというような話だったと思う。

 人間性の喪失は、ギャンブル依存症の大きな特徴として挙げられるが、それを具体的に表現するのはとても難しい。依存者の心の中では「ギャンブルをしたい」という欲求が何よりも優先され、この寒さの中たとえ幼い子供たちを火の気のない部屋に置き去りにしようが、自分がパチンコに興じている間に我が子が死んだ痛恨の場所であろうが、おそらくは何も感じなくなっている、つまりそういう状態なのだと思う。夏は親が猛暑の車内に幼児を放置して、熱中症で死なせるというニュースも毎年報じられる。

 ギャンブル依存症の患者は、ドーパミンやセロトニンという脳内伝達物質のバランスが崩れてしまって脳が機能障害を起こしているので、説得して治るというものでもなく、ましてや放置して直ることはあり得ない。そもそも「治る」ということ自体がない病気なのだ。さらに、依存者は同質の快感を得られる性的なトラブルを併発することも多い。ちゃんと調べていけば、性犯罪とギャンブル依存症の問題も必ず関連付けができるはずなのだ。多発する犯罪や事件の背景にどれだけギャンブル依存症の問題が潜んでいるのか。帚木蓬生さんは「日本はギャンブルで崩壊する」とまで言い切っておられる。こうした事態の深刻さを、一人でも二人でも理解してもらい、依存者の家族の方々が最悪の状態に陥ることのないよう願ってやまない。