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癌と生きる 依存症と生きる

命がある限り希望を持つということ

この世界で生き残るために

2016-07-03 15:09:54 | 薬物依存症
また芸能人の人が覚せい剤使用で逮捕され
そのことについてのコメントも、たくさん目にします。
私は、家族の薬物の問題を抱えているわけではありませんが
これまで、有名人が逮捕されて、ニュースになった時に
依存症という視点から、幾つか記事を書きました。

今回また芸能人が逮捕されたというニュースを耳にして
少し前の、元プロ野球選手逮捕もまだ記憶に新しいので
とても気になることがあります。
それは、テレビや新聞を見ている一般の人が
「やはり、覚せい剤とかドラッグなんて
芸能人とかスポーツ選手とか、特別な世界の人がやってるんだな」と
思いこんでしまうことです。

プロ野球選手の時に書きましたが
取り締まる側は「有名な人間を逮捕して、大々的に報道させることで
抑止力にしよう」つまり、見せしめにしようという思惑が
あるのかもしれませんが、それが一般の人たちの認識を
誤らせてしまう可能性があるのではないかということです。

なぜこんなことを書くかというと
以前川崎で中学生の事件があった時に
地元のTV局が、深夜徘徊する青少年の特集をやったことがあって
そのインタビューに答えていた子供が
「クスリ買わない?って言われたことがある」と答えていたからです。
何回か書いていますが、子どもだけではなく、大人も
知り合いになった、ごくごく普通に見える人から
「疲れが取れる、痩せる、元気が出る」などの
とても魅力的な誘い文句で、覚せい剤や危険ドラッグを勧められる可能性は
いまや誰にでも、どこに住んでいても起こりうるのです。

依存症についての治療が、日本よりも半世紀は進んでると思われる
アメリカですが、2010年の調査によると

「違法薬物の使用で最も多かったのは大麻であり、1,740 万人であった。これ
は過去1 ヶ月内の違法薬物の使用者薬2,260 万人の76.8%を占め、大麻のみの
使用割合は60.1%(1360 万人)であった。よって、12 歳以上の900 万人
(違法薬物使用者の39.9%)が大麻以外の違法薬物を過去1 ヶ月内に使用し
ていた」となっています。

この流入先の多くはメキシコとコロンビアの麻薬カルテルで、トランプさんの
「メキシコとの間に壁を造る」発言は、どれほど対策をしても
取り締まりを強化しても、薬物の流入と蔓延を食い止めることができない
アメリカの苛立ちの表れでもあろうかと思いますが
けれどこれもまた、別の世界の、他の星の話ではありません。
今現実に、世界のあらゆる場所(特に先進国と言われる国々)で
日常的に起きている現実で、日本もまったく例外ではないということです。
ついにアメリカでは、マリファナを、闇組織の資金源にしないために
合法化するという州まで登場しています。

確かに覚せい剤やコカインなどはそれなりに高価ですから
狙われるのは、一定の経済力がある人たちかもしれません。
けれど、危険ドラッグが出現して、薬物の形態は
(その成分もですが)驚くほど多様化しています。
薬物といえば注射で、使わないと禁断症状が出て
よだれをたらしてのたうちまわるもの
というような、それこそ半世紀前のイメージでは
とても現実に対応することはできません。

それに加えて、パソコン、携帯、スマホなどのIT機器の
子どもたちへの爆発的な普及です。
例えば、小学生でも出会い系サイトにアクセスできるという現実は
薬物との距離も、数年前とは比べ物にならないくらい
近くなっているということでもあります。
ニュースを見て、覚せい剤を使用した芸能人夫婦のスキャンダルで
盛り上がっているような場合ではありません。
報道を見ていると、むしろ故意に、問題の本質を
そらそうとしているような気さえします。(ワタシ割と陰謀論者ですから)

私が初めて薬物というものを知ったのは
小学校の時に、父親と観に行った、黒澤明監督の「天国と地獄」だったと思います。
誘拐事件の犯人の男が、そういう場所に出向くシーンがあって
廃人のようになった男女がうぞうぞとたむろしている場面は恐ろしく
あとで父から、戦後に蔓延したヒロポン中毒や、アヘン戦争についての
講釈をされたような記憶があります。麻薬は、人間を人間でなくしてしまう
とんでもなく怖いものということを、小学校時代にすりこまれました。

戦争と、戦後の想像を絶するような混乱の時期を経験した人だったので
「こういうものは、子どもに見せてはいけない」というような
区切り方をする人ではありませんでした。
「特に女性は、堕ちてしまうとどこまでも堕ちていく」というような話は
戦後生きていくために体を売ったパンパンと呼ばれた女性たちを
現実に見聞きした人間ならではの説得力がありました。
「どれほど助けてと叫んでも、戻ってこれない場所がある。
そこまで行ってしまってはいけない」ということを
私は父親に教わりました。

高校時代は、自分の生育環境や、親に反発して
親の望む子ども像を、一回リセットしてやろうと
ずいぶん無茶なこともしましたが
成績とか生活態度とか、細かいことで何か言われたことはありません。
本質的なところで「人間はどうあるべきか、どう生きるべきか」を語り続けた
まさに明治の理想主義の塊のような人だったと
今でも懐かしく思い出します。

「寝た子を起こさない」「くさいものにはふた」で
無難に安全に生きていける時代ではなくなっています。
特に日本の社会は、経済がすべて、お金がすべての価値観で回っていますから
少しでも経済活動にマイナス(要はお金を使わなくなるような)な話は
ほとんど表には出てきませんし、規制もされません。
しかし、先日の、コンビニATMを使った巨額の詐欺事件でもわかるように
犯罪もグローバル化して、誰がやっているのかもわからず
誰が標的になるのかも、これまた分からない
ということは、常に自分が標的になる可能性もあるということです。
社会はとんでもなく複雑になっていますが
人間はひどく無防備になっています。
どうせハイテクを極めるなら、悪意あるものはすべて排除できるという
ところまで進化できるなら良いですが、いかにも中途半端なのです。

しつこく書いていますが、薬物の問題ひとつ取っても
これまで知っていた知識では役に立たないことが多く
一人一人が様々な情報を集めて
それを整理して、役に立つ情報は、家族や他の人たちと共有する
極端な言い方をすれば、そうやって地道に地道に
自衛できた人間だけが生き残れるという
超サバイバルな社会になっているのではないかと思えます。


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クラフト勉強会 誰かに話を聞いてもらう

2016-06-23 15:22:35 | クラフト
前回のクラフト勉強会のところで書いた
「あなた自身の生活を豊かにする」ために大切なもうひとつの点は
誰かに話を聞いてもらうです。

テキストから抜粋します。

「問題にに悩む家族の多くは、周囲から孤立しがちです。
親戚や友人に話しても、わかってもらえない。誰もがまちまちな助言をして、
かえって混乱する。家族がこんなことになっているなんて、恥ずかしくて
話せない。・・・こういうことが続くうちに、心を許せる相手がいなく
なってしまうのです。
 困難な問題に立ち向かうときには、誰か一人でも支えてくれる人が
必要です。自分だけで抱え込んでいると、いずれはどこかで限界に
なってしまいます」

誰かに話を聞いてもらうためには

1.まず自分の周囲にいる人で、自分の状況を理解してくれて
  支えになってくれそうな人を探す。

2・適任者が見つかったら、その人に何を望むのかを整理してみる。

  ・ 今まで誰にも話せなかった気持ちを聞いてほしい
  ・ つらさを理解し、支えてほしい
  ・ 暴力の問題が起きた時などに泊めてほしい
  ・ 相談に同行してほしい  などいろいろありますが

まずは、自分の状況や気持を聞いてもらうというのがスタートだと思います。

自分のことを振り返ってみても、うつ病のようになって
ダンナの借金のことなど、もうどうすることもできない
自分にできることはもう何もないという思いに捉われてしまっていた時に
黙って話を聞いてくれた、仲のいい友達がいてくれたこと
それが「もう一度だけがんばってみよう」と思える力をくれたのは間違いありません。

私は、両親は若い時に亡くなりましたし、兄弟もいません。
父は明治生まれで、しかも父自身も一人息子だったので
叔父叔母やいとこなどの係累もまったくありませんが
友人には本当に恵まれました。
私の話を黙って聞いてくれて「分かってるよ。大変だけどがんばって」と
心から応援してくれるような数人の友達に
ダンナの問題だけではなく、がんになってからもずっと支え続けてもらっています。

半世紀以上も生きてくれば、私の側だけではなく
お互いに、大なり小なり、いろいろな悩みや問題を抱えています。
だから、変な見栄を張ったり、体面を気にしたりせずに
お互い様で、悩みを言い合えるようにもなります。
こういうスキルは、男性よりも女性のほうが数段優っていると思います。
成長した子どもたちも、大体のことは理解してくれて
悩みは悩みとして率直に話すことができるようになったことも大きいです。

この章の最後には次のように書かれています。

「周囲に適任者が見つからなくても、ガックリしないでください。
 もしもあなたがまだ、治療・相談機関や自助グループなどに足を運んでいない
なら、ぜひ、行ってみることをおすすめします。同じ問題に取り組んでいる
仲間たちは、きっとあなたの支えになるはずです」

家族だけではなく、依存症者自身も

 一人で抱え込んで何とかしようと思ってもうまくいかないことのほうが多い

 同じ悩みを持つ人たちに話を聞いてもらう、あるいは話を聞くことには一定の効果がある


ことは実証されています。クラフトのプログラムも、マックのような相談機関も、自助グループも
このように本質的なところでは共通しています。

クラフトの勉強会は、黙ってお話を聞いてればいいのかと思っていたら
結構自分のことを話さなければいけないシチュエーションがありました。
私は、この通り、要領よく話すというのが苦手なので
「困ったな」とは思いましたが、何とかクリアできました。

そして、知らない人と話すのがあまり得意ではない私も
こうして、つらつらとブログを書いていると
共感していただける方たちとのつながりができます。
ですから、これもまた「誰かに話を聞いてもらう」の変化形ではないかと思っています。
ハイテクな社会も、悪いことばかりではありません。


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人生三度目のナイター&「デッドプール」

2016-06-18 16:20:08 | 社会・生活
先週は、火曜日と水曜日、ダンナが珍しく連休だったので
人生三度目のナイター観戦で、ヤフードームに行きました。
去年は、ケーブルTVの懸賞が当たった最上階のVIP席だったので
グラウンドははるかかなたでしたが
今回は三塁側の下のほうだったので、選手の皆さんがよく見えました。

野球の応援は、音楽で言うとライブみたなもので
勝敗はもちろんでしょうが、生ならではの臨場感と一体感があるのが
野球ファンにとっては魅力なのでしょう。
ダンナはビール片手にいい感じにご機嫌で、なによりでした。
私も、3回目なので少し慣れてきて
もらったうちわを叩いてリズムを取るくらいはできるようになりました。

「連休どっか行く?」と聞かれても
実は旅行も観光もそんなに好きではないし
外食といっても、食べられる種類も量も限られているので
どうしても外食したいという感じでもありません。
映画だけは、週いちくらいで行ってもいいなと思いますが
さすがに、また映画とは言えず、今回はダンナ優先でナイターにしました。

で、実は今月の初めに封切られた「デッドプール」という映画が
どうしても観たかったので、先週の土曜日に
ダンナを仕事に送り出してから、独りで電車に乗って
近くのシネコンに行きました。

予想通り私のツボでしたが、下ネタ満載、エログロいっぱいで
こちらも予想通り、家族を誘わなかったのは正解でした。
感想は、映画ブログのほうに書きました。
私は別に、下ネタや、エロやグロがものすごく好きなわけではありません。
でも、悪いことする奴は殺しちゃってもいいんじゃね、とは思ってます。
法に触れてないんだからと、たった2年ちょっとしか働いてないのに
退職金とボーナス合わせて二千数百万円もらって辞める、どこぞの知事さんなんかは
「もう人間ケバブ(分からない方は「デッドプール」の予告編をどうぞ)にしちゃえば」
と、心の中では思います。

けれど現実には殺人は違法です。絶対にやってはいけないことです。
そこの現実とフィクションの境界が分かっていれば
悪いことをした奴が、バタバタとやっつけられるのを楽しむのは
お手軽なストレス解消と免疫力アップです。
私的には、やりすぎるくらいやっちゃってもいい奴が
この世界にはいっぱいいると思います。かの知事さんなんか、小者のほうです。

映画に行った日は、少し風邪っぽかったのですが
その日を逃して上演回数が減ってしまったら、よけいに大変なので
葛根湯ドリンクをひっかけて、気合を入れて行きましたが
次の日、日曜日から風邪が急激に悪化して
調子に乗りすぎたバチが当たりました。
でも「デッドプール」は、今年の洋画のマイベストに入りそうなくらい
面白かったので、後悔はしていません。

前回書いた、患部の臭いを消す軟膏も
何かともっともらしい理屈をつけていますが
本音は、映画館で隣に人が座った時に
臭いが気になると映画に集中できなくなるというのが最大の理由でした。

日に日に風邪がひどくなって
とうとう「クラフト勉強会」の最終回には行けませんでした。
けれどジャパンマック福岡では、毎月第4金曜日に
「(依存症者の)家族の勉強会」も開催されていて
その案内もいただいているので
また参加できそうな時は行ってみようと考えています。


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彼岸と此岸の物語

2016-06-10 15:58:36 | 社会・生活
少し前になるが、娘に誘われて
一緒に黒沢清監督の「岸辺の旅」という映画をDVDで観た。
私の過激趣味には、おおむね半笑いの家族だが
岩井俊二監督や、この黒沢清監督の作品は
珍しく娘と趣味が合って、ほとんどの作品はビデオで観たし
「アカルイミライ」や「LOFT」などは
一緒に映画館に観に行った。(お客さん5人くらいしかいなかったけど)

瑞希のもとに、三年間行方が分からなかった夫の優介が
突然戻ってきた。彼は「自分はもう死んでるんだ」と告げ
瑞希を旅にいざなう。それは、優介が失踪してから
帰ってくるまでの間に関わった人々を訪ねる旅。

岸辺とは、彼岸と此岸の境界で、生者と死者が混在している世界。
死は、生きている私たちにとっては、完全に、そして
永久に未知の領域で、だから、死や死者の存在は、
それに向き合う、生きている私たちの物語として成立する。

だからたくさんの宗教は、死が、その悲惨や残酷さによって
生きている人たちに過度の不安や、恐怖、絶望を
植え付けてしまわないように
色々な儀式や約束事によって、生者と死者の間に
不可侵で明確な境界を設けてきた。

けれどそういう枠をはずしてしまえば
生者と死者が、普通に混在して交流する世界があっても
なんの不都合もないわけで、私はそういう世界観が嫌いではない。
よくよく考えてみれば、死者だからというだけで
おどろおどろしい容姿で生者を怖がらせなければならないという決まりはないし
生きている側にしてみたら、死者というだけで怖がらなければいけない理由もない。

実際この映画の中で、旅する二人が出会う人々の中には
死者とおぼしき人たちもいるだけでなく
観ているうちに、どの人が生きていて、どの人が死んでいるのかさえも
次第にあいまいになっていくような感じさえある。

けれど死者たちはやがては消えていき
瑞希も優介との別れが近づいていることを予感する。
それでも「うちに帰ろうよ。一緒に帰ろうよ」
という瑞希のことばが、あまりにも切なく悲しい。
そして、生きている者たちは、それまでの暮らしに
日常の中へ戻っていかなければならない。

「また会いにきてね」それが瑞希の別れの言葉。
死者との距離をどうするのかは
生きている、残された者たちにゆだねられるのだと思う。

私の足元には、今もルナがまつわりついて
なでてほしいのに無視をすると、不機嫌な顔をしたり
陽だまりで気持ちよさげに目を細めたり
夜は、隣の枕で小さな寝息を立てたりしている。
無理に彼岸へ送り出さなくても、過去の思い出にしなくても
共存しても何も不都合はない。

このブログは、依存症の問題を抱える人たちに
なんとかわずかでも希望を持ってほしいという思いを中心に書いているので
私の病気のことや、こういう生死に関わる話は
あまりネガティブなほうに振れないように心がけてきた。
けれどこのところ、思いがけない訃報に接することが相次いだ。
だから、今回は、うまく表現できない慰めの言葉に替えて
独り言のつもりで書いています。

観終わったあと、娘とは特に映画についての話はしていない。
昔からそうなのだが、映画にしろなんにしろ
「これはこういうことだよね」的な要約を話すことはない。
それぞれの年齢や社会経験、あるいは感性に応じて
受け取れるものを受け取れればいいと思う。

順調にいけば、というのも変だが
いずれは、二人の子供たちは親の死に遭遇することになる。
生きている者には、昨日と変わらない日常が続く中で
それとどう向き合うのか、自分たちの人生にどう織り込んでいくのか
それはそれぞれに委ねられている。
この映画もまた、そういうことを考える時の一助になってくれたらいいなと
こっそり考えている。


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通院日と軟膏の話

2016-06-03 10:55:24 | 癌のこと
今週の火曜日は通院日でした。
緩和ケアに転院してからは、3か月に一回血液検査
半年に一回CT検査という感じのスケジュールにしていただいていて
今月は血液検査の結果をお聞きする予定でした。

ただ最近の悩みが、患部の匂い。
患部は少しずつ皮膚に浸潤していて、結構浸出液が出ます。
毎日数回軽くお湯で拭いて処方されているアズノール軟膏を塗るという
相変わらず自己流で処置をしていますが
暑くなって薄着になったこともあって
さすがに匂いが、かなり苦痛になっていました。

どういう匂いかというと、あまり掃除をしてない大型犬(シェパードとか)の
犬小屋みたいな匂い(ワンちゃんゴメン)というかなんというか。
で「この匂いなんとかできないか」と「乳がん 自壊創、匂い」で
ググッてみたら、信頼のおけそうな医療関係のサイトに
「ロゼックスゲル」という軟膏のことが載っていました。

乳がんを含め、がんの特有の臭気を改善する目的で開発され
一年ほど前に認可されている軟膏です。
そこで病院に電話して、看護師さんに「このお薬を処方していただけませんか」と
お聞きしてみましたが「薬局では取り扱ってなく、病院の電子処方箋にもないので
難しい」というお返事で。
困ったなと思いましたが、次は前に診ていただいていた病院で
お薬をいただいていた薬局に聞いてみました。

そしたら「在庫はありませんが、主治医の処方箋があれば
注文して取り寄せることができます」というお返事でした。
「ということは、前の病院の先生にお願いして処方をしてもらうのはどうか」と
思いましたが、軟膏のためだけに、たびたび他の病院を受診するのも大変だし
どちらにしても、まずは今診てくださっている主治医にお願いするのが筋なわけで。

それなら、やはり今の主治医と交渉するという正攻法がよいだろうと思って
今度は、今の病院の薬局に行って「この軟膏を出してもらうことは
できませんか」と直談判しました。
そして薬剤師さんから「先生の処方箋が出れば取り寄せます」とO・Kをもらい
もう一度病院の看護婦さんに電話で経緯を説明し
先生に処方を出していただけるようにお願いしました。

こうして段取りをつけて「なにとぞ処方箋を」とどきどきしながら受診したら
優しいドクターは「分かりました」と快く手書きの処方箋を出してくださいました。
そしてこの「ロゼックスゲル」という軟膏
予想通り、かなり匂いを抑える効果がありました。
あんなに悩まされた匂いが、今はほとんど気になりません。
というわけで今回のチャレンジは見事大成功。
血液検査の結果も、腫瘍マーカーの1個のほうが微増という他は
特に問題はなく、今回もクリアできました。

当日薬局には在庫がありませんでしたが
同じ系列の薬局で、がんセンター指定のお店にはあるということで
30分ほどで取り寄せていただけました。
新しいお薬ですから、がんセンターでは処方されているようです。
まだそんなに暑くはなかったので、えっちらおっちら
チャリをこいでの帰り道「なんかあたしの免疫クン
ヨレヨレなわりにがんばってるよなあ」と
柄にもなくちょっと感動しました。

ただ今回処方していただいた軟膏は、アルコールと直射日光がNGということで
お酒はほとんど飲めないし、飲まないからいいのですが
日光のほうは、これから暑くなる季節で
今まで裸同然の格好でチャリで走っていたのをやめて
完全装備での外出を心がけなければいけません。

けれど、匂いを感じなくてすむということは
例えばバスとか電車とかに乗る時や、映画館など
人の多い場所で匂いを気にする必要がなくなり
気持ちの上では、まるで傷なんかないような軽い気持ちになれるので
本当にありがたいです。



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