●宇宙探査●月と火星を第2の地球に!―SPE―         科学技術研究者   勝 未来

                 ~各国は月と火星の探査計画を着々と実行に移している~   

●宇宙探査●日本の月探査計画は、2017年打ち上げ予定の「SELENE-2」

2013-02-23 11:42:54 | 月面探査
 日本の月探査計画は今どうなっているのだろう?という素朴な疑問が湧いてきた。そこでこれまでの日本の月探査について簡単にまとめてみることにした。

 1990年1月24日、宇宙科学研究所(現JAXA宇宙科学研究所)が、鹿児島県内之浦の宇宙空間観測所から、 M-3SII-5 ロケットによって宇宙工学実験探査機「ひてん(第13号科学衛星 MUSES-A )」(孫衛星のはごろもを装着し後に分離)を打ち上げ、これがわが国の月探査のスタートとなった。

 次の登場したのが、米NASAのアポロ計画以降、最大の月探査計画とされる、宇宙航空研究開発機構 (JAXA) の「SELENE Project(セレーネ計画)」である。これは、ギリシア神話の月の女神セレーネにちなんだ名称で、月周回衛星「かぐや」および子衛星である、リレー衛星「おきな」とVRAD衛星「おうな」の打ち上げ計画。

 「かぐや」は、2007年9月14日に打ち上げられ、2機の子衛星を分離後、月面から高度100kmの月周回観測軌道に投入された。「かぐや」はその後の中国「嫦娥1号」、インド「チャンドラヤーン1号」、アメリカ「ルナー・リコネサンス・オービター」と続く、一連の月探査機群の先陣を切るプロジェクトとなった。

 その後、「かぐや」は、2009年6月に月面に制御落下させられるまで、約1年半にわたり月を周回しながら様々な観測を行った。特に、NHKのハイビジョンカメラを搭載し、「 かぐや」の周回に伴って月に隠れていた地球が見えてくる「地球の出(アース・ライズ)」の映像は強烈な印象を与えた。

 では、今後、日本の月探査計画はどうなるのであろうか。「AstroArts」に、その概要が掲載されているので紹介しよう。

 国際宇宙科学研究委員会(Cospar)の第39回科学会議がインドのマイソールで開催され、74か国から3,000人近くの宇宙科学者が集まったが、この宇宙科学会議において、JAXAの岡田達明氏は、2007年~2009年に月探査を行った「かぐや」(SELENE)の後継機「SELENE-2」のプランを語った。これは2017年の打ち上げを目標とする月着陸ミッションであり、将来の有人月探査の布石ともなるという内容。

 2017年の打ち上げを目標とする「SELENE-2」は、着陸船と探査車で構成される。700kgの周回機と1tの着陸機、200kgまで積載できる100kgの探査車を想定しており、活動期間は2週間。着陸候補地としては、アポロ14号が着陸した場所など11箇所が考慮されている。

 「SELENE-2」は将来の有人月探査にもつながる。「SELENE-2は未来の有人探査に必要となる重要技術を開発し、試験するための計画。有人探査のための先駆的な多目的ミッションである」(岡田氏)。

 この有人月探査は、NASAとの共同計画になるという。「ロケットと着陸船はNASAで製作し、日本の宇宙飛行士が搭乗する。日本人宇宙飛行士による科学探査と月面利用が行われる予定」。

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