●宇宙探査●月と火星を第2の地球に!―SPE―         科学技術研究者   勝 未来

                 ~各国は月と火星の探査計画を着々と実行に移している~   

●宇宙探査●開発進む日本初の宇宙位置天文観測用衛星「Nano-JASMINE」

2013-10-10 15:25:55 | 人工衛星
 日本初の宇宙位置天文観測用衛星「Nano-JASMINE」(主鏡口径:5cm、衛星重量:35kg、サイズ:50cm立方)は、衛星のバス(基幹)部を東京大学中須賀研究室が、ミッション(望遠鏡)部を国立天文台JASMINE検討室が、それぞれ現在開発を推進しているが、打ち上げられれば最新の光学装置を用いた観測を世界に先駆けて行い、 銀河の構造解明に貢献するものと期待されている。

 JASMINEとは 赤外線位置天文衛星(Japan Astrometry Satellite Mission for INfrared Exploration)の略で、赤外線の領域にある光で星を観測しようという計画。 この計画では,天の川銀河内の星の位置と運動を精密に測定し、すべての天文データの基礎データを取得することを目的としている。

 この日本初の位置天文観測衛星を打ち上げるに先立ち、先行実証衛星を打ち上げる必要性が出てきた。これが Nano-JASMINEプロジェクトである。20kg級の小型衛星でありながら、1400kgもの重量を持つヒッパルコス衛星(1989年に欧州宇宙機関によって打ち上げられ、1993年まで運用された高精度視差観測衛星)に続く、世界で2番目の位置天文衛星となり、ヒッパルコス衛星と同じレベルの位置天文データ取得を目指している。 これほどの小型化が可能となった背景には、CCDや電子機器の大幅な小型化・高性能化や、最新の民生コンポーネントを用いた設計が寄与している。

 わずか35kgの超小型衛星とはいえ、検出器の技術革新などにより、「 Nano-JASMINE」単独でヒッパルコス衛星と同程度の観測精度の達成を目標としており、ヒッパルコス衛星による恒星の位置カタログと組み合わせることにより、これまでより1桁精度の高い運動情報を含む、位置カタログを作成できると期待されている。

 なお、この「Nano-JASMINE」は、ウクライナの「サイクロン-4ロケット」を用いてブラジルのアルカンタラ発射場から打ち上げられることになっているが、射場整備の遅れにより、2014年11月以降に打ち上げ予定となっている。








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