●宇宙探査●月と火星を第2の地球に!―SPE―         科学技術研究者   勝 未来

                 ~各国は月と火星の探査計画を着々と実行に移している~   

●宇宙探査●高砂熱学工業、世界初となる「月面用水電解装置」完成し月への輸送を担うアイスペースへ引き渡し

2024-03-18 23:27:42 | 月面探査
 高砂熱学工業は、月面用水電解装置フライトモデル(FM)の開発を完了し、月面輸送サービスを手掛ける宇宙スタートアップ企業のアイスペースへ引き渡した。

 近年、月に水資源がある可能性が示されている。将来的に月面で採取した水から水素と酸素を生成すれば、水素はロケットなどの燃料として、酸素は人が月面で生活するために利用できる。

 同社は、建物で利用するエネルギーとして水素に着目し、約20年前より水素製造技術の開発を始めた。

 地上用の水電解装置を開発し、空調設備事業で培ったエンジニアリング力で、再生可能エネルギー由来電力を用いたグリーン水素利用システムの社会実装に取り組んでいる。

 新たな領域での研究を進めるべく、2019年12月には、民間月面探査プログラム「HAKUTO-R」のコーポレートパートナー契約を締結し、アイスペースとの協業を開始した。

 2024年冬に打ち上げが予定されているミッション2のランダー(月着陸船)に、同社が開発する月面用水電解装置を搭載し、月面に着陸した後、世界初の月面での水素・酸素生成に挑戦する。

 月面用水電解装置は、2024年1月に開発が完了し、アイスペースへの引き渡しが完了した。

 今後、ランダーへ積み込まれ、ランダー側との通信確認など、打ち上げに向けた最終調整を進める。

【月面用水電解装置】

以下で構成されている。

①水を電気分解して水素と酸素を生成する電解セル
②電気分解に必要な水と生成した酸素をためるタンク
③生成した水素をためるタンク
④装置全体を制御する電気ユニット
⑤これらを強固に支えるパーツ 等

概形は、縦 300mm ×横 450mm ×高さ 200mm。

特徴は、①低重力下でも作動する流体制御:地球と比較して約1/6の重力でも流
     体の安定的な流れを確保
    ②耐震性:ロケット打ち上げ時や月面着陸時の振動・衝撃への機械的
     強度を確保
    ③小型・軽量化:輸送用ランダーへ搭載するための条件をクリア
    ④熱制御:真空下でも装置温度を所定の範囲に保持
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