現在、岐阜県飛騨市(旧神岡鉱山)において大型低温重力波望遠鏡「KAGRA」の建設が進められているが、その次の日本の重力波探査計画として、重力波探査衛星「デサイゴ衛星」を打ち上げる、デサイゴ計画の準備が進められている。
世界初の重力波直接観測を目指す大型低温重力波望遠鏡KAGRAのトンネル掘削は、2014年3月に完了し、2015年末には重力波試験観測、そして2017年度には重力波の観測の開始により、世界初の重力波直接観測がスタートすることになっている。
一方、この地上での「KAGRA」計画の次の計画として、宇宙での重力波観測を計画しているのが「デサイゴ」計画。
DECIGO(DECi-hertz Interferometer Gravitational wave Observatory)とは、0.1ヘルツ帯干渉計型重力波天文台であり、宇宙空間に浮かぶ0.1~10 Hzの周波数帯を狙う重力波検出器のこと。
DECIGOの最大の目的は、重力波を通して宇宙誕生直後の世界(10-36~10-34秒後)を直接観測し、宇宙誕生の謎を解き明かすこと。これは、重力波でのみ可能なこと(電磁波では宇宙誕生後38万年以前の世界は観測できない)。
これ以外にも宇宙の膨張加速度の計測によるダークエネルギーの性質の解明や、銀河の中心に存在する巨大ブラックホール形成の観測も期待されている。
DECIGOは1,000 km離れた3台のドラッグフリー衛星から構成され、重力波によって引き起こされる衛星間の距離のごく微小な変化を、レーザー干渉計を用いて計測する。
ドラッグフリー衛星とは、衛星の中に浮かぶ基準質量に対して、衛星全体の相対位置を制御することにより、太陽輻射圧などの影響を受けずに、重力のみで運動する人工衛星のこと。