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●宇宙探査●海洋研究開発機構、地球の北半球の気候変動要因を解明

2013-07-11 11:17:25 | 地球
 海洋研究開発機構(JAMSTEC)地球環境変動領域の中村元隆主任研究員は、ヨーロッパ中期予報センターの再解析データ(ERA-40)、アメリカ海洋大気庁の再解析データ(NCEP/NCAR)、イギリス気象庁(Hadley Centre)の1870年から現在までの全球海面水温データを基本データとして取り入れ、特に北半球の気候変動について、北大西洋北部周辺の大規模な大気・海洋間の相互作用が大規模な大気の流れを引き起こす仲介となる力学要因の変動に着目して解析した。

 その結果、1979年の2月から3月にかけてグリーンランド海の水温が急激に上昇し、周辺の大規模大気力学場を変えて気候が変化していることを見出した。

 これらの事象について、その以前・以後のデータを総合的に解析し、この1979年の変化が、1940年代から1970年代にかけての北半球寒冷化から、1980年代以降の温暖化に変わる大きな転換点となった可能性を世界で初めて論理的に解明した。

 この変化に伴って、日本付近では月平均気温の年ごとのブレ幅が多くの月で増大し、1979年以降は以前と比べて極端現象が起こる確率が高くなっていることも発見した。

 同成果は、地球の周期的な長期気候変動を、観測データを基盤に力学要因に焦点を置いて論理的に解明したもので、今後の北半球寒冷化の可能性も含めた長期的地球環境変動予測の高精度化に大きく寄与することが期待される。

 同研究で見出されたグリーンランド海と大西洋数十年規模振動の関係に基づいて推測すると、2015年前後にグリーンランド海において1979年に起こったのとは逆の現象が起こると考えられる。

 最近10年ほどの地球温暖化停滞の傾向は、大西洋数十年規模振動の周期から推測される傾向と一致しており、北大西洋振動が強い負の状態になる頻度が高くなると、上記のフィードバックが働いて数年間で北半球寒冷化へ移行する可能性もあり、今後は北大西洋近辺の変動を注意深く観察する必要がある。






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