中古屋さんで観ていると、古い感じのアルバムがあります。イタリアのアルバムの様ですが、feat.でガトー・バルビエリ、マル・ウォルドロンとあります。
私コレクターでも何でもありませんが、ガトーのファンですから、少し気になります。
このアルバム、のヌンツィオ・ロトドンさん、まるでしりませんから調べてみれば、1924年生まれのイタリアのトップ・トランペッター、イタリア・ジャズの復興の火付け役だった方で、今でもMyspaceがある凄い人です。
このアルバムはそのロトドンさんの未発表曲を集めたものです。
さて普通では拾わないけど、ガートーのまるで知らない演奏、梱包外観からは何処に入っているか解らない。
でもこれ逃せないのです。拾って早速車の中で聞き始めました。
1曲目ペットのカルテット、ちょっと前衛的な演奏でもここには出てこない。
3曲目、テナーが入りました。これなの、これなの、っていえに帰ってジャケを観ればこれでした。続けて3曲にガトー・バルビエリが参加しています。
録音日を見ると1964年7月17日です。
昨日のドン・チェリーの「即興者のためのシンフォニーが」1966年9月19日です。
研究結果でありませんから、解りませんがガトーの録音としてはかなりはじめのころでしょう。
ガトーが初リーダー録音が1967年3月15日ESPの「In Search of the Mystery」
1966年録音が昨日チェリーともう一つチェリーの「Live at Cafe Monmartre 1966」で1966年3月3日です。
調べてみたらチェリーとの録音で,1965年にブルーノートで「Don Cherry Quartet」があります。
ということでこのイタリア録音、ガトーにとっては相当初期のもの、どなたか初レコーディングとお墨付きいただけないでしょうかね。
そしてこれが大変興味深い。1964年から1966年の2年に何がガトーに起きたのでしょう。
演奏されている曲はなんとパーカーの“Ah-Leu-Cha”と“Cheek to Cheek”ロトドンさんのオリジナル、モード演奏よりも少し古い感じの演奏です。
コルトレーンに多大な影響を受けているガトーですが、トレーンというより、ジョージ・コールマンを思い出させる、コードを追っている感じもする演奏です。
決して、何じゃこれは、とは言うつもりはありませんが1964年から1966年はなんなのでしょう。(とてもうぶなガトー、かわいらしい、皆さん聞いたことないでしょう。)
録音の流れを見て、一つはドン・チェリーとの出会いとグループ参加、そしてコルトレーンがこの時期前後して劇的に変わっていくことが、ガトーをこのように変えたのだと感じました。
他の演奏内容についてはコメント難しいのですが、piano参加で一番多いFranco D'Andreaはさすがにイタリアジャズの流れをたどっています。マル、忘れてしまいました。
まったく損した感じはせず、ガトーの初期を聞くことが出来、流れが私の中で落ち着いた感じです。
(追記) 2009年10月に発売された星野秋男氏の著書『ヨーロッパ・ジャズ 黄金時代』を読んでガトーの初期がわかりました。赤面のところがありますが、解らないので決め付けなかったのでほっとしています。
まずガトーのイタリアにおける1964年の録音にはGiorgio Azzoliniの「Tribute to Someone」(名盤としてCDで再発されて有名でした)があり録音日が5/30、またFranco Tonani no「Night In Fonorama」でもコルトレーンライクなテナーをふいていて、これもどうやら5月の録音みたいです。
こうなるとNuzio Rotondoのアルバム録音が7月なのでこちらのほうが新しい、初レコーディングなどもってのほかでした。
さてもう一つ本から知ることが出来たのはアルゼンチンにいた頃の1960年に初リーダーアルバム「ジャズ・マニア・オールスターズ」があるまだ未熟なロリンズ・スタイルだったそうです。
星野さん、何とか自分で修正することが出来ました。
1. Sir Riccardo(1970-9-19rec) Nunzio Rotondo(tp), Franco D’Andrea(p), Dado Goya(b), Franco Mondini(ds)
2. Garinepaulus(1970-12-3rec) Nunzio Rotondo(tp), Dado Goya(b), Franco Mondini
3. Ah-Leu-Cha(1964-7-17rec) Nunzio Rotondo(tp), Gato Barbieri(ts), Franco D’Andrea(p), Maurizio Majora(b), Roberto Podio(ds)
4. Cheek to Cheek(1964-7-17rec) Nunzio Rotondo(tp), Gato Barbieri(ts), Franco D’Andrea(p), Maurizio Majora(b), Roberto Podio(ds)
5. Nhoade(1964-7-17rec) Nunzio Rotondo(tp), Gato Barbieri(ts), Franco D’Andrea(p), Maurizio Majora(b), Roberto Podio(ds)
6. Nhoade(1964-7-17rec) Nunzio Rotondo(tp), Romano Liberatore(as) Dado Goya(b), Franco Mondini
7. Hormanine(1970-12-3rec) Nunzio Rotondo(tp), Franco D’Andrea(p), Dado Goya(b), Franco Mondini(ds)
8. Saghai(1974-7-7rec) Nunzio Rotondo(tp), Franco D’Andrea(p), Dado Goya(b), Franco Mondini(ds)
9. I’m an old cowhand(1969 spring rec) Nunzio Rotondo(tp), Maurizio Majorana(b), Roberto Podio(ds), Joel Vandroogenbroeck(p)
10. The lady is a tramp(1969autumn rec) Nunzio Rotondo(tp), Franco D’Andrea(p), Maurizio Majorana(b), Roberto Podio(ds)
11. Stuzzicontano(1974-7-1rec) Nunzio Rotondo(tp), Franco D’Andrea(p), Dado Goya(b), Franco Mondini(ds)
12. Oghonothe(1974-7-10rec) Nunzio Rotondo(tp), Franco D’Andrea(p)
13. De Concilius(1969 autumn rec) Nunzio Rotondo(tp), Franco D’Andrea(p), Maurizio Majora(b), Roberto Podio(ds)
14. Lo sai il cane nostro sale pure sugli alberi(1980-4-15rec) Franco D’andrea(p) (TWILIGHT/ITALY)
84歳の人生でした。monakaさんが取り上げて下さってまたなんだか思い出しちゃったけど、きっとヌンツィオさんも天国で喜んでいるかもしれません。
Max来日でバタバタしていた折、あまりに突然の訃報で、Giannni Bassoが亡くなったばかりだというのにまた偉大なミュージシャンが亡くなってしまい、心にぽっかりと穴が開いてました。まことに残念です。
そうですか、お亡くなりになった、知らない方でしたが、マイスペに写真などが載っていて驚いたのですが、残念ですね。
大きな足跡を残されたと思います。