S・ボラーニの新譜が出ましたが、行きつけのショップには、なかなか並ばない。ECMから出るトリオ演奏は初めてで、メンバーはすでにStuntレーベルから2枚トリオで演奏しているベースのJesper BodilsinとどらむすMorten Lundの3人。
出ている2枚はblogでも話題になった評判のよいもの、今聴いても素晴らしいと思います。
ボラーニがソロでECMから出たとき、内省的な面と、ラグなどを取り入れた自由な明るい部分が、半々にあって、聴く側のその日の体調によって、好みが変わるという、体調占いみたいだと記事にしました。
ECMのピアノソロとしては、ボラーニが、随分自由なに演奏させてもらっていると驚きました。
そしてやっと手に入れた新しいトリオのアルバム、1曲目“カンターノ・ヴェローソ”これが1曲目という事、これでイメージ決めているのでしょうか、私としては素晴らしい良い広がりの始まりです。
ボラーニの最初からとても緊張して始まります。
そこで、ルンドのブラシワーク、ECMでは少し異色の始まりです。
前のソロアルバムの2つの面が見事に融合して、まったりとしながら歯ごてえのある感じを受けるのは、これはトリオで演奏になった、という事もあるかも知れません。
偶然みたいに発足したこのトリオが、2003年のアルバムから続いてここまで来ると、当時の感じた緊張感しこし弱くなますが、練りあがったゆとりの交換が加わって、キースのスタンダードトリオをも感じさせるのです。
2曲目と3曲目がBodilsenの曲、ゆったりと、そして内省的なボラーニのフレーズは大切な一葉になってきました。ボデルセンのベースソロがECMとしてはとてもJAZZ的で新しい感じです。
ベースの巡回パターンの中からとても孤高にフレーズを選んでいく3曲目、ライヴで聴いたらこの演奏凄いと思います。
ドラムスがこれでもかと回りを囲ってい始めると、その中でのボラーニのソロはそのすべてを受け入れ、もしくはシャットダウンするような力強さで圧倒的に形を作ります。
4曲目がAntonio Carlos Jobimの曲、ゆったりとした美しい演奏ですが、これほどまでブラシを効かさないで、ジャンと叩いて、思い切り良くしてもよいかと、どちらにしてもECMでは異色な感じです。
そして5曲目6曲、ボラーニの曲が続きます。
5曲目の出だしのパッションからベースソロ、引き続くピアノソロは、だんだんと盛り上がる素晴らしい自由をボラーニに与えた感じで、大きな展開です。
6曲目は、おとなしい曲展ですが、さて、ここにとても攻撃的な曲があったらどうだろうと思うのです。攻撃的でないこの曲は単独では美しいと思いますが、ほかと取り替えても良いかな。だってボラーニ、もっとはじけてもいいのでないでしょうか。
7曲目、フランスの作曲家フランシス・プーランクの15の即興曲よりImprovisation 13 en la mineur、その意味アグレッシブで攻撃的、
このグループがこう演奏するの、ありだと思います。
その後ボラーニの曲2曲は 内に秘めた感じですが、意外と強い意思がある曲です。
8曲目、力強さがあるモーダルな曲、このような曲も必要ですが、でも充分にほかの魅力もあるのです。
9曲目は1曲目と似た感じの落ち着いたボラーニの曲。
ボラーニがECMと組むとこの感じ、とても深くそれでいて柔らかいフレーズが、まさに今訪れている秋を示すようです。
独自のフレーズを持ち、とても位置をしっかりしていてるところ、凄く良い様で、でもファンにはチョット距離を持ちたい、そんな感じです。
「Stone In The Water」そろそろ、それを水の中から拾い上げるのが冷たいような、一つ一つを、それに触れずにみているような、ちょっと間をとった美しさです。
Stone In The Water / Stefano Bollani
Stefano Bollani (P)
Jesper Bodilsen(B)
Morten Lund(Ds)
1. Dom De Iludir
2. Orvieto
3. Edith
4. Brigas Nunca Mais
5. Il Cervello Del Pavone
6. Un Sasso Nello Stagno
7. Improvisation
8. Asuda
9. Joker In The Village
特に前半の4曲目までの流れがゆったりしているので、不本意ながら居眠りしてしまいました(苦笑)。
でもこんなボラーニの方がウケがいいのかもしれませんね。
私としてはむしろソロでやっている「Piano Solo」の方が好きです。
それでもサウンドカラーはECMのものですね。彼の他レーベルのアルバム、まだ聴いていないので、そちらはどんなサウンドか、興味があります。
間違ってトラバ削除しちゃいました。
もっかい、、お願いします。m(__)m
ボラーニのこのアルバムは日本ではうけないのかもしれませんね。。
ボラーニのピアノ、いろいろなタイプで弾いて、それぞれ上手いので、逆に印象が散漫になってしまいますね。
このボラーニ、ECMの枠に嵌っているのでしょうか、これ自体は特出したピアノの才能が見られて凄いのですが、ほかとはチョットちがうのが今後どのようになるのでしょう。
このトリオ、ここから出し続けるのですかね。
もう一度TBしましたが、届きましたでしょうか。
baikinnmannさんが書かれた2行が実は私が書きたかったこと、同感です。
このアルバム、Bollaniの特性とManfred Eicherの美学がぴったりとマッチしていて、ECM好きにはたまらないアルバムとなりました。好き嫌いが分かれるのは仕方がないとしても、1曲目にCaetano Velosoを持ってくるところが私にはたまりませんでした。
こちらからもTBさせて頂きます。
おっしゃるとおり、私も1曲目の演奏に、目茶驚きました。 ボラーニがこう高みで出きるというのが驚きでした。
そのあとECM調があるので、でもそれを外したり、でもECM調ですから、と思いますが良いアルバムでした。
元気でお帰りください、オフが待ってます。