もう聞かなそうなCDを、120枚中古屋さんに持っていったら、セールのこともあって結構良い値がついた。それで新しいのを2枚その場で買って帰りましたが、1枚は正解、もう一枚は今のところクエスチョンです。
正解の1枚はスウェーデンのピアノ・トリオですが、ベースのパレ・ダニエルソンに引かれて買いました。
ピアノはマティアス・ランデウスは聞いたことあったような、と思ったら2枚持っていました。
http://blog.goo.ne.jp/monakasm/d/20080423
1995年録音のデビュー作のが結構よかったので2007年の新作「Goes a long long way」を買ったのですが、特に特出しているとは思わなかったので忘れていました。
http://blog.goo.ne.jp/monakasm/d/20080715
そして名がわかっていたら、今度のアルバムは買ったかどうか、ところがこれがかなり良いアルバムです。
スウェーデンのピアニストマティアス・ランデウスは知る人は知るのかもしれませんが、ベースのパレ・ダニエルソンはキースのヨーロピアン・カルテットがあまりに有名、というより音と音程素晴らしいベーシスト、そしてドラムスの人は知りませんが、ECMでも活躍している新人だそうです。
1曲目“Ooening Song”ピアノ。ベース、ドラムスが等分に気を使いながら相手を見ているようなセンシティブな始まり、いかにも北欧ピアノという感じですが、すぐのダニエルソンのベースソロを聞くと、ピッチの正確な太く柔らかい音、続くJAZZアクセントが心地よいピアノメロディと、ただのグループとは違っていると感じられる演奏です。アルバムタイトルとも関連した、このグループの開始を示すに相応しい演奏です。
2曲目、フリーインプロから始まりやはりパレのベースソロをいれて、マティアスのソロ、ヨン・フェルトのドラムスは常に細かい挑発をいれます。とても録音がよいので気持ちよく聴く事が出来ます。
3曲目がなんとサッチモの“What A Wonderful World”この曲をピアノトリオで演るのと思うのですが、これほど素晴らしく演奏できるのですね。ベースがダニエルソンですから、キースのスタンダードをしっかり意識したと思える演奏です。
続く4曲目はフォーク・ゴスペル調になってやはりキースを感じさせる調子ですが、ただこのピアニストは音と色合いは自分の物がすでにあり、そこらへんが決してまねではない演奏です。
6曲目も曲調としてキースのヨーロピアンカルテットのピアノ演奏を思い浮かべます。
7曲目はプレスリーの“愛さずにはいられない”これもアレンジが秀逸です。
8曲目、格調高い感じのピアノ音はジョン・ルイスを少し思い浮かべてしまいました。
9曲目、全てが少しずつずれているような毎日を反省するように、この演奏1音が必ずずれて、しかしそれが現実でこちらが正しいのかも知れないという、一度聞いてもらわないと説明しようのない、シュールでユーモアある曲。題名はなんと“Perfect Harmony”。
10曲目はゴスペル調で調子を戻すと、最後の曲はピアノ弦をすこしいじっているのでしょうか、エキゾチックな響きは、エンディングにするにはもったいないような新しい試みと響きです。
エスビョルン・スヴェンソンを失ったスウェーデンで、このグループが活動を続けえることを宣言するような、次につながる終わり方で、期待をもたせるエンディングでした。
Opening / MATHIAS LANDAEUS
MATHIAS LANDAEUS(p)
PALLE DANIELSSON(b)
JON FALT(ds)
1 Ooening Song
2 Goghussommar
3 What A Wonderful World
4 Boy Cow
5 Angela's Place
6 Strip Comic
7 Can't Help Falling In Love
8 Family Tree
9 Perfect Harmony
10 we and Waiting
11cSurroundings