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鈴木博之さん: 「明治村」(愛知県)館長 伝わる思い 建築史

2010年08月05日 09時36分51秒 | 新聞
昨日の朝日新聞夕刊に、「明治村 本物の魅力 歴史背負った建物 救う使命」という記事がありました。

鈴木博之さんは、この4月に、明治村(愛知県)の館長になり、歴史的な建物があった場所にあり続けること、実物が持つ意味を考えるのだそうです。

鈴木さんは、東京大学の名誉教授でもある方です。

これまで建築の歴史を研究してきて、この4月に明治村の館長に就任し、実践的な施設に関わるところまでこられました。

明治村は、愛知県犬山市にある屋外建築博物館で、今年45周年を迎えます。

歴史的な建物を、建っていた現地で保存できなくなったものを、この明治村に移築し、保存します。

「帝国ホテル」のロビー部分は、明治村でもっとも有名な建築です。
保存運動の結果、明治村に再現されました。

「芝川又右衛門邸」は、阪神大震災で被災し、明治村にやってきました。

明治村には、橋、鉄道車両、家具、産業機械も収蔵しています。
明治期の機械類では、もっとも充実したコレクションがあるとされています。

そういう意味で、明治村には、近代日本の建築史、土木史、技術史、鉄道史などの幅広い分野の資料を収めていることになります。

鈴木さんは、館長になってから、「明治塾」という連続講義会を企画されました。

建物の背景となっている世界を知るために、毎月、専門家に明治以降の歴史を語ってもらうものです。
これまで、茶道史、日本史、建築史、政治史の専門家の講演がありました。

建築物は、それが建っている場所にあり続けてこそ意味があるのであり、移築はできるだけ避けるべきだという意見もあるそうです。

鈴木さんは、それはまことに正しいけれど、建ち続けられなくなった建物を救い、集めることによって成立している明治村は、それはそれで独自の意義を持っていると考えられます。

西園寺公望が、静岡県の興津に営んだ別荘「座漁荘」は、興津詣を強いた戦前の政治のあり方が表れていますし、その見事な銅の雨どいには、彼のバックになり、銅山を経営してきた住友家の財力が感じられます。

この秋には、「北里研究所本館」の修復工事が終わり、北里研究所が創立50周年として工費の支援をしてくれました。

「そうした全体性を、そこに建つ本物の建物を通じて味わっていただきたい」ということです。
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館長さんとしての、思いが伝わってくる文章です。

良質な意義のある建物があることを知ってもらいたい、経営者としての金銭面の動きも伝えたい。

自ら企画して、講義(授業)を提案されるなど、建築史の専門家として、明治村を広く知ってもらい、興味を持ってもらいたいという気持ちが感じられます。

「明治期の機械類のもっとも充実したコレクションがここにはあると言ってくださる研究者もいるほどなのである」という書き方に、お人柄が表れていると思いました。



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