息をするように本を読む

初めて読んだ本も、読み返した本も、
ジャンルも著者もおかまいなしの私的読書記録
と、なんだかだらだら日常のことなども

ライオンハート

2012-06-07 10:24:51 | 恩田陸
恩田陸 著

輪廻転生。何度も何度も生まれ変わってはめぐり合い、そして愛し合う。
何十年もの時を経て、まったく違う国に生まれても、必ずわかる。

三島由紀夫の『豊饒の海』を思い出す。

エリザベスとエドワードの出会いはいつも哀しい。
共に過ごす時間は短く、そしていつも不幸に終わる。
それでもその時を“金色に光り輝く”といい、大切にすごし、
いつになるかわからない次の出会いを待つだけの運命に引き裂かれていく。

ヨーロッパの華やかな香りが漂う、壮大な物語。
なのだが、どういうわけか私はのめりこむことができなかった。
面白くないわけではない。
よくできているとも思う。
なのに、どこか距離をもって読んでしまうのだな。

好みが分かれるところだが、作者の代表作でないことだけは確実。
恩田陸の魅力はもっと違うところにあると思う。