かたつむり・つれづれ

アズワンコミュニテイ暮らし みやちまさゆき

ふだん着で めぐる鈴鹿は こと始め

2012-01-19 07:00:07 | アズワンコミュニテイ暮らし
 お正月の14日お昼ごろ、鈴鹿カルチャーステーションの玄関に
一行はやってきた。
 玄関ホールは、たちまち若やいだ空気に一変した。

 和歌山から、沖縄から、宝塚から、名古屋から。
 鈴鹿在住の女性も。総勢8名。それに、紹介者の須賀さん。
 昨年みえた、大阪トランジッション・タウンの”つんつん”
の愛称をもつ女性の声掛けもあったとか。

 普段着ってのは、着るものだけのことではなさそうだ。
 だんだん、使っていて、おもうようになった。
 ”アズワン・コミュニティ”とコトバにすると、いろいろな
イメージが聞いた人のなかに起こるのだろう。
 コミュニティというのを、場所とか、特定の思想を持った集団と
とらえると、ここに来てみると、目にするのはなんの変哲もない、
地方都市だ。
 普段着というのは、訪れてくれる人が気楽に普段着で来てください
というほかに、「街の普段着の姿こそ、見ていただきたい」という
気持ちもあるなと、勝手におもっている。

 鈴鹿カルチャーステーションの自己紹介で、「名前と歳と・・・」と
言ったら、「えっ、歳もいうの?」と反応があった。
 あとで、「ここは、歳というのを特別に考えているのですか?」と
聞かれた。フイだったけど、そういえば、そういうこと、
どんなにおもっているのだろうと振り返った。




 街のあちこちを見てまわった。いろいろな人と出会った。

(カンパニー事務所にて。隆杉さんが話)


(まちのはたけ公園。小林耕一さんが案内。須賀さんも身をのりだす)


(おふくろさん弁当。伊与田さんと泉田さん)


(リンカショップにて。竹本さん、リンカの実際を語る)


(サイエンズスクール事務所。竹本美代子さんが説明。質問いっぱい)



 夜は、サイエンズスクール研修所で夕食をいただく。
 野菜が豊かにあった。
 「わあ、おいしそう」


 食後、懇談会があった。
「メンバーとメンバーでないとのちがいは?」
「なにか、共通してやろうとしていることがあるのでは・・?」
「会う人の表情が生々している。老後のことは?」

「産業医をしているが、工場の人は半分病気。システムに
おしつぶされている。じぶんが満たされてこそ、社会のことが
見えてくるのとは、逆・・」
「人間としての成長、精神面をだれもが求めている。
お弁当屋さんをやりたいんではないんですね。」

「四日市で地域通貨のお手伝いしたことがある。お金や人を投入し、
仕組みができても、難しかった。足りないものがあった」
「社会の在り方をいう人はいるけど、私はこういたいなあという
ところから考えていない。どんなことをするかという前に
やることがありそう・・」

「人に頼らないで自立することやろうとしている。
 一人になると、さびしいから、人を求める。
そのへんの兼ね合いを考えている」
「どれだけ、人のことを聞けるか、そこが大事だとおもう」
「人を聴くといったら、許容範囲はないとおもう」

「研究ということを聞くんだけど、どういうことをしてるのかな?」

 話は尽きなかった。


 翌朝は、里山体験。
 高崎広さんに受け入れてもらい、椎茸の植菌。




 そのあと、お茶会。
 そして、”普段着で探訪してみて”、それぞれ感じたあたりを
出しあった。

「ゆるい、ごはんおいしい」
「自然体、楽。こういう場にいたら、そうなっていくような・・。
 10年かけて、やってきてくれた。あちこちで、こんなことやれたら」

「やりたいことが、やれていないという自覚もないまま、暮らしている。
それって、おかしい。じぶんをないがしろにしている。
じぶんをしらべることなしきている。いっぱいヒント、もらった」

「全体をどうするかの前に、じぶんがやりたいというところから
はじめる。やりたい人がやる、というのが新鮮。発見」
「立派な理念の教育でも、子ども抑圧するようなことになるのは、
へん。じぶんがやりたいことをとことんやって、満たされて、
まわりにひろがっていく」



 お昼ごはんは、コミュニテイ食堂中井邸。
 白和え、ふろふき大根、炊きこみごはん。
 ふだん、食卓に上るようなメニュー。
 でも、あちこちから、「おいしい」の声。



 どこまでいっても、”ふだん”になにかありそうな・・・。






















 

 

「じゃあ、またね」・・・サンマウル高交流生帰国

2012-01-19 06:24:32 | アズワンコミュニテイ暮らし
 寒い朝だった。
 ゲストハウスから、四人は出発した。
伊与田さんが運転して津なぎさ港に向かった。
 
1月14日朝8時前。
 ジュノくん。
 ヨンミンくん。
 ジョンスさん。
 ウンソルさん。

(送り出し会のあいだに、岩田隆さんがスケッチした絵。左から、
ジュノ、ヨンミン、ジョンス、ウンソル)


「じゃあ、またね」
「待ってるよ」

 1月6日から数えると、9日経ったことになる。
いろいろな人との出会いや場面があったとおもう。
そこで、なにを一人ひとりがうけとったか。
かれらのなかで、なにがおこっているか、
かれら自身でも、よう、すぐには整理できないかも。
「楽しかった!」
この一言に、こめられているもの・・

 「じゃあ、またね」というのは、「いろいろあったけど、
いまのところはこれぐらいのところで・・」という
気持ちだろうか。

(ここまで、1月14日に記す)


 送り出し会にて。
 ヨンミンくんは、「日本の人がやさしかった」と言っていた。
 ジュノくん「地域通貨リンカにはびっくりした。お金が
なくなることが目標というのは、どんなことか、関心が
ある」
 ジョンスさん「職場やSCSタイムなど、いろいろ体験した。
楽しかった」
 ウンソルさん「白子のお弁当屋さんに行った。伊与田さんが
”ウンちゃん””ウンちゃん”と呼んでくれた。おべんとうの
配達に行って、日本の人にも会えた」




 付き添ってきたカン・ヨンホ先生。
 「一人ひとりが心を開いているなと感じた。ヨンミンは
ふだんあまり話をしないとみていたけど、ここでは
よく話していたなあ」

 二日目だったか、夕方、ゲストハウスへ帰るため、歩いて
いた。
 後ろを歩いていたウンソルさんがなにやら聞いてきた。
日本語がわかるジュノくんが「トイレ」と訳してくれた。
耳には「トイレ」と入ってきた。
 とっさに、こんなところで、「トイレ」なんかあるだろうか。
まわり見渡した。
 暗いなかに、コンビニの明かりが見えた。
 「よかった、あそこにある」
 「トイレ、あそこにあるよ!」と、ほっとして指差した。
 ジュノくんが、「ちがいますよ、ウンソルは「トイレ」という
映画を見たことありますか、って聞いているんですよ」
 みんなで、大笑い。

 結局、ネットでしらべたら、荻上直子監督の日本映画だった。
 ウンソルは、その映画からどんなことをくみとっているか。

 ジュノは数学の先生になりたいと言っていた。
 ヨンミンくんは、大学に進むつもりだと言っていた。

 ユン校長に聞くと、3月の卒業生20人のうち、15人が大学へ
進学するという。
 「サンマウルは、進学のための学習はやって
いないんじゃないですか?」と聞いてみた。
 ユン校長は、「そうなんです」とにっこり笑った。

 かれらのことをおもうと、今のなかにある未来といったものが
浮かんでくる。
(1月19日記)