風来庵風流記

縁側で、ひなたぼっこでもしながら、あれこれ心に映るよしなしごとを、そこはかとなく書き綴ります。

飛行機あれこれ

2017-08-02 21:16:16 | 日々の生活
 シンガポール出張・三部作の最後に・・・今回は久しぶりに全日空に乗った。
 どうでもいい話だが、日本航空では国内線の便名に「JALxxx」、国際線に「JLxxx」と、いずれも社名の頭文字に因む記号が使われている。所謂「3レターコード」とか「2レターコード」と呼ばれるものだ。これに対し全日空では国内線の便名に「ANAxxx」が使われるものの、国際線では「NHxxx」が使われている。この「NH」は何を意味するのか疑問だったが、最近、偶々判明した。同社の前身である「日本ヘリコプタ-輸送株式会社」の頭文字なのだそうだ。さらにどうでもいい話だが、航空会社コードには2種類あり、「JAL」「ANA」は国連の専門機関である国際民間航空機関(ICAO)に登録されている3レタ-コ-ドであるのに対し、「JL」「NH」は世界の航空会社で構成される業界団体の国際航空運送協会(IATA)に登録されている2レターコ-ドらしい。そこからも分かる通り、国内線では3レターコード、国際線では2レターコードを使うと厳密に決まっているわけではなく、業務の場面に応じてそれぞれが使われるらしい。
 閑話休題。登乗後、かつての熱いおしぼりがウェット・ティッシュのお手拭になったのは仕方ないにしても、機内食で和食を選択できるし、コストダウンを追求する欧米系のちゃちなイヤホンと違ってヘッドホンを使えたのは、ちょっと満足度が高い。LCCが登場して、飛行機もバス並みの手軽さで利用するというのは言い過ぎにしても一般的な輸送手段になって、スチュワーデス(現CA)をことさらに称揚した時代の空気が薄れたのは良いことだと思うが、そうは言っても今回のように6~7時間、アメリカ東海岸なら12時間以上を過ごす空間なので、おろそかにはできない。飛行機会社としてはそのバランスが難しいところだろうと思う。
 たとえば昔の座席には肘掛に灰皿がついていたものだが、いつの間にか全席禁煙となった。機内の映画も、かつては一方的に流され続けるだけで、つい居眠りしてラストシーンを見逃すと、また100分なり120分、待たなければならず、結局ラストシーンを見ないまま降機するという欲求不満な事態もあったものだが(苦笑)、コンピュータ・サーバーの性能向上によりオン・デマンドが当たり前になった。座席の座り心地も、エコノミー症候群などと言われるようになったこととも相俟って、多少は人間工学的に工夫されて来たかも知れない(余り実感はないが)。それでも、今もなお座席予約するときには通路側を選ぶ。こればかりは人間の心理だろう。間違っても我先にと肘掛を使わないのは謙虚な日本人の奥床しさと言えようが、座席空間としての閉塞感はなんとも嫌なものだし、トイレに立つときに隣の人を立たせなければならないのは煩わしい。そのため、中央席に女性が座ると、通路側の私はいつもより頻繁にトイレに立ってチャンスをあげるような余計な気遣いまでしている。
 ところが最近、そんな敬遠されがちな中央席の人気を高めるアイデアが生みだされているという。機内インテリア・デザインを手がけるMolon Labe Designsが独ハンブルクで開催されたエアクラフト・インテリアズ・エキスポに出品した「スタッガーシート」は、中央席がその両脇席と互い違いになる構造で、中央席は両脇席よりも少し低く、少し後ろに下がり、幅は両脇席より少し(7.5cmほど)広いのが特徴だ。こうして中央席では、ひじ掛けの後ろ半分に付けたカーブによって後ろ半分を確保できるというし、両隣の座席が15インチ・スクリーンであるのに対して、大き目の18インチ・スクリーンで機内エンターテインメントを楽しむことが出来るという。
 と、まあ、ちょっとした工夫で中央席のイメージもちょっとは変わるが、それでも中央席を選ぶ動機付けにはならないだろう。いやいや大事な取組みであって、混雑して中央席に配されても、以前ほど落胆することはないかも知れない。
 最後にもう一つオマケ。先ごろ、エクスペディア・ジャパンがアジア8ヶ国地域を対象に、フライト・マナーに関する国際比較調査を実施したところ、日本人は韓国人と並んで必要最低限の時以外は最も「座席を倒さない」ことが判明したという。なんとなく納得する。以下、マレーシア、香港、台湾、シンガポール、タイ、インドの順らしいが、華人(つまり香港、台湾、シンガポール)やインド人がそれほどお行儀が良いとは思えないのだが・・・(ちょっと偏見が過ぎるか)。また、「空港や機内で2杯以上のアルコール飲料を飲む」ことでは、インドに次いで日本は2番目に多い結果となったらしい。こちらもちょっと納得するが、韓国、タイ、香港もほぼ並んでいるし、シンガポール、台湾もそれに続いていて、ムスリムが多いマレーシアが最低であるのは当然として、ここぞと言うときに飲みたくなることでは大差ないということか。あるいは、なんだかんだ言って相変わらず狭苦しい機内だから、皆、酒でもかっ食らって寝るに越したことはない・・・といった心境かも知れない。
コメント
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