風来庵風流記

縁側で、ひなたぼっこでもしながら、あれこれ心に映るよしなしごとを、そこはかとなく書き綴ります。

甲子園の夢・清原超え

2017-08-25 00:23:54 | スポーツ・芸能好き
 記録はやはり破られるためにあるものだ。今夏の甲子園で、中村奨成(広陵)が6本塁打をマークした。やんちゃな清原(PL学園)の野球小僧ぶりを愛する私には、彼の一大会での最多本塁打記録(5本)が塗り替えられたことがちょっぴり寂しく、やや突き放したところで、ほおぉと感心する。実に32年振りのことだ。
 小学生の頃、野球少年だった私は、以来、高校野球をよく見たものだった。時代はONを擁する巨人の黄金時代だし、子供にはなにしろ暇がある。そんな小学生の頃の私にとって最初のヒーローは、江川卓(作新学院)という規格外の大投手だった。打者の手元でホップする剛速球に全国中が瞠目し、高三の夏の二回戦、延長12回裏1死満塁のピンチで、雨の中、押し出しの四球でサヨナラ負けしてガックリ肩を落とすシーンは今も瞼に焼きついている。翌年の夏もまた悲劇的なシーンが記憶に残っていて、生まれ故郷の定岡正二(鹿児島実業)が、準決勝でホームに滑り込んだ時に投手として大切な右手首を負傷して交替し、あれよあれよとサヨナラ負けしたシーンも忘れられない。その後、高校時代には、隣町に牛島和彦・香川伸行(浪商)という人気のバッテリーがいて、地元として応援したものだったし、大学時代には、KKコンビと言われた桑田真澄・清原和博(PL学園)に注目した。ところが、いつしか自分が年上になり、更に齢が離れるに従い、見る目も変わって、徐々に離れて行ったのは、仕方のないことなのだろう。つまりは子供の頃のヒーローほど思い入れが強いということで、冒頭のような発言になる。
 その後も、甲子園は、松井秀喜(星稜/1992年)、松坂大輔(横浜/1998年)、斎藤佑樹(早実)と田中将大(駒大苫小牧)が投げ合った2006年、藤波晋太郎(大阪桐蔭)と大谷翔平(花巻東)と松井裕樹(桐光学園2年)の2012年など、5~8年毎に怪物が出没する恐ろしいところだ。甲子園に出られなかった清宮幸太郎(早実)はU18ワールドカップには出場する。最近はサッカーやテニスやゴルフと、楽しむスポーツはいろいろあるからこそ、是非、野球を盛り立てて行って欲しい・・・といったオジサンの発想になる(笑)。
 思い出すだに子供の頃に与えられた感動はかけがえのないものだった。プロではない技術を補うひたむきさや不安定故に壊れやすい緊張が見る者を惹きつける。偽善的なところを衝く見方もあるが、野球をやっている一瞬一瞬が面白ければいいと思う。是非、子供達に感動と将来の夢を。
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