四ツ谷にあるポルトガル料理のレストランに行った。トリップアドバイザー「東京で人気のポルトガル料理レストラン10選」の二番目に出てくるお店である。聖イグナチオ教会(カトリック麹町教会)の傍というのは恐らく偶然ではないのだろうと、ポルトガル=カトリックが圧倒的多数と単純理解している私は思ってしまう。
大通りから一筋入り、店の並びが絶えるため目立たない外観だが、国旗がはためいていて辛うじてそれと知れる。地下1階でも天井が高いため圧迫感がなく広々としていて、内装は実に洒落ていて気分がいい。食べログにはサービスにムラがあるようなコメントが出ているが、気にならない。そして何より料理が美味い。
しかし、だからと言ってこれがポルトガル料理と思うのは早計のようだ。私自身、ポルトガル料理は二度目で、前回は10年近く前にマレーシアのマラッカで食したものだったが、数百年を経てすっかりローカライズされていて、ポルトガルらしさが私にはよく汲み取れなかった。ここも、連れて来てくれた知人の知人で、ポルトガル駐在したことがある人に言わせると、どうも本場のポルトガル料理ではなく、日本風にアレンジされているそうだ(まあ日本にある異国料理と言えば多かれ少なかれそうだけど)。
たとえば前菜で出てくる生タコのマリネや、バカリャウ(と呼ばれる干し鱈のコロッケ)や、エスカベッシュ(と呼ばれるワカサギの南蛮漬け)は、まさに和食と言ってもよいほどで、驚かされる。それもそのはず、南蛮漬けはその名の通り、マリネやエスカベッシュが原型とされる。オリーブ油、ビネガー、玉ねぎ、ニンニク、ローリエを素材にした漬け汁に、素揚げした魚や小麦粉をつけて揚げた魚を漬け込む所謂マリネで、魚を熱処理してから「油+酸性液」に漬けこむことで長い保存に耐えられるようにする伝統的な調理法らしい。因みにこの日は食さなかったが、天ぷらも南蛮料理が原型で、16世紀には「長崎天ぷら」が誕生している。そのほか、この日、食した海の幸のカタプラーナ(ポルトガル式魚介鍋)や豚とアサリの炒め煮アレンテージョ風は、素材の味を活かして日本人の口に合い、なかなか美味だ。
唯一、残念だったのは、ワインが期待外れだったことだろうか。食前酒に頼んだポート・ワインは美味かった。まさにご当地ポルトガル北部ポルト港から出荷される特産の酒精強化ワインだ。ところが、フランス・ワインであれば知名度のせいでコスパが悪いのは覚悟の上で、それだけに逆にポルトガル・ワインにはちょっと期待していたのだが、ケチって一番安いボトル4800円にしたら、ただのテーブル・ワインでしかなかった。重いのは6000円以上というから、ワイン好きは覚悟した方が良さそうだ。
結局、表通りの喧騒から離れた隠れ家風、店内の雰囲気も味も良く、話のタネになる、要は使いようだと思ったので、お店の名刺を頂いてきた次第である(二度目がなさそうなお店からは勿論、名刺は頂かない)。
大通りから一筋入り、店の並びが絶えるため目立たない外観だが、国旗がはためいていて辛うじてそれと知れる。地下1階でも天井が高いため圧迫感がなく広々としていて、内装は実に洒落ていて気分がいい。食べログにはサービスにムラがあるようなコメントが出ているが、気にならない。そして何より料理が美味い。
しかし、だからと言ってこれがポルトガル料理と思うのは早計のようだ。私自身、ポルトガル料理は二度目で、前回は10年近く前にマレーシアのマラッカで食したものだったが、数百年を経てすっかりローカライズされていて、ポルトガルらしさが私にはよく汲み取れなかった。ここも、連れて来てくれた知人の知人で、ポルトガル駐在したことがある人に言わせると、どうも本場のポルトガル料理ではなく、日本風にアレンジされているそうだ(まあ日本にある異国料理と言えば多かれ少なかれそうだけど)。
たとえば前菜で出てくる生タコのマリネや、バカリャウ(と呼ばれる干し鱈のコロッケ)や、エスカベッシュ(と呼ばれるワカサギの南蛮漬け)は、まさに和食と言ってもよいほどで、驚かされる。それもそのはず、南蛮漬けはその名の通り、マリネやエスカベッシュが原型とされる。オリーブ油、ビネガー、玉ねぎ、ニンニク、ローリエを素材にした漬け汁に、素揚げした魚や小麦粉をつけて揚げた魚を漬け込む所謂マリネで、魚を熱処理してから「油+酸性液」に漬けこむことで長い保存に耐えられるようにする伝統的な調理法らしい。因みにこの日は食さなかったが、天ぷらも南蛮料理が原型で、16世紀には「長崎天ぷら」が誕生している。そのほか、この日、食した海の幸のカタプラーナ(ポルトガル式魚介鍋)や豚とアサリの炒め煮アレンテージョ風は、素材の味を活かして日本人の口に合い、なかなか美味だ。
唯一、残念だったのは、ワインが期待外れだったことだろうか。食前酒に頼んだポート・ワインは美味かった。まさにご当地ポルトガル北部ポルト港から出荷される特産の酒精強化ワインだ。ところが、フランス・ワインであれば知名度のせいでコスパが悪いのは覚悟の上で、それだけに逆にポルトガル・ワインにはちょっと期待していたのだが、ケチって一番安いボトル4800円にしたら、ただのテーブル・ワインでしかなかった。重いのは6000円以上というから、ワイン好きは覚悟した方が良さそうだ。
結局、表通りの喧騒から離れた隠れ家風、店内の雰囲気も味も良く、話のタネになる、要は使いようだと思ったので、お店の名刺を頂いてきた次第である(二度目がなさそうなお店からは勿論、名刺は頂かない)。