大野の山の中に、宝慶寺(ほうぎょうじ)という曹洞宗のお寺があります。
曹洞宗の開祖・道元禅師が永平寺を開いた後、その後継者が教団の陣容拡大に走ったのに反対した道元の愛弟子・寂円禅師が、道元に倣って坐禅を深めようと、ひっそりとした山の中に開いたものです。
今でも禅の道場となっており、山門には、「日本曹洞第一道場」という額縁がかかっている永平寺に対して、「日本曹洞第二道場」という額縁がかかっています。
またお堂には、修行僧の一日を記した黒板が立てかけられてあり、まさにここが修行道場であることを感じさせます。
人里離れた山の中の寺で、門前に商店などはなく、深山幽谷という言葉がぴったりです。今、寺の前には一軒の古民家があり、寺の後ろには、数々の地蔵さんが並んでいます。
緑豊かな静かな禅寺は、修業とは言わなくても、物思いにふけるのにぴったりです。一乗谷朝倉氏遺跡や平泉寺白山神社と同様、派手なものはなくても、自然の中に眠る遥かな歴史ロマンを感じられます。