ブルーシャムロック

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原田騒亂記_2

2012-11-15 12:38:57 | 信・どんど晴れ
「佳奈ちゃん、現在仕事は大丈夫ですか。あの原田が何か行動は起こしていませんか?」
そんな内容のmailが沖繩の小禄から送られてきた。
「ああ、今のところは何にも起こらないよ。しかし、旅館の売り上げの50万が無い
ということが大騒ぎになっているんだ。容疑者の一人として私が上げられている。」
と私は返した。
原田は仕事は速いし、細やかな所があるし、同僚はいろいろな部分で原田に心酔しきっている。
売り上げの50万を盗んだ容疑者候補である私は立場が悪くなっている。
「日頃から関東だか、大阪に高飛びしたいから、盗んでも当たり前よね。」
同僚の一人は言う。
私のことを女将は表情を変えずに
「佳奈ちゃんは自分のことだけを考えなさい」
とばかり言う。
「松本さん、加賀美屋の女将の座は私の物よ。」
なんともねっとりした鄙俗い声で私に原田は迫ってくる。
「ああ。私だって立場が悪いから、あんたに自動的に加賀美屋の女将だか何だかは
自動的に転がり込んでくるだろう。」
ばつが悪く笑う私。
「そうね。」
彼女は自信がある一方で不安なのだろうか?とこのときは考えた。
なにやら、言葉が強がっているようにも思えた。
「原田さん、松本が怖いんですか。」
また、私の同僚が、原田をFollowする。
勝手に私を追放しててめえの加賀美屋帝國にでもしやがれ。
そんなことを言って私はお膳を客室に運んでいく。
さて、私が調理室から、こんな事を聞いた。
「このまえの50万圓なんだけれども、私は佳奈ちゃんが盗んだとは思えないのだが。」
調理長の声である。
「まさか、調理長。佳奈ちゃんをそこまでかばうのですか。私は彼女をFollowできません。」
調理の補佐を担当している女将の次男だ。
聞かないふりをするように私はしたい。
私がお膳を客室に持って行こうとするとき、突然追廻というか何かが・・・。
「もう、此處の旅館じゃなくて、鹿児島の市内か那覇に料理屋を開くことを決めました。
獨立資金はもう出来上がっているんですよ。」
若い男は自信満々だった。
「けっ。誰がお前を此處まで大きくしてやったんだ?]
次男殿は、その若い板前にすごい剣幕で怒鳴っていた。
若い板前は怒られても大丈夫だったようだ。
まあ、ここだったら、或る意味牢屋だ。身動きができない。比較的那覇や鹿児島市内では
自由がきくと思う。
まあ、私の追放も時間の問題だ。
つづく
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