ブルーシャムロック

此処はtomohiroのオリジナル小説サイトです。
小説主体ですので、小説に興味の無い
人は、退出下さい。

信・加賀美屋の一番長い日_7

2014-07-13 05:26:57 | 信・どんど晴れ
「それにしても、甥御さんだけれども、新一さんの奥さんに食われていましたな。」
参列者の一人が女将につぶやいた。
「そういうわけではないですがね。」
社長がFollowしたけれども、
あの朝倉夏美にかいがいしく世話を焼いている恵美子は皮肉にも旧来の友人か
言い方が悪ければ同性愛のカップルにも見えた。
「環(たまき、女将の本名)さん、親戚として言いますけれども
いつもかわいがっている若手のかなちゃんを、後継者にしてしまいなさいな。」
女性の参列者も言う。
ひとまずは、柾樹も朝倉夏美も濱に歸るらしい。
「まあ、どうなるかわからんよ。」
大女将が佳奈の方を見た。
「貴殿のことは女将や社長から注意しなさいと言われてきたのでついつい気になります。

と佳奈は言う。
「もしかしたら島に必要なのは、朝倉夏美さんであって、あんたじゃないかもよ。
あんたを窮地に追い込んで、もしかしたら東京か横浜で仕事を探しているかもよ。」
大女将が脅すように言う。
「ふぅん。そのまえに鹿児島の市内か那覇の病院でくたばるのはあんただよ。
私は此島にへばりついて生きるしかない。あんたが考える以上に濱も東京も
大阪も厳しいんだよ。」
と言い返す。
「このぐらいにしておけ。本当に大女将No言うとおりになるから。」
ソレを聞いていたのは新一だった。
「鹿児島の市内か那覇の病院というのは残酷ですかね。」
佳奈は苦笑した。
「俺の本心はお前を仲居頭か、若女将にしたいところだ。ちょくちょく
加賀美屋と徳之島に遊びに来る沖縄の女の子のためにも。」
と新一は言う。
「小禄さんのこと気になるんですか?」
佳奈は新一に問うてみた。
「あ、いや・・・。」
新一は言葉に詰まった。
tsuduku
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 信・加賀美屋の一番長い日_6 | トップ | 信・加賀美屋の一番長い日_8 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

信・どんど晴れ」カテゴリの最新記事