ブルーシャムロック

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ある富士五湖記_1

2011-06-20 16:38:43 | 信・どんど晴れ
東京にある、リストラなどを行う団体。
そこに勤務する高垣健一郎は、いつもの仕事の資料に目を通しながら
ある会社の社内報に目を通していた。
委託先である会社に勤務している笹本という男がそこには映し出されていた。
「笹本さん、本社勤務になってから精力的に働いているな。」
高垣はそう思った。
「高垣君、昔よく取引で付き合っていた笹本さん、中々面白いところにいるだろ。」
と横から団体の代表が笑う。
「はい。」
自分のMAILBOXに目を通したとき、笹本と書いてあるメールが来ていた。
内容はこうだった。
「高垣さん、私は現在富山本社の障害者に関する機器の部門に所属しています。
といっても、此処の首魁の人材登用のブレーンとしてです。東京支社での仕事を
評価されたのと、それと、学生時代ボランティアで富士五湖のある街に
全盲になった人間とともに過ごしていた事があるのです。
彼と、障害者マラソンも一緒に走りました。彼との出来事はいい一夏の
想い出でした。
秋、大学に戻ったとき、彼が事業所を首になったのは悲しい想い出でした。
結局彼は、自らの力で他に就職できましたが・・・。
卒論はそう言った障害者と機械のあり方を書いたのですが、
其れが、なぜだか社長の目に留まってしまい・・・。」
長くなるから此処で終わらせておく。
高垣は一端深呼吸して、
「彼はどんな物を開発するのか。」
とメールを送った。
つづく

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