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ある町に向かう

2022-04-02 05:53:43 | 逆襲の藤隆
「シーリーン、夢見のおばばが言っていたが、僕たちは悲戀に終わった
遠い国の王女と王子の生まれ変わりなのだろうか。」
ホスローというある男性が、ヒトコトのべた。
「ホスロー、そうだったら嫌だな。私達が故郷の町を逃げ出したのは
そういう生まれ変わりとか言うのが嫌で、逃げてきたんでしょう。」
と、シーリーンは言う。
「ああ、僕としてはどこか逃げられる場所ってないのかなぁ・・。」
一週間前、夢見のおばばが述べた言葉は、
「前世の王子と王女は、悲戀の末同じ墓に埋まっている。」
と述べていた。
「同じ墓に埋葬することが、念願だろうか。もしかしたら愛し合っていても
離れ離れになることだってあるじゃないの。」
と、シーリーンは言う。
「確かにそうだね。」
ホスローは自分の親族の一族の墓に入りたくないという言葉を思い出す。
「でしょう。死んでから隣同士の墓に葬られるのは嫌だなぁ。」
と言いつつ二人はある町に向かっていた。



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