ブルーシャムロック

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それは偏見かもしれないけれども

2018-05-04 18:41:48 | 信・どんど晴れ
「そうだな。下町には自分が大好きで、最寄りの上野駅からやってくる人のためにしか
尽くさない。下町からみて田舎に彼らが苦手なものがよく住んでいる。」
こんなことをまだ小学生の低学年でしかない新一さんの二人の男の子に
話している。申し遅れたが、私は松本佳奈という。
ここ、徳之島の旅館で働き始めて數年になる。
新一さんの嫁さんが子供二人を連れて故郷の小田原に歸るようだ。
下町に関する、偏見に満ち満ちたことを話していたのは、学生時代關東は神奈川県に住んでいた
時の話を、別れる嫁さんの実家である小田原とどう違うかと誇張して伝えた。
「下町が後ろだてになってものが進んでいる。其れ故に今島であることが正しいとは言えなくなる。」
私はそう、二人の子供に伝えた。
「私も下町に憧れたことがある。關東に行く前、漫画からの知識だったがね。」
私はまた、子どもたちに伝える。
子どもたちは、半信半疑だ。
「でも、下町に徳之島のことを知っている人がいたらいいな。」
子供の一人が言った。
「ああ。そうであってほしい。でも、そうじゃない部分もある。」
私は言う。
「小田原に行ったらもしかしたら、正しいことがわかるかもね。」
また子供の一人が言った。
「ああ。」
私はそういう言葉しか出ない。
おわり
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