ブルーシャムロック

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台風の少し前

2016-11-01 10:40:31 | 潮風の櫻
「今日も異常なし・・・。」
私の搭乗するヘリコプターの僚官であるコーパイは言う。
3.11以降、新しく入ってきたHELICOPTERで、海難救助に赴いている。
私は航空自衛隊の松島基地に所属するヘリコプターのパイロットである。
あの時は何もできなかったけれども、私は挽回するつもりで、自分の業務をこなしている
整備の人もそうだろう。
少し前のtvで自分たちが避難する人を救助しなかったことを詰る画面をtvに映すように支持したのは
公報の空井という人だった。
彼も我々現場の人間と同じなんだなと、私は同感した。
3.11も過ぎ、そして岩手県に悪名高い台風10号がやって来た。
我々も出動するかもしれないと思って構えていた。
我々には出動が降りなかった。
「北三陸市の近くだ。」
tvを見ると被害があった岩泉町の隣に海に面した北三陸市という地名がある。
「空井2尉、北三陸市に誰がいるんだ。」
私は空井に聞いてみる。
「私の知り合いが北三陸市にいるんです。彼らが無事か・・。」
私はこう切り返す。
「もし、出動することがあればヘリコプターで様子を見てくるよ。」
私は笑っていた。
2週間したあと、空井2尉は北三陸市に赴いたことが彼のsnsで伝えられていた。
彼の行きつけの店、スナックリアスでらしい。
「この後、空井さんのところが救助に来たらよかったのにと言われました。」
とそこには書かれていた。
まあ、自分や空井が所属している場所がそういうところじゃないからね。
おわり
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