ブルーシャムロック

此処はtomohiroのオリジナル小説サイトです。
小説主体ですので、小説に興味の無い
人は、退出下さい。

サンドスターになるもの

2021-04-29 17:22:28 | 逆襲の藤隆
「君のその態度が、剥身の刃を見せつけるのだ。なぜそれがわからん。」
えっくすしと名乗る男はすごい形相で出来杉英才を睨みつけた。
普段ならば、冷靜沈着で表情を変えない男が一瞬たじろいだ。
「この研究はタイムマシンである場所に訪れたときの不幸な未来を自分が防ぐために
向う岸の僕が幸せになるために、僕が研究しているのだ。君は手出し不要だ。」
えっくすしの言葉を出来杉英才は山田守という共同研究者に伝えた。
「仕方がない。」
山田守は出来杉に厳しい表情をした。
「なぜなんだ、僕にはそれがわからないんだ。人類の幸せのためにえっくすしと僕が
共同研究したほうが幸せなのに。」
出来杉英才は山田守に懇願するように言う。
「えっくすしは、きっと条件付きの幸せというディストピアより、多少自分が負けたとしても
納得の行くハッピーエンドを考えるようになったんだ。ダメダメだったえっくすしが
高校時代、君に肉薄する成績を収めるようになったのを。」
山田守はいたって冷靜沈着だった。
「そんなバカな。」
出来杉英才はそんな言葉を上げた。
「全く持って完璧で予習復習を忘れない男がえっくすしの戰術に
翻弄されるとは。そして、そんなバカなという言葉は君らしくないってえっくすしは
言うだろう。」
山田守は言う。
「全く持って今度の飛行艇のエンジンだって軍事転用だって・・。」
慌てふためく出来杉英才に山田守
「ああ。そうとも。それは仕方無い。」
と表情を変えなかった。
「なんてことを。」
出来杉英才は言う。
「できるだけよこしまな生き物には僕も行き渡らせないようにするが・・。
しかし、止められないものだってある。」
山田守は答えた。
「うーん。」
氣の拔けた炭酸水のような表情の出来杉英才に
「それでも僕との関係は続けるんだろう。」
と山田守は言った。
「僕は君とexamsystemの研究を実用させたい・・。」
出来杉英才は答えた。
「そうだね。examsystemの制作の副産物である、溶液をどうしようかな・・。」
山田守は答えた。この副産物の溶液を妖怪世界に住む生き物が引き取ること
を、接触してきた物が伝えていた。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする