ブルーシャムロック

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いちぬけたあとの後始末_3

2017-12-22 10:12:27 | 逆襲の藤隆
瀟洒な洋館。
一人の女性がソファに腰掛けて、デキャンタのブランデーを飲んでいた。
「すみません。深酒をしてしまいまして。私がいつも飲んでいるブランデーと
違う味がしましたので。」
と、コーヒーの入った容器とティーカップを持った初老の男性に言う。
「米坂博士。今飲んだブランデー、 ARMENIA 産なんだよ。だから
あなたが愛飲しているブランデーと少し味が違う。」
初老の男性は言う。
「いつもは深酒をしないのに、ブランデーの味に引かれてしまいました。
ところで、この前岸坂さんが表示してくれた機械関係の研究
引かれるものがありました。」
女性科学者の米坂博士はびっくりして言う。
「ああ、色々とこの研究をしている男は介在されることを嫌うみたいだけれども、
私の説得には応じて来たようだよ。」
とソファの近くのテーブルにティーセットを置く。
「岸坂さんも若い頃は、研究者仲間を貶めて研究者としての地位を確立した部分がありますよね。」
米坂博士は率直に物事を言う。
「そうだよ。私がフリーランスの科学者のパトロンになったのは、その当時の贖罪意識だ。
君も、よく活用している大学のラボの学長先生には、目をつけられているね。」
岸坂もそう返答する。
「そうですね。私の力を示すのに、あそこのラボは必要。ベストセラー本を執筆するのに
民明書房編集部の人たちの力も必要。しかし、岸坂氏が今回提示した資料は怖いですね。」
アルコールの酔いが回ったのか、それとも本格的に怖いのか米坂博士は震えていた。
コメント
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