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心理学を悪用した非人道的な10の事例

2014年10月13日 | 世界びっくりニュース
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 心理学は、人が人生で起こるさまざまな場面でどのように考え、振る舞い、反応し、行動するかを理解するのに役立つための学問だ。社会の中で人がもっとも大切な役割を果たしていると考えれば、極めて重要なものだが、残念ながら心理学がいつも有益に活用されるとは限らない。その知識が邪悪なことに利用されれば、その結果がおぞましいものになるのは必須だ。

 ここでは心理学を悪用した10の非道徳でやり口の汚い、卑劣な事例を見ていくことにしよう。

10. 捕虜の尋問プログラムを悪用し、情報を引き出す技術を開発


 アメリカ軍は兵士が敵の手に落ちて捕虜となってしまったときのことを常に懸念している。この問題に対処するため、軍の心理学者たちは兵士に拷問に耐える術を教える訓練プログラムを考え出した。このプログラムは、生存(Survival)、回避(Evasion)、抵抗(Resistance)、脱走(Escape)の頭文字をとってSEREと呼ばれている。

 ところが残念なことに、9.11以降、CIAや国防総省の多くの高官たちは、手段を選ばずに捕虜から情報を引き出すことこそが、心理学者たちの義務だと考えるようになった。

 軍の心理学者、ミッチェルとジェッセンは敵の抑留者を落とすために、軍のSEREプログラムを逆に解析して、ストレスを与える姿勢をさせる、水責め、屈辱を与えるなど、敵の士気をくじくさまざまなテクニックを編み出した。

 彼らの解析成果の多くは、学習性無力感という言葉を作ったドクター・セリグマンの研究がきっかけになったという。犬が逆らわなくなるまで徹底して電気ショックを与えると、彼らはチャンスがあっても痛みから逃げようとしなくなるという。セリグマン自身は軍のこうした行き過ぎた拷問テクニックへの関与を否定していたが、彼の研究は確かにSEREの逆行分析をした心理学者に影響を与えていたのだ。

9. 心理作戦(PSYOP)で有力者に戦争を支援させる


 理性的な人たちは、心理戦は同胞ではなく、敵に使うものだということはわかっている。しかし、ウィリアム・コードウェル中佐は、アフガニスタンでの戦争の資金と支援を集めるために、軍の心理戦を使って、訪れた上院議員や高官たちに戦争を支援するよう納得させたという。

 コードウェルは心理作戦の実行に不本意だったし、実際に行ったことはそれほど極悪非道なものではなく、公に入手可能な情報を集めてそれを分析し、訪れた政治家たちと共有しただけだというのだが、本当はなにがあったのか詳細は闇の中だ。コードウェルの説得法のからくりの全容は本当のところはわからない。

8.北朝鮮による大規模人民洗脳


 北朝鮮が健全な国家とは程遠い、独裁者による支配体制の国であることは世界中が知っている。彼らは自国の国民を武力で抑えつけている。大衆をコントロールするには、意識をコントロールすればいいとして、北朝鮮のリーダーたちは、国民全体の意識をコントロールするという大規模なスケールの洗脳を行っていると言われている。

 金正日が死んだとき、国民がみんな泣き崩れている場面を見たことがあるだろう。他国の人は北朝鮮政府によるやらせだと考えているが、10年以上前に脱北したある北朝鮮人女性は、あのシーンの感情は本物だと語る。脱北から10年以上にもなるのに、あの総号泣シーンを見ると、北朝鮮時代に戻って、金正日の神性をもう一度信じたくなるような気になるというのだ。洗脳がよっぽど強烈で、時間がたっても消えないということになる。一度植えつけられてしまった嘘と決別するのは、実際はとても難しいのだ。

7. 社会からの孤立させ精神を崩壊させる拘束方法


 人間の精神を健全に機能させるのには、社会と交流することがいかに大切なことか、研究者たちは理解し始めている。人には水や食べ物が不可欠であるのと同じくらい、他人との接触を必要とすることがわかった。多くの研究によると、長く社会から隔離されていると、たとえ数ヶ月であっても、人は簡単に壊れてしまい、精神に深刻な害を及ぼすという。

 ブラッドリー・マニングは、アメリカが海外の軍事作戦で行っている非道を内部告発をして有名になった。まだなんの罪にも問われたわけではなかったのに、マニングは迅速な裁判を受けることができず、軍は勝手に彼に密告の罰を与え始めた。実際に裁判にかけられる数年前に、マニングは監禁され、枕やシーツといった基本的な備品すら与えられず、房を出るのは一日に1時間の運動のみ、もちろんまったく外の世界と接触することはできなかった。

 刑務所の医師はこうした処置がマニングの精神状態にダメージを与えることを十分自覚していたのに、彼を人道的に扱う提案もせずに、抗鬱剤を無理やり飲ませるだけだった。結果的にマニングは正式な裁判を受ける頃にはすっかりおかしくなってしまっていた。

6. 感覚遮断実験


 1950年代は、非人道的な実験が大学の審査委員会を簡単に通過してしまう時代であった。心理学者のドナルド・ヘブは、人は完全に感覚のインプットを遮断されると、脳が効率的に機能しなくなるというかねてから温めていた持論を実証しようとした。ヘブは日給20ドルを与えて学生を集め、数週間観察してきちんとデータをとるつもりだったが、誰ひとりとして一週間も持ちこたえられなかった。

 学生たちは、つや消しのゴーグル、ホワイトノイズ(あらゆる可聴周波数のノイズ)を発するヘッドホンをつけ、あえて触覚も制限された服を着せられた。その結果、彼らは一時的に認識機能障害になり、暗示にかかりやすくなることがわかった。今でこそこのような実験は非人道的だと思われるが、当時はヘブは被験者を苦しめるようなつもりはなかった。ただこれほど早く劇的に実験の影響が出てきたことに驚きを隠せなかったという。

 のちにユーアン・キャメロンという心理学者がヘブのこの実験に興味をもち、治療と称して、自分で考案した感覚遮断を患者に施した。患者を病院に監禁してどこにも行かせず、感覚を遮断して、薬で暗示をうけやすい状態にさせ、彼らを“再プログラム”しようとした。ヘブ自身が”邪悪である”と語っていた実験を再び行ったキャメロンが訴えられたことは言うまでもない。

5. 精神分析医による恐怖支配”ガス燈”実験


 映画『ガス燈』は、よこしまな夫が妻に心理戦をしかけて追い詰めていく話。そのトリックのひとつが、家の中のガス燈の明かりを消して、妻が明かりが暗くなったと言うと”気のせいだ”と言い張るやり方。人をだます人間がよく使う、相手の言っていることに疑問を投げかけて、その事実を歪め、簡単に相手をコントロールする方法だ。

 残念ながら、心理学の技を学んだ者が同じような手を使うことがある。ある医者が精神治療学を悪用し、ある種のカルト集団をたちあげて、患者に性的虐待を与えた。ついに医者は告発されて、その恐怖支配は終わりを告げたが、患者のひとりはトラウマからあやうく自殺しそうになったという。

4. サイエントロジー(新興宗教)が使う、批判的思考を植え付けるプログラム


 サイエントロジスト(新興宗教運動家)が、よりよい人生を望む人々をどのようにコントロールするのか、その全容はよくわかっていないが、家族と引き離されるとか、教会で普通に行われているような方法とはかなり違うようだ。人を支配下におく彼らの基礎的な能力は、巧みなトレーニングプログラムにある。

 このプログラムのおもなポイントは、人をあらゆるものに対して批判的にさせることだ。訓練を受ける人はほかの訓練者と面と向かって座り、ずっと動かず、言葉も交わさずにいる。それから『不思議の国のアリス』からの引用をランダムに無理やり聞かされ、その間も笑ったり、特別な反応をしめしてはいけない。

 その他、牛攻めと呼ばれるテクニックもある。これは、相手がなにか反応するまで悪意のある罵り言葉を聞かせるというもの。トーレニング中に適切に対処できないと、落第ということでまた最初からやり直さなくてはならない。こうしたテクニックを組み合わせて、言われたことを鵜呑みにするように人を改造していく。

3. 罪悪感と委縮を誘導して尋問するテクニック


 セリグマンが最初に犬による実験を行って以来、人は、いかに相手を退行させ、精神的に虐待して情報を引き出すかを考え出すようになった。セリグマンの実験を応用して、暗示をかけやすくして人をコントロールしようとする邪悪な者がさらに出てきたのだ。

 威圧的な尋問方法は、思考し、計画し、自分のことは自分でできるようにする人間の脳の高度な処理能力を崩壊させてしまう。

 実際に、軍隊のマニュアルでは尋問は、権力を大いに活用するよう勧めている。相手を委縮させ、罪悪感を抱かせて情報を吐かせるという方法だ。同じ相手に長時間拷問または尋問されると、当人はどうすることもできない状態になり、しまいには尋問者を親のようにすら思い始め、心が崩れそうになる。尋問者はその弱みを利用して、情報をもらさないと悪いという罪悪感を抱かせるようにする。

2. 催眠術で偽の記憶を植えつけるテクニック


 今日、ほとんどの心理学者は、抑圧された記憶は虚偽科学だと言うが、かつて、この抑圧された記憶は、普通の人々にあらゆる問題を引き起こすとされた時代があった。

 今は患者を助けると称して、悪意をもって患者に真偽の疑わしい記憶をよみがえらせる心理学者もいる。虚偽の抑圧記憶のせいで、無実の人間が第一級殺人の罪に問われ、長期の裁判になってしまったことがあった。虚偽記憶を植えつけるのは難しいことではないというのは残念ながら事実だ。わたしたちは決して起こりえないことを簡単に信じ込まされてしまうことがあるのだ。

1. 尋問目的の過度の感覚刺激


 高度な尋問テクのひとつに、反感覚遮断がある。相手を過度の刺激にさらすと、あらゆる刺激を遮断するのと同じ効果があるという。

 例えば、大音量の騒音や水責めなどの過度の刺激を与え続けると、人はまともに反応したり、考えたりすることができなくなる。同じリズムの音を繰り返したりすることも催眠的な効果がある。これは、正常にきちんと周辺のことを処理し続けるためには、脳には異なる刺激が必要だという事実に基づいている。

 米軍はグアンタナモで、抑留者に対して大音量の音楽を聞かせる、眼前でストロボのライトを発光させるなどの過度刺激を与えた。不幸なことに、人はだいたいどんな形の拷問にもうまく対応できない。こうした高度な過度な尋問テクは、多くの囚人たちをもう自分の存在すら終わりにしたいと思わせてしまうのだ。

via:listverse

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