保健福祉の現場から

感じるままに

地域福祉計画

2012年05月23日 | Weblog
Livedoor「過去最高の受給者記録した生活保護 その「恩恵」と「制限」」(http://news.livedoor.com/article/detail/6585193/)。

生活保護制度の関心が高まる一方で、5月11日付で「地域において支援を必要とする者の把握及び適切な支援のための方策等について」通知(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002aauc-att/2r9852000002aavt.pdf)が出ていることは理解したい。そして、社会福祉法(http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/syakai/c-fukushi/keikaku/kitei.html)に規定される地域福祉計画(http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/syakai/c-fukushi/index.html)も推進しなければならない。地域包括ケアにおいて地域福祉は重要な要素であるが、それは行政に依存する福祉だけではないように感じる。そういえば、地域保健対策検討会報告書(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000028ufa-att/2r98520000028uja.pdf)p19では「ソーシャル・キャピタルに立脚した健康づくり、健康なまちづくりの展開」が示されている。地域福祉の推進はまさにソーシャル・キャピタルの一環であろう。ところで、生活保護に関して、こんなブログ記事「全国の福祉事務所への元警察官天下り配置を撤廃させましょう!」(http://blogos.com/article/39543/)もあるが、「生活保護の適正化」と「真に必要とされるセーフティネット」は両立させなければならない。
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母子保健関連マニュアル

2012年05月23日 | Weblog
先週、乳幼児身体発育調査の統計学的解析とその手法及び利活用に関する研究(http://www.niph.go.jp/soshiki/07shougai/hatsuiku/)で「母子健康手帳交付・活用マニュアル」、「乳幼児身体発育評価マニュアル」がネット公開された。すでに「胆道閉鎖症早期発見のための便色カード活用マニュアル」(http://www.ncchd.go.jp/center/benshoku/for_medicalperson/docs/manual.pdf)、「推定胎児体重と胎児発育曲線 保健指導マニュアル」(http://www.jaog.or.jp/diagram/notes/taiji_2012.pdf)も出ているが、厚労省HP(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kodomo/kodomo_kosodate/boshi-hoken/index.html)でまとめられるべきではないか。ところで、昨晩、不育症(http://fuiku.jp/)に関する研修会があった。既に「反復・習慣流産(いわゆる「不育症」)の相談対応マニュアル」(http://fuiku.jp/common/pdf/manual.pdf)も出ていたのであるが、研修会参加まで知らなかった方が少なくないかもしれない。ネット公開はタイムリーな情報公開として大変結構なのであるが、公開された事実について、関連情報も含めて、もっと公表される必要性を感じるのである。
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行政栄養士基本指針

2012年05月23日 | Weblog
キャリアブレイン「管理栄養士の医療機関への供給体制を整備- 日本栄養士会」(http://www.cabrain.net/news/article/newsId/37276.html)。

平成24年度診療報酬改定で、栄養管理実施加算が廃止され、入院基本料・特定入院料の算定要件に管理栄養士の配置が義務付けられたが、全国保険医団体連合会から「入院料算定要件への管理栄養士配置義務付け撤回を求める緊急要求」(http://hodanren.doc-net.or.jp/news/teigen/120418kanrieiyou.pdf)が出ている。果たして「栄養ケア・ステーション」(http://www.dietitian.or.jp/caring/index.html)は、各地域において、どの程度機能しているであろうか。各地域での関係機関によるコミュニケーションが不可欠であろう。来週、管内栄養士連絡会があるので、いろいろ聞いてみたい。管理栄養士の方々には、現場では栄養ケアマネジメント、食育推進、特定保健指導・保険者疾病管理、保健医療連携、災害時栄養指導など、大きなチャンスが訪れているように感じられるのであるが、問題はその戦略かもしれない。厚労省の「地域における行政栄養士による健康づくり及び栄養・食生活の改善の基本指針」(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/chiiki-gyousei.html)の改定も必要ではないか。医療機関や介護施設における栄養関連サービスの実態把握を含めて、それらの管理栄養士との連携がもっと必要と感じる。また、地域保健対策検討会報告書(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000028ufa.html)では、ソーシャル・キャピタルの活用が提案されているが、栄養・食生活改善は戦略的に取り組みやすいであろう。
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生活保護の申請と認定

2012年05月22日 | Weblog
Live door「大阪・西成区の生活保護申請 3月は317件中290件認められる」(http://news.livedoor.com/article/detail/6581543/)。

芸能人家族の生活保護受給がネットで話題になっている(http://matome.naver.jp/odai/2133761704223569701)(http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20120522/dms1205221811019-n1.htm)。生活保護制度の状況(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000029cea-att/2r98520000029cj2.pdf)が広まるのは結構なことであるが、自分たちの自治体がどうなのか、関心が高まる必要がある。福祉事務所単位で、申請件数、認定件数、被保護世帯数などの基本統計はネット公開されるべきかもしれない。生活保護費の約半分は医療扶助であることももっと周知されるべきである。例えば「生活保護受給者の後発医薬品利用率は7.0%で一般の7.9%に比べて低調」(厚生福祉2月14日号)とされるように、改善すべき点は少なくない。そういえば、平成22年7月に「生活保護の医療扶助における緊急サンプル調査の一次調査結果」(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000000gmbj.html)が出ていたが、電子レセプトによる重複投薬や後発医薬品転換の可能性のチェックも推進しなければならない。受給者だけではなく、福祉事務所の対応状況にも焦点があてられる必要があろう。生活保護制度は絶対に欠かせないセーフティネットであることはいうまでもない。先月からの「生活困窮者の生活支援の在り方に関する特別部会」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000008f07.html#shingi12)の審議の行方に注目である。
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特養の待機者

2012年05月22日 | Weblog
そういえば、「特別養護老人ホームにおける待機者の実態に関する調査研究事業」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002axxr-att/2r9852000002ay1l.pdf)によると、「特別養護老人ホーム(特養)側からみて「真に入所が必要な人」は入所申込者全体の1 割強という結果であった。」という。これは、施設調査と入所申込者調査の両方が実施されていることも大きいかもしれない。待機者数の数字だけで評価してはいけないということである。
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働く世代へのがん対策

2012年05月22日 | Weblog
「次期がん対策推進基本計画」では、重点課題に「働く世代へのがん対策の充実」が追加(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002aotq-att/2r9852000002aoyf.pdf)され、「働く世代のがん検診受診率を向上させるための対策、年齢調整死亡率が上昇している乳がん・子宮頸がんといった女性のがんへの対策、がんに罹患したことに起因する就労を含めた社会的な問題等への対応が必要である」とされている。地域・職域連携では、メンタルヘルス対策に加えて、がん対策も重点的なテーマとすべきと感じる。例えば、乳がんの年齢階級別罹患率(http://ganjoho.jp/pro/statistics/gdball.html?21%2%2)をみると、罹患のピークは40~60代前半にあり、まさに勤務世代である。厚労省の報告書(http://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/03/dl/s0301-4c.pdf)p8では、市区町村におけるがん検診の受診率の算出にあたって、受診率の分母となる「対象者数」は、「市区町村人口-就業者数+農林水産業従事者数」とされ、就業者は市町村ではなく、職場でがん検診を受けることが前提となっているように、勤務者をがん検診の対象としていない市町村が少なくないであろう。平成21年度からのがん検診推進事業(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/gan10/index.html)において、市町村からの無料クーポン券による個別案内(勤務の有無に関係なし)はあくまで該当節目年齢のみである。例えば、東京都「職域のがん検診実施状況実態調査」(http://www.metro.tokyo.jp/INET/CHOUSA/2009/05/60j5r400.htm)、「平成22年度「健康増進法に基づくがん検診の対象人口率等調査」結果」(http://www.metro.tokyo.jp/INET/CHOUSA/2010/11/60kbq600.htm)(http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/kensui/gan/torikumi/chosa22.html)に出ているように、勤務者は職場で各種がん検診の機会がない方々が少なくない。がん検診は労働安全衛生法の定期健診に義務付けられていないからであるが、勤務世代に多い、乳がん、子宮頸がんについては特に必要であり、職場で受診する機会がなければ、市町村のがん検診対象であることを積極的に勧奨する必要性を感じる。厚労省資料(http://www.mhlw.go.jp/topics/2012/01/dl/tp0118-1-90.pdf)p118で、「平成24年1月1日時点における市町村がん検診の実施状況等について、近日中に都道府県を通じて調査を行う予定としているので、御協力方よろしくお願いする。」とされるが、自分たちの自治体のがん検診状況はどれほど知られているであろうか。そういえば、3月1日発行の対がん協会報581号で平成22年度(2010年度)の対がん協会支部「がん検診の実施状況」まとめが出ており、各がん検診の受診者数は、乳がん検診(41団体)127万4916人(対前年度比5万4220人減少)、胃がん検診(41団体)243万1647人(対前年度比4万6101人減少)、大腸がん検診(41団体)224万3113人(対前年度比6841人減少)、子宮頸がん検診(41団体)145万1597人(対前年度比5412人減少)などとなっている。がん検診には莫大な予算がかかるが、それは単なるコストではなく、労働者・納税者の命を守るバリューであるという根本的な考え方が必要と感じる。
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精神保健福祉業務運営要領

2012年05月22日 | Weblog
まだ、ネット上で出回っていないようであるが、3月30日付通知(障発0330第11号)で「保健所及び市町村における精神保健福祉業務運営要領」が改正された。これは平成12年3月通知(http://wwwhourei.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/170815au.pdf)以来の改正である。「障害者基本法に基づく障害者計画や、医療法に基づく医療計画などの策定・実施の推進に当たっては、保健所は、地域における精神保健福祉業務の中心的な行政機関という立場から、その企画立案や、業務の実施、評価及び市町村への協力を積極的に行う。」とされており、新たな医療計画(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/iryou_keikaku/)における精神疾患について、積極的な役割が期待される。なお、12年通知(http://wwwhourei.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/170815au.pdf)と同様に、精神科病院に対する指導監督として、「精神障害者の人権に配意した適正な精神医療の確保や社会復帰の一層の促進を図るため、精神科病院に対する指導監督の徹底を図る。都道府県知事、指定都市市長が精神科病院に対する指導監督を行う際には、保健所においても、都道府県知事、指定都市市長の行う指導監査に必要に応じて参画すること。」とされているが、果たして各保健所では対応されているであろうか。
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医療費適正化計画の行方

2012年05月21日 | Weblog
4月24日厚労省が医療費適正化基本方針の改正方針を出している(保健衛生ニュース5月21日号)。今度の医療費適正化計画では目標設定は都道府県ごとに設定され、後発医薬品普及や保険者による加入者への適正受診勧奨の取り組みなどを事例としてとりあげる方針とのことである。また、都道府県が医療費適正化計画を策定するにあたって、①特定健診・保健指導の個別検査結果の集計を含む基礎データ、②特定保健指導の効果に関するデータ、③都道府県内の医療連携や在宅医療に関するレセプトデータ(地域連携加算や在宅医療管理料の算定件数など)、④各都道府県の後発医薬品の普及状況に関するデータ、⑤重症化予防等の取り組みの参考にも資するため、レセプトデータから各地域の診療行為等に関する集計データ、⑥各都道府県における医療費の要素分析(受診率、1件あたり日数、1日あたり点数)、⑦各都道府県の平均在院日数の要素分析に活用できるデータ、⑧各都道府県における療養費に関するデータが、厚労省から都道府県に提供されるという。そういえば、医療計画(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/iryou_keikaku/)策定にあたっても、厚労省から豊富なデータが都道府県に対して提供されている。こうした集計データの一般公表を期待したいところである。医療費適正化計画(http://www.mhlw.go.jp/bunya/shakaihosho/iryouseido01/info02c.html)の行方にも目が離せない。
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災害時の高齢者支援

2012年05月21日 | Weblog
富士通総研が老人保健事業推進費等補助金老人保健健康増進等事業「被災時から復興期における高齢者への段階的支援とその体制のあり方の調査研究事業報告書」(http://jp.fujitsu.com/group/fri/report/elderly-health/2011support.html)を出しているので目を通しておきたい。後期高齢者の増加、一人暮らし高齢者の増加のなかで、災害時の高齢者支援のあり方について教訓とすべきであろう。
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ケアマネジャーの資質向上

2012年05月21日 | Weblog
3月から「介護支援専門員(ケアマネジャー)の資質向上と今後のあり方に関する検討会」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000000am0d.html#shingi36)がスタートしている。資料(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000029oz6-att/2r98520000029p0n.pdf)p2では、サービス担当者会議において多職種協働が十分に機能していない、医療関係職種との連携が不十分、施設におけるケアマネジャーの役割が不明確等が指摘されている。この調査(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002a2tj-att/2r9852000002a2vz.pdf)では、認知症と廃用症候群で課題がみられているが、それには地域で利用できるサービスが少ないことも指摘されている。ケアマネジャーの資質向上のためには、養成課程だけではなく、現場で鍛えられる要素も大きいであろう。さて、先日、所内担当者とともに、管内のケアマネジャー協議会総会に参加した。新たな医療計画の作業部会への協力を要請するためである。介護関係サービスは医療計画での在宅医療、脳卒中、がん、精神に絡んでくるであろう。医療計画を推進する保健所は、普段から、ケアマネジャー協議会をはじめ、介護関係の団体ともつながりを持ちたい。医療計画の策定はその良い機会である。医療計画の策定・推進には、また、部局間、本庁と現場のコミュニケーションも不可欠であろう。例えば、在宅医療は、医療、介護、薬事、がん、リハビリなど多くの担当部局にまたがっている。どうも最近、コミュニケーション不足を感じる場面が少なくないが、まずは信頼関係こそが重要かもしれない。
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医療保険と介護保険

2012年05月20日 | Weblog
この記事が目にとまった。産経「がん患者への訪問看護 「介護保険適用されないの?」」(http://sankei.jp.msn.com/life/news/120518/bdy12051808030003-n1.htm)。

平成24年度診療報酬改定(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000021ei1-att/2r98520000021ele.pdf)でp80~の医療ニーズの高い患者への対応、p84~の介護保険の訪問看護との整合、p102~の医療と介護の円滑な連携等が図られていることは知っておきたい。記事にもあるように、現場では臨機応変に対応されているであろう。がんは普遍的な疾患であり、在宅緩和ケアを推進するにあたっては、訪問看護の実情をもっと社会一般に理解してもらう必要性を感じるところである。
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生活保護の適正化

2012年05月19日 | Weblog
芸能人家族の生活保護が話題になっている(http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20120518/dms1205181811019-n1.htm)(http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20120518/dms1205181114012-n1.htm)。そういえば、先月から「生活困窮者の生活支援の在り方に関する特別部会」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000008f07.html#shingi12)の審議がスタートしているが、まずは、生活保護制度の状況(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000029cea-att/2r98520000029cj2.pdf)を理解したい。p9に出ているように、生活保護率の地域格差が非常に大きい(大阪府3.38~富山県0.32)(大阪市5.73~浜松市0.92)(函館市4.59~富山市0.41)。また、p10には、平成22年度の生活保護費負担金(事業費ベース)が3兆3296億円でこのうち医療扶助1兆5701億円(47.2%)とある。この資料(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000029tzv-att/2r98520000029u1c.pdf)では、生活保護制度の見直しの方向性が示されており、当面の対応について、「電子レセプトを活用した重点的な点検指導」として、生活保護受給者の患者が極めて多い医療機関、向精神薬の重複処方の事案などを効率的に抽出する機能を付与、指導等の対象となりうる医療機関等を選定する基準を策定、また、「後発医薬品の使用促進」として、「医療扶助相談・指導員」配置とあるが、どれほど機能しているであろうか。情報公開が不可欠と感じる。受給者やその親族だけではなく、福祉事務所職員の要因も無視できないかもしれない。
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がん診療連携拠点病院の行方

2012年05月18日 | Weblog
今後のがん対策関連の会議について(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002aotq-att/2r9852000002aoz7.pdf)、がん診療提供体制のあり方に関する検討会の行方も気になるかもしれない。そういえば、1月の健康局資料(http://www.mhlw.go.jp/topics/2012/01/dl/tp0118-1-90.pdf)p119で「がん診療連携拠点病院については拠点病院間に診療実績の格差があること、2次医療圏に原則一つとされているため、すでに同じ医療圏に拠点病院が指定されている場合は、拠点病院と同等またはそれ以上の診療を提供していても指定することが出来ないこと、さらに国指定の拠点病院に加え、県が独自の要件に従って拠点病院等を指定しており、わかりにくくなっていることなどの課題がある。次期基本計画に基づき、厚生労働省においては、国や県の指定する拠点病院のあり方について検討を進めるとともに、各病院の診療実績等を分かりやすく情報提供することについても検討することを予定している。」とされていた。平成24年度診療報酬改定の厚労省通知(http://www.mhlw.go.jp/bunya/iryouhoken/iryouhoken15/dl/6-2-1.pdf)p39で、PET検査に関する「該当しない場合は所定点数の100分の80に相当する点数を算定することとなる施設基準」について、「がん診療連携拠点病院の指定を受けた病院を除く」とされたように、拠点病院は、圏域での高度検査の中核としても位置づけられている。がん診療は拠点病院だけではないことはいうまでもない。圏域内で争うのではなく、高度検査や高度治療(放射線治療や高度手術等)において、圏域での医療連携体制の構築こそがまさに課題かもしれない。住民の理解も重要であろう。ところで、PET検査はがんに限らない。虚血性心疾患や難治性部分てんかんも保険適用(http://web.kanazawa-u.ac.jp/~med23/PET/insurance/index.html)であるとともに、アルツハイマー病の検査研究(http://www.j-adni.org/)も行われている。特に虚血性心疾患はマルチスライスCTの普及によって、画像診断が飛躍的に向上しており、MDCTを搭載したPET/CT(http://www.innervision.co.jp/041products/2008/p0801_12xctpet.html)も使用されてきている。がん診療連携拠点病院は様々な政策医療の拠点となっているであろうが、地域において、総合拠点病院をしっかり確保し、医療連携・医療介護連携を推進することが重要と感じないではない。がん診療連携拠点病院のあり方はがん診療だけに留まらないかもしれない。
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がん検診のあり方に関する検討会

2012年05月18日 | Weblog
5月17日のがん対策推進協議会資料(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002aotq.html)が出ているので目を通しておきたい。今後のがん対策関連の会議について(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002aotq-att/2r9852000002aoz7.pdf)、地域保健関係者にとっては、「がん検診のあり方に関する検討会」の行方が気になるであろう。資料(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002aotq-att/2r9852000002aoz7.pdf)p4の要綱によると、①がん検診の項目、②受診率の向上、③精度管理・事業評価について検討されるようである。がん検診項目の見直しで最も有力なのは、継続審議となっている「子宮頸がん予防措置の実施の推進に関する法律案」(平成22年11月19日提出)(http://houseikyoku.sangiin.go.jp/sanhouichiran/sanhoudata/174/174-012.pdf)と関連する子宮頸がん検診であろう。日本産婦人科医会から「子宮頸がん検診リコメンデーション- 細胞診・HPV-DNA検査併用子宮頸がん検診-」(http://www.jaog.or.jp/know/kisyakon/47_110914.pdf)も出ている。平成23年9月29日の子宮頸がん検診セミナーで、専門看護師による細胞採取の実施が提案(保健衛生ニュース平成23年10月24日号)されているが、これが導入されれば、①医師不足で婦人科医の確保が難しいが、スタッフ確保が容易になる(特に女性スタッフ)、②医師から看護師に変更されれば検診単価を抑えることができる、等が期待できるであろう。そういえば、4月9日、子宮頸がんの征圧をめざす専門家会議が記者会見し、細胞診とHPV併用検診制度(30~65歳は5年間隔)の確立を提唱したと報道されている(保健衛生ニュース4月30日号)。次に有力なのは、3月7日の参議院予算委員会(http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/177/0014/17703070014003a.html)で積極的な答弁がされている「胃がんリスク検診」(http://www.kenzou.org/column/column10.html)(http://www.kensin-kensa.com/archives/cat48/abc/)かもしれない。昨年9月の日本臨床内科医学会では、「日本の胃がんの95%がピロリ菌感染由来で、バリウム検診のみの対策は非科学的でピロリ菌抗体とペプシノゲン測定による胃がんリスク検診を推奨する」とされている(医事新報9月24日号)。また、「乳がん検診における超音波検査の有効性を検証するためのランダム化比較試験(J-START)」(http://www.j-start.org/)が行われている乳がん検診も有力かもしれない。厚労省資料(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001uz2h-att/2r9852000001uzhf.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001tpur-att/2r9852000001tq0j.pdf)によると、「40歳代における超音波乳がん検診の有効性が科学的根拠を以て明らかになれば、その成果はがん検診の指針改定に反映される可能性が高い」とされ、この資料(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001tpur-att/2r9852000001tq0j.pdf)では、現状のマンモグラフィによる40代の乳がん検診では約3割のがんが発見できないとされており、40代対象に精度管理がなされた超音波乳がん検診の導入が待たれる。資料(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002aotq-att/2r9852000002aoz7.pdf)p5をみると、J-STARTの責任者が「がん検診のあり方に関する検討会」委員になっている。超音波検査が導入されれば、検査スタッフの要因が大きくなるであろう。ところで、昨年7月11日のがん対策推進協議会がん研究専門委員会資料「公衆衛生・政策研究分野における論点整理」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001idm6-att/2r9852000001idra.pdf)p3では、「がん検診の質が低下している」とされていた。厚労省「がん検診事業の評価に関する委員会報告書」(http://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/03/dl/s0301-4c.pdf)p37に示されている各がん検診の許容値(要精検率、精検受診率、がん発見率、陽性反応適中度等)がどれほどクリアされているかどうか、都道府県別あるいは市町村別に明らかにされるべきであろう。地域保健・健康増進事業報告では、市町村がん検診事業に関して、各市町村から厚労省に詳細な報告があがっているはずである。また、厚労省資料(http://www.mhlw.go.jp/topics/2012/01/dl/tp0118-1-90.pdf)p118で、「平成24年1月1日時点における市町村がん検診の実施状況等について、近日中に都道府県を通じて調査を行う予定としているので、御協力方よろしくお願いする。」とされるが、どういう結果であったか、気になるところである。がん検診は、見た目ではなく、検査機器、スタッフ(X線撮影、読影、細胞診判定等)、情報管理(精検結果把握、追跡調査等)などの要因が重要であるのはいうまでもない。何もがん検診に限らないが、とにかく施設が綺麗で、値段が安ければ良いのであろうか。がん対策推進協議会がん研究専門委員会資料「公衆衛生・政策研究分野における論点整理」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001idm6-att/2r9852000001idra.pdf)p3の「がん検診の質が低下している」という危機感は、もっと社会的に共有したいものである。
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麻しんワクチンの行方

2012年05月17日 | Weblog
キャリアブレイン「はしか対策見直しへ、正確な診断などが課題- 厚科審小委が初会合」(http://www.cabrain.net/news/article/newsId/37253.html)。
キャリアブレイン「はしか予防接種“1回のみ”にどう対応?- 対策見直しへ17日議論開始」(http://www.cabrain.net/news/article/newsId/37228.html)。
キャリアブレイン「定期接種化「ヒブなど3種を優先」- 民主党が提言へ」(http://www.cabrain.net/news/article/newsId/37236.html)。

感染症分科会感染症部会麻しんに関する小委員会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000008f2q.html#shingi10)がスタートした。厚労省資料によると、2010年~2011年には麻しんは年間400例以上発生している。昨年4月、東京、神奈川で麻しんの増加がみられ、「麻しん患者の増加について」事務連絡(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou/pdf/mashinkanja.pdf)が出ていた。「はしかゼロ達成」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000025gxs-att/2r98520000025h4u.pdf)のためには、とにかく、予防接種の徹底が必要であり、中1(第三期)、高3(第四期)対象に広報(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000025gxs-att/2r98520000025h2e.pdf)されている。しかし、厚労省資料(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000025gxs-att/2r98520000025h23.pdf)p4、2011年4月1日~2011年12月31日の麻しんワクチン接種率によると、第3期71.9%(茨城92.6~福岡58.4)、第4期62.5%(富山80.6~神奈川47.7)に留まっている。気になるのは都道府県格差であるが、接種率の低い自治体では実態を認識されているであろうか。さて、麻しんの予防接種は、平成20年4月1日から5年間の期限付きで、定期予防接種対象が、第3期(中学1年生相当年齢)、第4期(高校3年生相当年齢)に拡大されている(http://idsc.nih.go.jp/disease/measles/01.html)(http://idsc.nih.go.jp/vaccine/cpn09.html)。また、平成23年度のみの特例措置として、「修学旅行や学校行事として海外へ行く高校2(17歳相当)」に限定して,第4期の新たな対象として追加された(http://www.city.chofu.tokyo.jp/www/contents/1307086635903/files/masin.pdf)。市町村にとっては、期限付きや特例のその後が気になるところであり、今後の方針が早急に示される必要がある。感染症分科会予防接種部会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000008f2q.html#shingi12)の動向も注目である。
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