保健福祉の現場から

感じるままに

看護職員配置評価の見直しの行方

2017年11月02日 | Weblog
キャリアブレイン「看護必要度高い「スーパー10対1」などを評価すべき データで読み解く病院経営(34)」(https://www.cbnews.jp/news/entry/20171031160457)。<以下一部引用>
<■分析対象データを拡大し「スーパー10対1」の患者像に迫る 以前、7対1入院基本料算定病院と10対1入院基本料算定病院における「重症度、医療・看護必要度」(看護必要度)の該当患者割合の違いについて、病床機能報告の70病院のデータ分析を通じて、患者像が異なっている可能性を論じた(「同じ看護必要度でも7対1と10対1では患者像は異なる」)。例えば、10対1で看護必要度が30%を超える「スーパー10対1」と呼べるような病院では、7対1の看護必要度の高い病院に比べ、病床数は小規模で、高齢の救急搬送患者を多く受け入れている可能性があり、一方、7対1の看護必要度の高い病院は、侵襲度の高い手術をしている可能性が示唆された。ただし、前回のレポートでは、比較的早期から2016年度の病床機能報告データを開示していた2県分・70病院の限られたデータから類推していたため、地域性などの影響が排除し切れていなかった可能性もある。そこで対象を、16都道府県、1136病院に拡大し、計20万床のデータから再検証した(看護必要度のデータ等が不適切な病院は除外している)。■小規模病院が多い10対1、大規模から小規模までさまざまな7対1 まず算定病床数の分布を比較した=グラフ1=。それぞれ7対1入院基本料の算定病床数、10対1の算定病床数についての病院ごとの合計値を見ている(ICUやハイケアユニット等の特定入院料を算定している病棟は含まない)。7対1の658病院のうち、1割程度は500床を超えている。一方で10対1の478病院の3分の1以上は50床未満となっている。>
 
メディウォッチ「7対1入院基本料の厳格化、透析医療の診療報酬適正化など進めよ―財政審、経済財政諮問会議」(http://www.medwatch.jp/?p=16596)。<以下引用>
<2018年度の次期診療報酬改定に向けて、中央社会保険医療協議会で議論が進められています。それとは別に、主に「財政再建のために社会保障費を抑制すべき」という観点で財政制度等審議会や経済財政諮問会議でも、具体的な改定内容に関する議論が行われています。財政審などの提言、中医協論議にどこまで影響するのか 10月25日の財政審では、2018年度に「2%台半ば以上のマイナス改定をすべき」との意見をまとめたほか、次のような改定内容に踏み込んだ提言を行っています。▼急性期病床の適正化(7対1病床について、2025年に向けてどの程度病床数を適正化していくか⾒通しを示し、重症度、医療・看護必要度など算定要件の⼀層の厳格化を行う。⼊院基本料ごとに医療内容を検証し、看護職員配置ではなく、提供している医療の機能(⾼度急性期、急性期、回復期等)により評価される仕組みを⽬指す) ▼⽣活習慣病治療薬などについて、臨床上の有効性・安全性を前提としつつ、経済的な観点も踏まえた「医薬品選択のガイドライン」を策定する。あわせて、⽣活習慣病治療薬などの適切な処⽅を進めるための診療報酬上の対応の在り⽅を検討する ▼「患者の状態像にそぐわない20対1病床への転換」防⽌のために医療必要度の要件(現在、療養病棟入院基本料1では医療区分2・3の患者割合が80%以上とされている)の厳格化等や、介護医療院について、⼈員配置や費⽤⾯での効率化が進むような報酬・基準を設定する。療養病床の⼊院患者のうち医療の必要度の低い患者について在宅医療などで対応を進めるような改定内容とする また10月26日の経済財政諮問会議では、民間議員から、7対1病床の基準:要件の厳格化などのほか「透析医療の実態に応じて診療報酬の適正化を図る」「保険者などによる糖尿病患者の重症化予防を促進する」という、かなり具体的な提言が行われています。7対1病床の施設基準の1要件となっている「重症度、医療・看護必要度の基準を満たす患者割合(重症患者割合) 25%以上」については、中医協総会で厳格化を強く求める支払側委員と、「累次の改定で混乱した現場が、ようやく沈静化しつつある」として厳格化に強く反対する診療側委員との間で意見に大きな隔たりがあります。また、入院医療の技術的課題を集中的に検討する「入院医療等の調査・評価分科会」(中医協の下部組織)では、「7対1と10対1とで重症患者割合の活用方法が異なっている(7対1では施設基準、10対1では加算)ために分布状況が大きく異なっており、評価指標としての妥当性を検証する必要がある」「医療現場の負担軽減を図るために、重症度、医療・看護必要度の評価票に基づく計算方法と、診療報酬請求区分に基づく計算方法との検証を行う」方針を固めています。こうした中医協論議に、財政審や経済財政諮問会議の意見・提言がどのように影響するのか、「改定論議の俎上に上げられるか」も含めて、今後の中医協などの議論に注目が集まります。>
 
中医協総会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-chuo.html?tid=128154)の「入院医療(その2)」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000155341.pdf)p7「近年、7対1入院基本料、10対1入院基本料、15対1入院基本料の病床稼働率は、低下傾向」、p9「一般病棟入院基本料(7対1、10対1)の算定回数は、近年、減少傾向」、p31「入院基本料は、入院診療に係る基本的な療養に係る費用(環境、看護師等の確保、医学管理の確保等)を評価するものであるが、現行の一般病棟入院基本料は、主に看護配置等の要件で段階的に設定されており、入院医療については、患者の状態や診療の効率性等の要素も考慮する必要があるのではないか。この点については、医療機関によって様々であり、さらに詳細な分析が必要ではないか。また、患者の状態に応じた評価と機能に応じた評価との整合性も考慮した評価のあり方について、どのように考えるか。」とあり、財政制度分科会(http://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/index.html)の資料(http://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/material/zaiseia291025/01.pdf)p19「○ 地域医療構想において、将来の少⼦⾼齢化を踏まえて急性期から回復期への転換が求められていることも踏まえ、7:1⼊院基本料について、今後2025年に向けてどの程度病床数を適正化していくか⾒通しを⽰した上で、これに向けて重症度、医療・看護必要度など算定要件の⼀層の厳格化を⾏うべき。⼊院基本料ごとに具体的にどのような医療を提供しているか検証したうえで、看護職員配置ではなく、提供している医療の機能(⾼度急性期、急性期、回復期等)により評価される仕組みを⽬指していくべき。」、p36「① 7:1⼊院基本料等の⾒直し、② 療養病床における標準報酬の適正化、③ 診療科ごとの不均衡の是正、などを実施すべきである。」、p49「診療所や医師数、⾼額医療機器など病床以外の医療資源に関しても、医療費の増加を抑制しつつ、診療科や地域ごとの偏在を是正し、限られた医療資源の中で適切かつ効率的な医療提供体制を構築していく観点から、その配置に係る実効的なコントロールが必要であり、その在り⽅について早期に議論を進めるべき。」とあった。資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000178775.pdf)p35「重症度、医療・看護必要度に係る経緯」は今後どうなるか、地域医療構想(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000080850.html)、「地域医療構想を踏まえた「公的医療機関等2025プラン」」(http://www.hospital.or.jp/pdf/15_20170804_01.pdf)、「新公立病院改革プラン」(http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/c-zaisei/hospital/hospital.html)の進捗にもかなり影響するのは間違いない。地域医療構想(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000080850.html)について、「各都道府県の地域医療構想について」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000164337.pdf)p31~「各構想区域における4機能ごとの病床の必要量」をみれば、「急性期の過剰」とされる区域が多い。急性期病床過剰と判断される地域は、市区町村別の将来人口推計(http://www.ipss.go.jp/pp-shicyoson/j/shicyoson08/5-sai/shosai.html)による人口減少だけでなく、「病床利用率が低い一般病床」の存在が大きいであろう。医療計画(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/iryou_keikaku/index.html)による政策医療とも関連するが、もはや、どの病院も医師・看護師を確保して病床利用率を上げる時代ではない。
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