保健福祉の現場から

感じるままに

生活習慣病予防

2005年10月31日 | Weblog
先般の医療制度構造改革試案(http://www.mhlw.go.jp/topics/2005/10/tp1019-1.html)においては、糖尿病等の生活習慣病患者・予備群の25%減少(平成20~27年度)が柱の一つになっている。本文では「平成20(2008)年と比べて25%減少させる」とされているが、この数値はどういう意味であろうか。平成20年度の患者・予備群の実数より平成27年度には25%減少させるということか、それとも現状推移を仮定した平成27年度の推計数よりも25%減少させるということか。平成12年度にスタートした健康日本21(http://www.kenkounippon21.gr.jp/kenkounippon21/about/kakuron/index.html)では、糖尿病の目標値の一つとして、平成22年度の糖尿病有病者推計値1080万人を1000万人以下にすることが掲げられていることから、今回の25%減少は後者の可能性がある(7年間では年齢調整の手は使いにくいであろう)。しかし、7年間で25%減少とはかなりの数字に思える。健康日本21では10年間で糖尿病患者7%以上減少の目標値(しかも増加推計値からの減少)であり、相当な努力を要するのは間違いない。過去の糖尿病実態調査では糖尿病有病者数について平成9年の1370万人から平成14年には1620万人に増加しているのである(http://www.mhlw.go.jp/topics/2005/10/tp1019-1e.html)。従来どおりの施策では、「7年間で25%減少」は到底達成できないように感じられる(実数の減少であればなおさらである)。まさか、予備群を含めた27年度の推計数が相当高く見積もられているわけではないであろう。公衆衛生学者・疫学研究者(特に健康日本21や健やか親子21の関係者)に実現可能性についてぜひ聞きたいところである。
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