保健福祉の現場から

感じるままに

診療プロトコール

2021年11月08日 | Weblog
R3.11.2「新型コロナウイルス感染症( COVID 19 )診療の手引き・第6.0版」(https://www.mhlw.go.jp/content/000851077.pdf)に関して、R3.11.8Web医事新報「[緊急寄稿]COVID-19の重篤な疾患は間質性肺炎にとどまらない─移植感染症学の視点からみたCOVID-19[第4章]」(https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=18367)の「疾患の原因となる患者のウイルス(量)やそれを迎え撃つ生体防御機能を基礎としていない呼吸機能別症状症候群による厚生労働省の重症度分類は,その場しのぎで根本的な解決策にはならない」「残念なことにこの呼吸器別症状症候群に基づいた投与法は科学的根拠が乏しく,この投与法では当然投与時期が遅くなる。その結果,本来特効薬であるはずの薬剤も,その効果がみられない可能性がある」「ウイルス疾患には抗ウイルス薬を,免疫炎症性疾患には免疫抑制薬・抗炎症薬を適時・適所に投与することが大前提である」「抗体カクテル療法は酸素ステーションでの常備薬としては保存が難しい。有効期限が短く,提供数が限られている高価な「モノクローナル抗体のカクテル薬剤」よりも,むしろ長年様々な疾患に応用され,どの救急箱にも備えられて臨床医が使い慣れている安価なステロイドのほうが適している」「酸素ステーションの根本的な問題として,呼吸機能が低下して入院が必要とされるCOVID-19患者は,病期分類ではかなり進んだ第3期以降の患者であり,いつなんどき,その病状が悪化するかもしれない」は興味深い。R3.11.2「新型コロナウイルス感染症( COVID 19 )診療の手引き・第6.0版」(https://www.mhlw.go.jp/content/000851077.pdf)p45「自宅療養者に対して行う診療プロトコール」では、「SpO2低下(≦93%)があれば酸素療法とステロイド投与を行う」とあるが、中等症Ⅱを在宅医療に依存するのを標準にしてはいけない。R3.9.7NHK「“第5波”若い世代の死者増加 東京 8月は最も高い割合に…」(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210907/k10013247861000.html)では「専門家「ワクチン行き届かず 重症化し亡くなる人も増えている」」とあったが、ワクチン未接種者の重症化・死亡を「ワクチン未接種」だけのせいにしてはならない。新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00294.html)のR3.10.20資料2-3(https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000845983.pdf)p46「警察庁新型コロナウィルス陽性死体取扱い状況(令和3年4月~9月)」の年齢構成(死因が新型コロナ)では、「50代141名(90人)、40代71名(43人)、30代41名(23人)、20代11名(5人)、10代1名(0)」とあり、月別では「8月」、都道府県別では「東京都」が群を抜いている。R2.7.21厚労省「地域で新型コロナウイルス感染症の患者が増加した場合の各対策(サーベイランス、感染拡大防止策、医療提供体制)の移行について」(https://www.mhlw.go.jp/content/000651071.pdf)p5「重症化しやすい方以外の方であれば、新型コロナウイルスに感染しても症状が軽いことが多いため、通常の風邪と症状が変わらない場合は、必ずしも医療機関を受診する必要はない」の当初の受診抑制方針が悲劇につながったケースはないのであろうか。日本看護協会「自宅・宿泊療養等におけるコロナ感染者対応に関する情報提供」(https://www.nurse.or.jp/nursing/practice/covid_19/document/index.html)は参考にしたい。しかし、「酸素投与が必要になってから」の医療では必然的に入院期間が長くなり、医療ひっ迫につながることは容易に想像がつくであろう。
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