保健福祉の現場から

感じるままに

公共医療事業の向上及び増進

2012年09月28日 | Weblog
地域保健法(http://www.ron.gr.jp/law/law/hokenjo.htm)第6条に「医事及び薬事に関する事項」とは別に「公共医療事業の向上及び増進に関する事項」が規定されていることは認識したい。すなわち、保健所は、医療従事者の免許事務や医療機関への立入検査業務等の定型業務だけではないということである。地域保健法(http://www.ron.gr.jp/law/law/hokenjo.htm)第4条に基づく「地域保健対策の推進に関する基本的な指針」(http://wwwhourei.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T120803H0010.pdf)の「3.医療、介護、福祉等の関連施策との連携強化」では、「(1)住民のニーズの変化に的確に対応するためには、地域における保健、医療、介護、福祉等とそれぞれの施策間での連携及びその体制の構築が重要であること。このため、市町村は、住民に身近な保健サービスを介護サービス又は福祉サービスと一体的に提供できる体制の整備に努めること。(2)都道府県及び保健所(都道府県が設置する保健所に限る。)は、広域的な観点から都道府県管内の現状を踏まえた急性期、回復期及び維持期における医療機関間の連携、医療サービスと介護サービス及び福祉サービス間の連携による地域包括ケアシステムの強化に努めることが必要であること。(3)医療機関間の連携体制の構築においては、多くの医療機関等が関係するため、保健所が積極的に関与し、地域の医師会等との連携や協力の下、公平・公正な立場からの調整機能を発揮することが望まれること。なお、保健所は、所管区域内の健康課題等の把握、評価、分析及び公表を行い、都道府県が設置する保健所にあっては所管区域内の市町村と情報の共有化を図るとともに、当該市町村と重層的な連携の下、地域保健対策を推進するほか、介護及び福祉等の施策との調整についても積極的な役割を果たす必要があること。」と明記されている。(2)の「医療サービスと介護サービス及び福祉サービス間の連携による地域包括ケアシステムの強化」「介護及び福祉等の施策との調整」は県型の保健所に限定されているが、(3)の「医療機関間の連携体制の構築」はすべての保健所に共通である。特に「公共医療事業の向上及び増進に関する事項」は保健所固有の業務であり、例えば、在宅医療における医療と介護・福祉との連携や医療機関間の連携には保健所の積極的な調整が期待される。そもそも地域保健法(http://www.ron.gr.jp/law/law/hokenjo.htm)第6条の「その他地域住民の健康の保持及び増進に関する事項」や第7条の情報の収集・整理・活用や調査・研究は限定したものではない。さて、全国保健所長会資料(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000028ay5-att/2r98520000028bc0.pdf)p6に出ているように、全国各地の保健所(http://www.phcd.jp/HClist/HClist-top.html)は様々な形態になっており、保健福祉型33.3%、保健福祉環境型24.3%で、保健所単独組織は38.1%に留まっている。在宅医療・医療介護連携・地域包括ケアの推進においては、保健所として、というよりも、保健福祉の統合組織としての役割が求められる。地域保健法や基本的な指針の規定を鑑みると、それは「広義の保健所」という見方もできるかもしれない。
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