保健福祉の現場から

感じるままに

電子カルテデータの共有

2016年03月15日 | Weblog
「全国医政関係主管課長会議」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-isei.html?tid=327739)の資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000114072.pdf)p518「厚労省平成28年度予算案 医療分野のICT 化の推進;連携する医療機関の間で電子カルテデータを共有する際に必要となる標準的な通信規格等を情報発信し、医療情報連携ネットワークの構築を支援する。【新規】」とある。これまで、全国各地で地域医療再生基金(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/saiseikikin/index.html)や地域医療介護総合確保基金(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000060713.html)による莫大な予算で、電子カルテデータの共有が図られているであろうが、運用実績はどうなのであろうか。「平成28年度診療報酬改定」(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000106421.html)説明会(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000112857.html)の医科資料(http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000115977.pdf)p69~「情報通信技術(ICT)を活用した医療連携や医療に関するデータの収集・利活用の推進 画像情報・検査結果等の電子的な送受に関する評価;検査・画像情報提供加算、電子的診療情報評価料」、p117「放射線撮影等の適正な評価;新たに施設共同利用での撮影を評価」は知っておきたい。保健医療分野におけるICT活用推進懇談会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-jyouhouseisaku.html?tid=312619)の資料、クラウド時代の医療ICTの在り方に関する懇談会(http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/kenkyu/cloud-ict-medical/index.html)の報告書(http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01ryutsu02_02000114.html)(http://www.soumu.go.jp/main_content/000385949.pdf)(http://www.soumu.go.jp/main_content/000385951.pdf)もみておきたい。
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民泊

2016年03月15日 | Weblog
NHK「民泊「ホームステイ型」は届け出制へ」(http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160315/k10010443961000.html)。<以下引用>
<住宅の空き部屋などを有料で貸し出す「民泊」のうち一般の家庭で宿泊客を受け入れる「ホームステイ型」について、厚生労働省と観光庁は家主が都道府県に届け出を行えば認める方針を決めました。これは、15日開かれた検討会で決まりました。住宅やマンションの空き部屋を有料で貸し出す「民泊」を巡っては、外国人観光客の増加で宿泊施設の不足が深刻となるなか、厚生労働省と観光庁がルール作りを進めています。これまでに「民泊」をカプセルホテルなどと同様に旅館業法で「簡易宿所」と位置づけ、貸主が宿泊客の本人確認の方法や緊急時の対応などの態勢を整えたうえで都道府県から許可を得れば営業を認めることが決まっています。15日は、「民泊」のうち一般の家庭で宿泊客を受け入れる「ホームステイ型」について議論が行われ、家主がいる場合は宿泊客の安全管理などがしやすいとして、許可制ではなく、家主が都道府県に届け出を行えば認める方針を決めました。検討会では今後、ホームステイ型の民泊の宿泊可能な人数や営業日数の上限など届け出を行う際の要件について議論を行うことにしています。民泊 2つのタイプ 民泊には、家を貸し出すホストが同居しない「ホスト不在型」と、ホストが同居する「ホームステイ型」の大きく分けて2つのタイプがあります。このうち、「ホスト不在型」の民泊は、空き家やマンションの一室をまるごと貸すタイプです。ホストは別の家に住んでいるため、滞在期間中は宿泊者だけで過ごします。このため、日本語が分からない宿泊者の安全確保が課題だと指摘されているほか、近隣住民からは深夜の騒音やルールを無視したゴミ出しなどへの苦情も出ています。一方、「ホームステイ型」の民泊は、ホストが住んでいる一戸建てやマンションの部屋に泊めるものです。ホストが同じ家に住んでいるため、宿泊者の安全管理がしやすく近隣住民から苦情が出るようなケースも少ないと考えられるほか、宿泊者とホストがその後も交流を続けるなど国際交流が生まれる場ともなっています。特区と全国 民泊の2つの動き 民泊は、東京・大田区で特区に基づき、すでに導入されている一方、国が民泊を認めるための全国で統一した基準づくりを進めるなど2つの動きが並行しています。このうち特区に基づいた民泊は旅館業法では原則、認められていないものを、政府が特区を設けて旅館業法の規制対象から除外する方法で、東京・大田区が全国に先駆けて導入しました。ただ、大田区で民泊を行う際には宿泊施設に宿泊者専用のトイレや風呂、台所などがあることが必要で、一般の住宅でホームステイ型の民泊を行うことは、難しいのが実情です。一方、厚生労働省と観光庁は民泊を、ホストが同居せずにマンションの一室や空き家をまるごと貸し出すホスト不在型と、ホームステイ型の2つに分けたうえで、それぞれ、許可制と届け出制にする方針です。このうちホームステイ型の民泊は、ホストが同居していて宿泊客の安全管理などがしやすいうえ、国際交流を促進する面もあり、届け出制というより簡単な手続きにしたといえます。「ホームステイ型民泊」受け入れ経験者は 東京・大田区の花井陽子さんは、一戸建ての自宅の一部を外国人観光客に貸し出す「ホームステイ型民泊」を2年ほど前から行っていました。去年11月にはシンガポールの夫婦が1泊6000円で宿泊し、花井さんは手作りの朝食もふるまいました。希望があれば羽田空港などへの送迎も行うなど花井さんのおもてなしが外国人観光客に好評で、これまでにおよそ60組を受け入れてきました。しかし、大田区がことし1月に導入した特区による民泊の条件では、宿泊者専用のトイレや風呂、台所が必要で、花井さんの家の場合これらの条件を満たすことは難しいとして、去年いっぱいで受け入れをやめました。ただ、花井さんは、ホームステイ型の民泊についてホテルや旅館にはない国際交流を深める魅力があると考えています。花井さんのもとには宿泊した外国人からお礼の手紙が届くなど帰国後も交流が続いているほか、ことし1月に花井さんがシンガポールに旅行した際には、去年、民泊で受け入れた夫婦が現地を案内してくれたということです。今回、厚生労働省と観光庁がホームステイ型の民泊を届け出制にして認める方針を示したことについて、花井さんは、「自分の家にいながら世界中の人と交流ができて友だちもできたし、自分が知らなかった国の風習なども知ることができた。『ホームステイ型民泊』が認められることは、とてもいいことだと思うので、たくさんの人たちにチャレンジしてもらいたいし、私もまたやってみたい」と話しています。>

「民泊サービス」のあり方に関する検討会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-syokuhin.html?tid=312986)の中間整理案(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11121000-Iyakushokuhinkyoku-Soumuka/0000116301.pdf)が出ているのでみておきたい。「住宅を民泊として活用する場合の防火管理について(消防庁)」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11121000-Iyakushokuhinkyoku-Soumuka/0000116303.pdf)が出ているように、中間整理案(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11121000-Iyakushokuhinkyoku-Soumuka/0000116301.pdf)p1前文「感染症まん延防止やテロ防止などの適正な管理、安全性の確保や地域住民等とのトラブル防止に留意したルールづくり」が不可欠であり、民泊施設については保健所や警察庁等とも共有化が必要かもしれない。懸念の声(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11121000-Iyakushokuhinkyoku-Soumuka/0000116302.pdf)にもしっかりと耳を傾けたい。
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特定健診の見直し

2016年03月15日 | Weblog
特定健康診査・特定保健指導の在り方に関する検討会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-kenkou.html?tid=322611)の「健診項目についての論点」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000111249_1.pdf)をみれば、尿蛋白、血清クレアチニン検査、血液一般(ヘマトクリット値、血色素量、赤血球量)は微妙な感じがしないでもない。すでに健診項目についての論点(脂質・肝機能・代謝系)」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000111249.pdf)では、「空腹時以外の中性脂肪の活用」「non-HDLコレステロール(総コレステロール– HDLコレステロール)を保健指導対象者の選定に用いる」「肝機能検査項目の整理」「空腹時以外の血糖の活用」「尿糖の健診項目としての見直し」が提案されている。「労働安全衛生法に基づく定期健康診断等のあり方に関する検討会」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-roudou.html?tid=328053)、「保険者による健診・保健指導等に関する検討会」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-hoken.html?tid=129197)、「健康診査等専門委員会」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-kousei.html?tid=311909)の動向も注目である。スケジュール(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000111253_1.pdf)では、「今年半ばに中間とりまとめ、来年半ばに最終とりまとめ」であるが、特定健診の見直しに伴うシステム変更にそれなりの費用と時間がかかることが気になる方が少なくないかもしれない。
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周産期医療体制

2016年03月15日 | Weblog
「全国医政関係主管課長会議」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-isei.html?tid=327739)の資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000114072.pdf)p418「都道府県別に見た分娩取扱医師数 増加率(平成20年→平成26年)」では「都道府県別に見た場合、都市部の都府県においては増加傾向にあるものの、一部の地方の県においては、分娩取扱医師数が減少しており、分娩取扱医師数の確保に都道府県間の格差が見受けられる。」とある。医療計画(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/iryou_keikaku/index.html)では周産期医療は柱の一つ(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000096049.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000096051.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000096053.pdf)であり、「周産期医療の医療体制構築に係る現状把握のための指標」(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/iryou_keikaku/dl/tsuuchi_iryou_taisei2.pdf)は医療圏ごとで継続的に把握・共有されるべきであるが、ハイリスクに対応する周産期医療圏のようなものが必要かもしれない。医療法に基づく病床機能報告(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000055891.html)に関して、地域医療構想策定ガイドライン(http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10800000-Iseikyoku/0000088510.pdf)p50~「公表しなければならない項目」には、助産師数、分娩件数、院内の出生、ハイリスク分娩管理加算、ハイリスク妊産婦共同管理料Ⅱがあり、毎年更新される医療機関ごとのデータを把握しておきたい。地域医療構想(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000080284.html)と並行して進められている「公立病院改革」(http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/c-zaisei/hospital/hospital.html)(http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01zaisei06_02000103.html)について、少子化対策として、各公立病院での「産科」希望が少なくないかもしれないが、晩婚化・出産高齢化の中で、それぞれの地域において、自治体の枠を超えてでも「ある程度リスクの高い出産に対応できる医療体制」を確保することこそが最低限必要と感じる。「分散化」よりも「重点化」を優先したい。「日本産科婦人科学会医療改革委員会.産婦人科医療改革グランドデザイン2015」(http://www.jsog.or.jp/news/pdf/gl2015_20150620.pdf)で提唱される「地域基幹分娩取扱病院重点化プロジェクト」による施設データベースが期待される。周産期医療体制のあり方に関する検討会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-isei.html?tid=292852)の資料にも目を通しておきたい。
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在宅医療提供体制の議論を

2016年03月15日 | Weblog
M3「「在宅、専門診療所を含め、多様な主体で」全国在支診連絡協議会、全国大会でシンポ」(https://www.m3.com/news/iryoishin/407499)。<以下引用>
<全国在宅療養支援診療所連絡協議会の第3回全国大会が3月12日、13日の2日間の日程で、都内で開催された。13日のシンポジウム「緊急討論!2016年度診療報酬改定について議論する」で話題になったのが、2016年度改定で新設された、在宅専門診療所の扱い(『在宅専門診療所、「特定の施設に限定」はNG』を参照)。その存在意義を認め、診療報酬上での制度化は評価する声が多かったが、落下傘的に在宅専門診療所が開業した場合、地域包括ケアシステムの構築に支障を来す懸念も呈せられた。厚生労働省大臣官房審議官 (医療介護連携担当)の吉田学氏は、在宅医療に関し、「全国的に見ると、まだサービスは不足している」と現状を分析し、多様なサービス主体を整備する必要性から、今改定を実施したと説明。外来診療を手掛けている診療所に対しては、在宅医療への取り組みを促す狙いがある一方、在宅専門診療所に対しては、集合住宅や施設の入居・入所者だけでなく、地域の患者も広く診るよう促す狙いがある。在宅専門診療所の施設基準は、「軽症患者ばかりを診る」「(外来診療をやっていないため)拠点が分からない」といった批判を踏まえ、重症患者の要件などを設定したという。首都圏で在宅医療を主に行う診療所を9カ所運営する、医療法人悠翔会理事長の佐々木淳氏は、「患者の利益を最大限考えると、かかりつけ医が最期まで診るのが理想」としつつ、専門的な在宅医療が必要になった場合や24時間対応の必要性を考えると、現実には難しいとした。「私たちは、専門性を持った在宅医療に取り組んでいる」と語る佐々木氏は、人工呼吸器を装着する患者や、緩和ケアが必要な患者などを専門的に診る体制を構築し、地域の一つのセーフティーネットの役割を果たしているとした。さらに悠翔会では、「救急診療部」という部門を持ち、地域の他の14カ所クリニックとも連携して、休日や夜間等の対応をバックアップしていると説明。こうした対応を取るには、一定の事業規模が必要だとした。なお、悠翔会の9カ所のクリニックのうち、7カ所は在宅専門診療所の要件を満たし、残る2カ所は施設等の入居・入所者への在宅医療が多いことから、現在対応を検討中だ。坂の上ファミリークリニック(静岡県浜松市)などを運営する医療法人心理事長の小野宏志氏は、在宅医療が発展してきた一因として、在宅専門診療所の登場が挙げられ、「今回評価されたのは素晴らしいこと」と認めつつ、一方で、在宅専門診療所が地域に落下傘的に開業すると、地域包括ケアシステムの構築、地域に根差した在宅医療の発展に支障も来しかねないと懸念した。出水クリニック(大阪府岸和田市)院長の出水明氏は、在宅専門診療所の要件について、「非常に厳しく、クリアできるのはどの程度があるのか」と問いかける一方、在宅医療の担い手の養成や研究は、在宅専門診療所がけん引してきたことは間違いないと認めた。さらに在宅医療の提供体制は、大都市と地方都市、地方都市の中でも大学病院がある地域とそれ以外の地域など、地域性が大きいとも指摘。吉田氏は、2025年に向けて構築が進む地域包括ケアシステムについて「『ご当地システム』。制度ではなく、実践が形作るネットワーク」と説明。この言葉に表われているように、在宅医療体制についても、地域の実情に応じて整備する必要があると言える。24時間対応、複数医師・チームで シンポジウムでは、在宅医療における24時間対応についても議論された。24時間対応の必要性には異論は出なかったが、その対応法は地域によってバリエーションがある。共通しているのは、医師一人ではなく、複数あるいはチームを組み、24時間対応に当たっている点だ。岸和田市医師会の在宅担当理事でもある出水氏は、「岸和田在宅ケア24」の取り組みを紹介。これは、在宅医療に取り組む7カ所の診療所がネットワークを組み、24時間対応、看取りへの対応などを行う仕組みだ。通常は、各患者のかかりつけ医が担当するが、休日や夜間などに他の診療所が対応した場合には、依頼元の非常勤医という位置付けになる。「24時間対応は、医師一人で対応する必要はない」と語る出水氏は、訪問看護チームと連携する重要性も指摘。なお、出水クリニックでは、「単一建物」の患者が95%、重症対象者が65%といずれも高率で、2016年度改定で在宅緩和ケア、医療機関からの訪問看護などが評価されたことから、数%のプラス改定になる見通しだという。前述のように、「救急診療部」を設け、法人内の診療所に加え、地域の診療所の24時間対応を支援しているのが、悠翔会。9カ所の診療所を常勤、非常勤を含め、76人の医師、約100人のコメディカルなどで運営している。夜間等は医師2、3人が当直。14の連携クリニックが悠翔会に支払う「待機料」は。患者1人1晩50円だ。在宅患者からの電話連絡に対し、電話再診で済むのが3分の2。残る3分の1の往診のうち、看取りが3分の1、3分の2が緊急医療ニーズだという。「一人の医師が24時間対応するのは、患者にとっては安心感があるが、持続可能性という意味では不安定」と佐々木氏は指摘する。夜間や休日などに、かかりつけ医以外が対応する体制は、医師にとっては「『何かあったら電話して』ではなく、何かが起きないように、昼間のうちに管理しておく」(佐々木氏)という意識になるため、1人の医師が対応するよりも在宅医療の質が上がる面があり、カルテ記載なども充実するという。「都市部では、患者の医師へのこだわりはそれほど強くない。チームで診ていく体制は都市部ではある程度、有効なのではないか」(佐々木氏)。佐々木氏は、施設入所者の在宅医療も、診療前後の施設職員との申し送り、診療、薬などの各種オーダー、家族への説明など、相応に時間がかかる現状を説明。その上、施設職員への研修等の実施により、平均要介護度の減少や施設内看取り率の向上、誤嚥性肺炎発症の低下など、在宅医療のレベルが向上する実例も紹介。ある施設では、施設内看取り率が2013年は36.8%だったが、2015年には89.5%まで上昇した。へき地・離島の在宅に配慮を そのほか、今改定への評価として、坂の上ファミリークリニックの小野氏からは、休日の往診の点数アップなど評価すべ点もあったものの、点数体系が複雑である上、「在宅医療を頑張っている診療所、重症患者を診ている診療所の評価は手厚いものの、一般の診療所が在宅医療に取り組もうとする意欲を削いでしまわないか」との懸念も上がった。医療法人鳥伝白川会ドクターゴン診療所(沖縄県宮古市)理事長の泰川恵吾氏は、へき地・離島で在宅医療に取り組む難しさを紹介。有資格者の確保が困難な上、在宅医療に取り組む医療機関が少ないことから遠距離まで対応しなければならない現状を訴え、へき地・離島の在宅医療について保険診療上の配慮を求めた(『「善意の在宅」が仇、2200万円を返還』を参照)。>

医療介護総合確保促進会議(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-hoken.html?tid=206852)の「総合確保方針の改定に向けた論点(たたき台)」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12401000-Hokenkyoku-Soumuka/0000115473.pdf)p5「都道府県は、地域医療構想を策定し、市町村と連携しながら、慢性期の医療ニーズに対応する医療・介護サービスの確保について着実に進めていく必要がある。また市町村においても、平成27年度から在宅医療・介護連携推進事業が開始されているが、在宅医療体制の整備、医療及び介護の連携に向けた取組等はこれまで市町村になじみが薄かったことから、都道府県がより広域的な立場から、保健所の活用等により、市町村との連携及び後方支援等を積極的に行う必要があり、これらを実際に推進する体制について、どのように考えるか。」とある。医療計画(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/iryou_keikaku/index.html)では在宅医療も柱の一つであるが、医政局長通知「「地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律」の一部の施行について」(http://www.hospital.or.jp/pdf/15_20150331_02.pdf)p7にあるように、「構想区域における将来の居宅等における医療の必要量」があり、①慢性期入院患者のうち医療区分Ⅰの70%相当数、②慢性期入院受療率の地域差解消による需要、③医療資源投入量175点未満の入院患者、④訪問診療患者推計、⑤介護老人保健施設入所者推計の合計数とすることが示されている。そういえば、地域医療構想(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000080850.html)について、「全国医政関係主管課長会議」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-isei.html?tid=327739)の資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000114071.pdf)p85「地域医療構想の策定や、今後の構想を踏まえた調整会議での検討にあたっては、病床数の議論に終始せず、以下の検討を行った上で、調整会議等でしっかりと課題分析することが重要である。ア データを活用した分析を行う ①DPC データを活用した分析例 ・当該医療圏で欠けている医療機能はないかを確認(特に、5疾病5事業に関わる主要疾患) ・各病院の機能が年度間で安定しているかを確認 ・圏域内の各病院の機能分化の状況を把握 ②NDB データを活用した分析例 ・医療行為別の患者の流出入の把握 ③消防庁データを活用した分析例各二次医療圏や圏域をまたいだ救急搬送時間の把握。例えば、DPC データ等で補完することで、患者の医療機関へのアクセスに係る課題の分析が可能 ④ 年齢調整標準化レセプト出現比(SCR) を活用した分析例 ・地域ごとの疾患毎レセプトの出現状況を全国平均と比較 イ分析結果から課題を抽出する」とあった。病床数の議論に終始するのではなく、それぞれの地域において、医療計画作成支援データブックによる在宅医療に関する分析データを共有し、在宅医療提供体制について積極的に議論しなければならない。なお、3年ごとに全国の保健所が実施している「医療施設静態調査」(http://www.mhlw.go.jp/toukei/chousahyo/index.html#00450021)の一般診療所票(http://www.mhlw.go.jp/toukei/chousahyo/dl/iryoushisetu/H26_seitai_ippan.pdf)、病院票(http://www.mhlw.go.jp/toukei/chousahyo/dl/iryoushisetu/H26_seitai_byouin.pdf)をみれば、医療保険・介護保険での在宅医療の取り組み状況と実績の詳細が把握できる。在宅医療実績が伸びている地域が少なくないであろう。病床機能報告(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000055891.html)では、一般病床・療養病床を有する医療機関ごとに、退院先別患者数(在宅復帰率)、退院後の在宅医療必要量と提供、在宅復帰支援状況が公開(毎年更新)されており、みておきたい。「平成28年度診療報酬改定」(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000106421.html)説明会(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000112857.html)の医科資料(http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000115977.pdf)p48~「在宅医療における重症度・居住場所に応じた評価」、p52「在宅医療を専門に行う医療機関の開設、在宅医療専門の医療機関に関する評価」、p54「休日の往診に対する評価の充実」、p55~「在宅医療における看取り実績に関する評価の充実」、p61「病院・診療所からの訪問看護の評価」、p62「衛生材料等の提供についての評価、特定保険医療材料等の算定の明確化」、p63「在宅療養における衛生材料等の供給体制」、p64「複数の実施主体による訪問看護の組合せの整理、同一日2か所目の訪問看護ステーションによる緊急訪問の評価」、p65「在宅患者訪問薬剤管理指導料の見直し」等は理解しておきたい。ところで、全国在宅療養支援診療所連絡会「在宅医療にかかるお金」(http://www.zaitakuiryo.or.jp/zaitaku/money.html)が出ているが、末期がん等では高負担となることもある。但し、公的医療保険には、「高額療養費制度(医療費の自己負担限度額)」(https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat310/sb3030)のほか、「高額医療・高額介護合算制度」(https://www.city.kofu.yamanashi.jp/korefukushi/kenko/kenko/jose/kogaku.html)もある。「医療と介護の両方のサービスを利用している世帯の負担を軽減する制度」があることは常識としたい。在宅医療は、①退院前からの連携、②多職種チーム、③医師グループ(主治医、副主治医)、④緊急時のバックアップ、⑤タイムリーな情報共有など、在宅医療介護システムでなければならないが、在宅医療システムのベースには、患者・家族の理解がなければならない。住民に対する普及啓発は、地域住民が、①在宅医療・介護にかかる地域の実情を知る、②在宅医療・介護に従事する職種の機能や役割を知る、③在宅医療・介護で利用できるサービス内容(コスト含む)や相談場所を知る、④療養場所として「在宅」が選択肢にあることを理解する、⑤自分のこととして終末期医療について考えられる、を目的(「24時間365日 安心して暮らし続けられる地域に向けて ---看護がすすめる地域包括ケア」参考(http://mokuseisya.com/pg339.html)とし、それぞれの地域における継続的な事業展開が必要と感じる。平成27年度からの第6期介護保険事業計画(http://www.mhlw.go.jp/topics/2015/02/dl/tp0219-06-01p.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12301000-Roukenkyoku-Soumuka/0000076407.pdf)における地域支援事業の目玉の一つとして「在宅医療・介護連携推進事業」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12301000-Roukenkyoku-Soumuka/0000102540.pdf)があるが、在宅医療・介護連携推進に係る全国担当者会議(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-rouken.html?tid=190816)の「平成27年度在宅医療・介護連携推進事業実施状況調査結果(速報値)(都道府県別の状況)」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12301000-Roukenkyoku-Soumuka/0000102541.pdf)をみれば、取り組みの自治体間格差が非常に大きいことがわかる。行政側の取り組み姿勢も課題かもしれない。
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