保健福祉の現場から

感じるままに

病床4機能と整合的な点数

2016年02月11日 | Weblog
キャリアブレイン「7対1見直しの影響、最大でも1万床減- 支払側会見で幸野委員」(http://www.cabrain.net/news/article/newsId/48077.html)。<以下引用>
<中央社会保険医療協議会(中医協)の支払側委員は10日、2016年度診療報酬改定案の答申後に記者会見を開いた。この中で幸野庄司委員(健康保険組合連合会理事)は、今改定で最大の争点となった7対1入院基本料の施設基準の見直しの影響を厚生労働省の資料に基づき独自に試算したところ、最大でも1万床程度の減少にとどまることを明らかにした。その上で、18年度改定へ向け、改めて基準を見直していく必要性を訴えた。幸野委員は改定案を総括し、「一部、継続課題は残ったが、全体としては非常に良い内容だった」と評価する一方、「結果として、診療報酬本体がプラス0.49%という引き上げになり、薬価についても国民に還元するという方向が示されなかったことについては残念」と語った。また、7対1入院基本料の施設基準など入院医療の評価については、「われわれの主張する内容と一部異なる結果となったが、『重症度、医療・看護必要度』の評価項目ならびに該当患者の水準の見直しが行われたことや、急性期病院の入院医療をより適切に評価できるようになった指標が示されたことは評価をしている」と述べた。■18年度改定では必ず3点セットで見直しを 一方、18年度に控えている診療報酬と介護報酬の同時改定について、幸野委員は、「地域包括ケアシステムの推進と医療機能の分化・強化、連携などを引き続き検討することが何よりも重要」との意見を述べた。また、機能分化を進めるためには、こうした議論に加え、「将来的には病床機能報告制度上の病床機能と、診療報酬上の評価の整合性を求めることも必要」との考えを示した。さらに、7対1入院基本料の厳格化について、幸野委員は、指標として「重症度、医療・看護必要度」「平均在院日数」「在宅復帰率」の3点セットで見直さなければ意味がないとの従来の主張を改めて展開。16年度改定では、平均在院日数は見直されず、在宅復帰率は「指標が形骸化していて高い数値が出るような計算式になっている」と断じ、どのくらいの病床が本当に削減されるのか検証をしていく必要があると指摘。「次回改定では必ずや3つをセットで見直していくという主張は今後も続けていきたい」と強調した。■かかりつけ薬剤師や薬局の活躍に期待 また、今改定で示された処方医と連携して一元的かつ継続的に患者の服薬指導を行う「かかりつけ薬剤師」の評価について、花井十伍委員(連合「患者本位の医療を確立する連絡会」委員)は、「調剤薬局だけでなく、薬剤師全体、職能全体が正念場を迎えていると個人的には思っている」と述べ、「本来、国民が利益を得られる医薬分業という姿を見せていただきたい」とその活躍に期待感を示した。幸野委員もかかりつけ薬剤師の活躍に期待しているとし、「長い目で見ると、一時的な負担はあるものの医療費は減少していく傾向に機能していくのではないか」と述べた。そのほか、平川則男委員(連合総合政策局長)が、看護職の月平均夜勤時間数を72時間以内とする入院基本料の要件が一部緩和されたことについて、長時間夜勤が助長されないか把握するとともに、労働条件の悪化が見られた場合には早急に要件の見直しを求めていくと強い姿勢を示した。また、複数の委員から、今回新設された「かかりつけ歯科医」の評価に関して、その役割や機能が十分に議論されていないことを問題視する声が上がった。>

中医協総会答申(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000111936.html)が出たが、財政制度等審議会 財政制度分科会(https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/index.html)の資料(https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/material/zaiseia271009/02.pdf)p15「診療報酬体系における7対1入院基本料算定要件の一層の厳格化、病床4機能と整合的な点数・算定要件の設定;28年度(又は30年度)診療報酬改定において措置」とあり、「7対1入院基本料算定要件の一層の厳格化」は今回の改定だけではなさそうである。「病床機能報告制度上の病床機能と、診療報酬上の評価の整合性」のためには、病床機能報告(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000055891.html)の定量的な基準が不可欠と感じる。平成27年度全国厚生労働関係部局長会議(http://www.mhlw.go.jp/topics/2016/01/tp0115-1.html)の資料(http://www.mhlw.go.jp/topics/2016/01/dl/tp0115-1-03-01p.pdf)p22「医療・介護制度見直しの今後の3年のスケジュール」で病床機能報告(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000055891.html)の定量的な基準の導入が平成28年度からであることが明記されており、行方が注目である。「病棟コード」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000111453.pdf)がつけられ、病棟機能の分析が進歩するように感じる。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

医師偏在と地域医療支援センター

2016年02月11日 | Weblog
中日新聞「医師派遣機関に補助金 県が新年度から、へき地の不足解消へ」(http://www.chunichi.co.jp/article/gifu/20160210/CK2016021002000007.html)。<以下引用>
<県は二〇一六年度から、中山間地の「へき地診療所」に医師を派遣する都市部の医療機関に対し、派遣日数に応じて補助金を支払う。補助金には、医師本人向けの報酬も含まれる。本来の給与とは別に報酬も得られる利点をPRし、医師不足解消につなげる。一六年度一般会計当初予算案に、関連費用約二千八百万円を盛り込む。市町村が運営し、車や電車で三十分以内の所に他の医療機関がない「へき地診療所」は、県内では高山市や恵那市、揖斐川町など十三市町村に三十七カ所ある。うち十カ所は、別の医療機関と兼務する非常勤医師が診察している。常勤のうち十三人は自治医科大(栃木県)出身の二十代~三十代の若手。自治医科大は、へき地などで九年間働くことを授業料免除の条件としているが、九年を過ぎると「専門医になるため、多くの症例を診たい」などと、都市部の総合病院に移ることが多い。このため、へき地診療所では近い将来、欠員が出る可能性がある。県は一六年度から、都市部の医療機関に依頼し、へき地医療に関心のある医師を名簿に登録する。診療所に欠員が出た場合や、研修などを理由に一定期間、医師が不在になる場合などに、医師を派遣してもらう。医師は、従来の医療機関に籍を残したままの派遣になるが、長期の場合は「出向」の形になる。県は、医師を派遣する医療機関に一日六万一千円、一年間の長期派遣には年千五百万円の補助金を支給する。医師の能力や経験にばらつきがあることから、医師への報酬の配分は医療機関側に任せる。補助金の負担は、県と市町村が折半する。また、派遣される医師には、診療所のある市町村から、従来の規定に従った給与も支払われる。県は一六年度、医師五人の登録を目指す。県医療整備課の担当者は「急に医師が不在になっても対応できるよう、体制を整えたい」と話している。>

北海道新聞「道立3診療所に常勤医師不在 阿寒湖畔、香深、庶野 住民に不安」(http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/society/society/1-0232698.html)。<以下引用>
<道内の過疎地の医療を担う八つの道立診療所のうち、阿寒湖畔(釧路市阿寒町)と香深(かふか、宗谷管内礼文町)、庶野(しょや、日高管内えりも町)の3カ所で常勤医がいない異例の事態となっている。いずれも都市部から離れた集落や離島にあり、なり手が見つからない。札幌などからの医師派遣で対応しているが、診療は月4~10日ほど。住民からは「急病の時に困る。不安だ」との声が上がっている。3日朝、釧路市阿寒町の道立阿寒湖畔診療所。氷点下13度まで冷え込む中、住民が次々と訪れた。週1回、別の医療機関の医師が診察する「代診」の日だ。昨年末、たった一人の常勤医が「一身上の都合」で退職した。持病の治療で来た独り暮らしの奥野桂子さん(79)は年明けに風邪をひいたが、初めは受診をためらった。「知らない先生で不安だから、自宅で寝て我慢していた」 阿寒湖温泉地区の人口は約1300人。高齢者が多く、観光客も通年で訪れる。診療所の2014年度の1日平均患者数は8人で、風邪や持病の経過観察などがほとんどだが、隣の医療機関まで約40キロ、釧路市街までは約75キロもある。住民や観光客の急病、車がない高齢者のことを考えると、やはりなくてはならない存在だ。患者からは常勤医を待ち望む声が上がる。主婦の藤戸幸子さん(37)は「できれば若くてやる気がある人がいい」。一方、スキー場勤務の男性(44)は「こんな田舎に来てくれる医師はなかなかいない。代診でも仕方ない」と漏らした。道立の香深診療所、庶野診療所も定年退職などで昨年4月から常勤医がいない。道は北海道地域医療振興財団(札幌)などを通じて医師を探しているが、難航している。最大の理由は、生活環境とみられる。「この地区にはコンビニもない。教育への不安があるかもしれない。住んでくれる医師を探すのは難しい」(庶野診療所)。人口減少に直面する地域の課題が、そのまま医師確保の壁にもなっている。>

毎日新聞「次世代リクルーター 若手医師20人に委嘱 県庁で交付式 /静岡」(http://mainichi.jp/articles/20160209/ddl/k22/100/110000c)。<以下引用>
<医学部の大学生や医大を目指す高校生らに県内での勤務を働きかける「ふじのくに次世代医師リクルーター」の委嘱状交付式が8日、県庁であった。医師不足解消を目的に始まり、今年で2年目。今期は県内の病院で働く25〜35歳の若手医師20人に委嘱した。「ふじのくに地域医療支援センター」の本庶佑理事長が「優れた指導体制には医師確保が必要。多くの仲間を集めてほしい」と激励。浜松医療センターの川勝暢さん(25)と県立総合病院の田中悠子さん(34)が代表して委嘱状を受け取った。田中さんは医師になって3年目で藤枝市出身。県外の医学部に進学したが「育った地域に貢献したい」と戻った。「研修の様子を伝え、静岡で働く魅力を伝えたい」と話した。県によると、県内の人口10万人当たりの医師数193・9人で全国平均(233・6人)に比べ2割少ない。県外の医大と協定を結ぶ、奨学金制度を設置するなど対策を進めている。リクルーターは任期1年で、医学部や高校などで勤務の様子を説明したり、同センターが配信するメールマガジンに寄稿したりする。>

医療従事者の需給に関する検討会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-isei.html?tid=315093)の医師需給分科会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-isei.html?tid=318654)の医師の需給に関する基礎資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000106726.pdf)p5「都道府県内の人口10万対医師数の較差」をみれば地域偏在が大きいことがわかる。日本医師会・全国医学部長病院長会議 医師偏在解消策検討合同委員会「医師の地域・診療科偏在解消の緊急提言」-求められているのは医学部新設ではない-」(http://dl.med.or.jp/dl-med/teireikaiken/20150819_2.pdf)、「「医師の地域・診療科偏在解消の緊急提言」についてー日本医師会・全国医学部長病院長会議 医師偏在解消策検討合同委員会」(http://www.med.or.jp/nichiionline/article/004058.html)をみておきたい。そういえば、「医師の偏在解消へ、医学部「地域枠」の拡大検討」(http://stacknews.net/news/www.yomiuri.co.jp/national/20151128-OYT1T50062.html)と報じられていたが、地域枠と自治医大は、医師の地域偏在・診療科偏在の是正策の一つである。法定化されている各都道府県の地域医療支援センター(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/chiiki_iryou/index.html)の果たす役割も小さくない。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする