保健福祉の現場から

感じるままに

初診時選定療養費の引き上げと医療連携

2014年03月11日 | Weblog
キャリアブレイン「大学病院で値上げの動き、初診時選定療養費- 地域医療機関と機能分担強化」(http://www.cabrain.net/news/article/newsId/42238.html)。<以下引用>
<地域の医療機関との機能分担を進めるため、初診時の選定療養費を値上げする大学病院が相次いでいる。北海道大病院(札幌市)は、2625円の選定療養費を4月から3240円に改定すると発表。首都圏でも同様の動きが広がっており、帝京大医学部附属病院(東京都板橋区)や聖マリアンナ医科大病院(川崎市)などでも選定療養費を改定するという。他の医療機関の紹介状があれば、この選定療養費の負担がないため、地域の「かかりつけ医」を経て大学病院を受診するケースが増えそうだ。病床数が200床以上の保険医療機関であれば、他の医療機関の紹介状を持っていない患者から初診時に選定療養費を徴収することが可能だ。病院と診療所の機能分担を図る観点から導入された制度で、大学病院を含めた1000以上の医療機関が地方厚生局に徴収する金額などを届け出ている。徴収額は医療機関によって差があり、8000円台の病院がある一方、徴収額の低い医療機関に対しては、「紹介状を持たない患者が多数受診している」と選定療養費の効果を疑問視する意見も出ている。中央社会保険医療協議会の2014年度診療報酬改定でも、紹介率などが低い大病院に対するペナルティーを強化。紹介状なしで受診した患者の初診料などを減算し、患者から減算分を選定療養費として徴収することを進める方針だ。こうした状況を踏まえ、初診時の選定療養費の改定に着手する大学病院が続出。帝京大医学部附属病院は3150円から5400円、聖マリアンナ医科大病院は3150円から4320円、東京医科大八王子医療センターは2100円から3240円にそれぞれ4月1日から引き上げるという。紹介状を持った患者が受診することについて、北海道大病院は「病状経過の把握や、診療を迅速、的確に行うために極めて有用」と説明。料金改定については「地域の医療機関との役割分担をさらに進めていくため」とし、費用負担への理解を求めている。>

初診時選定療養費の引き上げを検討するのは大学病院だけではないであろう。診療報酬改定資料(http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000039891.pdf)p54、(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000037464.pdf)p49~「紹介率・逆紹介率の低い(紹介率40%未満かつ逆紹介率30%未満)500床以上の病院における初診料・外来診療料・処方料の適正化」が新設されたことは大きい。平成27年3月31日までの経過措置があり、この間に、500床以上病院での紹介率・逆紹介率を高める積極的な取り組みを期待したいものである。法案要綱(http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/soumu/houritu/dl/186-07.pdf)の「第三 医療法の一部改正 3 地域医療構想を実現するために必要な措置」で「都道府県は、構想区域等ごとに、診療に関する学識経験者の団体その他の医療関係者、医療保険者等の関係者との協議の場を設け、地域医療構想の達成の推進に必要な事項について、協議を行うものとすること。(第三十条の十四第一項関係)」とあり、圏域ごとの推進体制が必要である。医療計画に関する厚労省医政局通知(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/iryou_keikaku/dl/tsuuchi_iryou_keikaku.pdf)p36「圏域連携会議は、各医療機能を担う関係者が、相互の信頼を醸成し、円滑な連携が推進されるよう実施するものである。その際保健所は、地域医師会等と連携して当会議を主催し、医療機関相互または医療機関と介護サービス事業所との調整を行うなど、積極的な役割を果たすものとする。」とあることから、保健所が重要な役割を担うのは間違いない。
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胃ろうに係る評価見直し

2014年03月11日 | Weblog
今回の診療報酬改定資料(http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000039891.pdf)p133~p135の胃ろうに係る評価見直しは理解しておきたい。日本老年医学会(http://www.jpn-geriat-soc.or.jp/)から「高齢者ケアの意思決定プロセスに関するガイドライン ~人工的水分・栄養補給の導入を中心として~」(http://www.jpn-geriat-soc.or.jp/guideline/index.html)が出ているが、マスコミで報道されるようになって、胃ろうに関する社会的関心も高まったように感じる。昨年、「九州大学病院 終末期/末期状態における延命治療中止に関わるガイドライン」(http://www.hosp.kyushu-u.ac.jp/iryo/pdf/guidelines.pdf)、通知「終末期医療の決定プロセスに関するガイドラインについて(周知依頼)」(http://www.roken.or.jp/wp/wp-content/uploads/2013/07/539d067291ae6f92aeefb95eb46a952f.pdf)が発出されているが、医療・介護従事者だけではなく、住民への普及啓発が重要と感じる。とにかく、「胃ろう=終末期」ではないことは認識したい。今回の診療報酬改定での経口摂取回復促進加算や胃瘻抜去術技術料の新設は注目される。胃ろうの代わりに中心静脈栄養が実施されるようではいけないであろう。
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糖尿病3分間ラーニング

2014年03月11日 | Weblog
保健指導リソースガイド「いつでも、どこでも動画で学べる「糖尿病3分間ラーニング」公開」(http://tokuteikenshin-hokensidou.jp/news/2014/003443.php)が公開された。「糖尿病3分間ラーニング」(http://www.dm-net.co.jp/3min/)は普及啓発には最適のように感じる。そういえば、情報通信白書(http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h25/pdf/index.html)(http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h25/pdf/n2300000.pdf)p250によると、平成24年末におけるインターネット利用率は、60~64歳で71.8%、65~70歳で62.7%、70~79歳48.7%である。p250「ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)についても、若年層に比べ高齢者の利用が進んでいない」というが、高齢者のネット利用が急速に伸びており、団塊世代では大きく変わるように感じる。p249「アクティブシニア」は普遍化したい。「超高齢社会におけるICT活用の在り方」(http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h25/pdf/n2300000.pdf)には目を通しておきたい。
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母子保健指標

2014年03月11日 | Weblog
2月26日の全国児童福祉主管課長会議(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000038697.html)の資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11901000-Koyoukintoujidoukateikyoku-Soumuka/0000038683.pdf)p349に都道府県別の主な母子保健指標等(平成24年度)が出ている。20歳未満の人工妊娠中絶実施率(女性人口千対)は福岡県11.3~奈良県3.0のように、かなり幅があることは知られているであろうか。一方で、p343「不妊に悩む方への特定治療支援事業の充実」、p346「不育症に対する支援」は推進したいものである。
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食品表示偽装の行方

2014年03月11日 | Weblog
東京新聞「メニュー不当表示の規制強化へ 景表法改正案を閣議決定」(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2014031101001560.html)。<以下引用>
<政府は11日、外食メニューなどの不当表示の規制を強化する景品表示法改正案と、悪質業者による高齢者らの被害防止策を盛り込んだ消費者安全法改正案を、いずれも閣議決定した。両法案は合わせて審議される。景表法改正案は、全国のホテルや百貨店などで相次いだ食材の虚偽表示問題を受け、業者に不当表示をやめさせる措置命令を、これまでの消費者庁に加えて都道府県も出せるようにする。経済産業省や農林水産省などの官庁に所管業界を調査、指導する権限を付与し、業者には、メニューなどの表示を点検する部署や責任者を置くよう指針で義務付ける。>

全国厚生労働関係部局長会議資料(http://www.mhlw.go.jp/topics/2014/01/tp0120-1.html)の食品安全部資料(http://www.mhlw.go.jp/topics/2014/01/dl/tp0120-07-01d.pdf)p10「平成25年、一連の表示偽装問題に関連し、成形肉と知らせずにステーキ(一枚肉を焼いた料理)として提供している飲食店があった。また、いわゆるローストビーフ(特定加熱食肉製品)に、食品衛生法に基づく規格基準において用いてはならないとされている成形肉を使用していた事例も発生した。」とあった。警察庁「平成25年中における生活経済事犯の検挙状況等について」(https://www.npa.go.jp/safetylife/seikeikan/h25_seikeijihan.pdf)p15では、食品の産地等偽装表示事犯は14件であったが、法改正後の動向が注目である。ところで、警察庁「平成25年中における生活経済事犯の検挙状況等について」(https://www.npa.go.jp/safetylife/seikeikan/h25_seikeijihan.pdf)に出ている検挙事例について、p15「焼肉店経営者らによる牛生レバー提供に係る食品衛生法違反事件」、p17「訪問販売業者らによる無許可製造医療機器の販売に係る薬事法違反及び特定商取引法違反事件」、p18「有料老人ホーム運営会社役員らによる詐欺及び医療法違反事件」、「内科診療所院長らによる診療放射線技師法違反、保健師助産師看護師法違反及び詐欺事件」、「犬の調教師らによる犬の不正輸入に係る偽造有印私文書行使事件」等は保健所職員も知っておきたい。
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病床機能報告制度と医療機能情報提供制度

2014年03月11日 | Weblog
3月3日の平成25年度全国医政関係主管課長会議(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000039688.html)の資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000039685.pdf)p9に出ているように、「病床機能報告制度の創設」の施行は平成26年10月1日である。p11には、一般病床及び療養病床について、「高度急性期」「急性期」「回復期」「慢性期」の「医療機能及び提供する医療の具体的内容に関する項目を報告することとする。」とある。単に「高度急性期」「急性期」「回復期」「慢性期」の区分だけではない。具体的な報告については、厚労省「病床機能情報の報告・提供の具体的なあり方に関する検討会」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000008zaj.html#shingi127371)で検討されている。2月26日の検討会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000038284.html)では、「病床機能報告制度における医療機関からの報告方法について(案)」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000038279.pdf)、「病床機能報告制度における具体的な報告項目について(案)」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000038280.pdf)、「報告項目(案)(未定稿)」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000038281.pdf)が出ているのでみておきたい。これらをみると、病床機能報告制度は、医療法(http://www.ron.gr.jp/law/law/iryouhou.htm)第六条の三による医療機能情報提供制度に類似するものであることがわかる。「病床機能報告制度における医療機関からの報告方法について(案)」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000038279.pdf)にあるように、具体的な医療の内容に関する項目の報告は、レセプト情報をもとに、既存のレセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)の枠組みが活用される予定で、医療機関にはあまり負担がかからないように配慮されるらしい。さて、医療機能情報提供制度(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/teikyouseido/index.html)は、国の実施要領(http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/teikyouseido/dl/youryou.pdf)はあるが、都道府県によって項目がバラバラであり、最近の診療報酬改定にも対応できていない。病床機能報告制度(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000008zaj.html#shingi127371)の創設を樹に、医療機能情報提供制度(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/teikyouseido/index.html)を改善できないものであろうか。以前、厚労省「医療機能情報集約システム経費」(http://www.mhlw.go.jp/seisaku/jigyo_siwake/dl_rv3/039a.pdf)では、「病院等から各都道府県に提出された医療機能情報について、各都道府県から厚生労働省に電子媒体で提出させ、当該情報を集約し、データベース化する」とあったではないか。
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