友々素敵

人はなぜ生きるのか。それは生きているから。生きていることは素敵なことなのです。

他人に対する優しさや寛容さがあれば

2022年03月01日 17時45分17秒 | Weblog

 朝早くからカミさんはゴルフに出かけた。テレビを見ながらひとりで朝食を取った。洗濯をしたり洗い物を片付けたり、家事を終えて読みかけの本を手に取った。車はあるからお昼はどこかで外食にしよう、そう思っていたのに、昼近くになって雨が降ってきた。

 雨が強くならないうちにと、燃えるゴミを集積所へと運ぶ。雨を見ていたら外出する気分が萎縮してしまった。昼食にフレンチトーストとサラダを作り、テレビを見ながらひとりで食べた。食べ終わって再び読書に専念した。読んでいるとますます怖くなる。

 山田詠美さんの『つみびと』を読み終えた。重い重い小説だった。祖母と母と子どもを灼熱のマンションに閉じ込め死なせてしまった私の、3代の母親が受けた暴力と絶望の日々が延々と繰り返される。どうしてこんな悲劇が生まれてしまうのかと苦しくなる。

 その原因、それは必ずしも1つではなく、複雑に重なり合っていると思うけれど、山田詠美さんはコツコツと小説を展開しながら探っていく。本当に胸が苦しくなる。もう止めようと思うけれど、いや、最後まで読まなくてはという気持ちにもなる。

 男性作家ではこうした小説は書けないだろうと思った。罪の要因である男の、身勝手な価値観や解釈で、女を追い込んでいることに気付くことは出来ないだろう。吐き気がするような呪われた運命は、しかし、どう見ても周りの大人にも責任はある。

 人の力では解決できないことが確かに存在するが、それでも人に他人に対する優しさや寛容さがあれば、いくらかでも良い方へ向かうだろう。ウクライナに侵攻したロシア、両軍がとりあえず停戦することを願うばかりだ。


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