朝、8時半に家を出て、空港の横の映画館に向かった。上映は9時15分からだが、開場を待つ人が並んでいる。アニメ映画を観に来ている、家族連れが多いようだ。私たちが観に来たのは、江南市を舞台にした映画『春の香り』である。
真っ先に席に着いたので気が付かなったが、終わって見ると夫婦や友だちと来ている人たちがいた。重い映画だった。脳腫瘍で苦しむ少女とその家族の、実話に基づく映画だそうだ。江南市の風景が出てくるのかと思ったが、木曽川沿いの桜や名鉄の江南駅など、見覚えがある程だった。
映画は病魔との闘いで、家族が崩れそうになりながら耐えていることに重点が置かれていた。少女は小学校の時に発症し、普通学校へ行けずに支援学級に通っている。漫画を描くことが好きで、自分でストーリーも考えながら、スケッチブックに漫画を描いている。その中でか、現実にか分からないが、素敵な男の子に恋していく。
けれど、発作が起きると家族でも手に負えなくなる。病院で診てもらっているが、医師も完治は出来ないと言う。江南市で大きな病院と言えば、江南厚生病院だが、あの病院に脳外科があったのかと思いながら観ていた。
それにしても重症患者を抱える家族の「幸せ」って何だろう。映画では、「家族で居られて幸せ」というセリフがあったが、病気の少女もその世話をする家族も、疲れ果てている。「本音を言って」と姉は言うが、本音を出せば家族は崩壊する以外ない。どうすればよいのか、答えは出てこない。
重い気持ちで、大縣神社の梅まつりを観に行った。昨日までの強風で散ってしまっていないかと心配だったが、見事に咲いていた。恋人とあるいは夫婦で、幼い子を連れた家族で、賑わっていた。まだまだ蕾の梅もあり、今月中は見られそうだ。これまで来た中で、今日が一番見事だった気がする。
「幸せ」って何だろう。花を背に写真に納まる男女は、幸せそのものに見えるけれど、本当のところは分からない。自分が幸せと思えば、それが幸せなのだろう。
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