カミさんの友だちが通う絵画教室の作品展が、「はるひ美術館」で行われているので見学に出かけた。「はるひ美術館」は、図書館とみどりの広場の3つを組み合わせた公園にあるユニークな建物だ。広場は子どもたちの遊び場だが、能舞台のような設計になっている。
美術館の右手で絵画展が、左手の奥で写真展が開かれていた。絵画展の作品は水彩画とアクリル画それに油彩画だった。皆さんそれぞれにいい絵を描いている。指導しているのは二科の人で、「的確な指導が嬉しい」と言っていた。
写真展も観て来たが、こちらも二科の写真家が教えているようで、レベルは高い。いい指導者、いい友だちに出会うと作品も向上する。私は昔、せっかくのチャンスを棒に振ったことを悔やんだ。教師になり、個展も開き、作家として腕を磨こうと張り切っていた時、既に名前の知れていた大学の先輩から、「一緒にインドへ行かないか」と声がかかった。
戸惑っていると、「インドへ行けば、きっと何かを学ぶことがあるよ」と言われた。インドに興味はあったのに、組合の仲間は私が活動を放棄して作家に専念することを快く思っていなかった。あの時、インドへ行く決意をしていたなら、全く違う人生を歩むことになっただろう。
絵を楽しんで描いている人たちが羨ましい。絵筆を長い時間握っていると私の手は痛みが生じる。多分、脳が「おまえは終わったのだ」と言い聞かせるのだろう。趣味で描けばいいのではと思うが、それを許さない何かが働く。いや、我が人生に悔いはない。充分に生きて来たし、充分に楽しんで来た。
長女一家は「午後から映画を観に行きます」とメールして来たが、どんな映画を観に行ったのだろう。4月から高校生になる下の娘に甘すぎないかと思いながら、親はそういうものだろうと納得している自分に気付く。いつまでも矛盾が付きまとう。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます