テレビでは各局が揃って天皇の退位を報じ、美智子皇后との60年間を特集していた。1959年4月10日の成婚パレードは、家のテレビで観ていた。白黒テレビであったが、美智子さんの笑顔はとても美しく上品だった。結婚のきっかけは軽井沢でのテニスだったが、どういう訳かは知らないが、戦後を象徴するように各地にテニスコートが出来ていて、私の中学校でもテニス部は人気だった。
短いスカートをヒラヒラさせながらコートを走る姿が、男の子にはたまらなかったのだろう。私は見たかったのに、見ること自体が恥ずかしくテニスコートに近づけなかった。大学で知り合った女性はテニス部で、一度は試合を観に行きたいと思いつつ実現しなかったが、カミさんにすることには成功した。
成婚パレードには多くの国民が熱狂した。1989年、皇太子は天皇となり美智子さんは皇后となった。平成の始まりである。おふたりは皇室のあるべき姿を、模索し実行してみえた。これまでの皇室の慣例にとらわれないスタイルは非難を浴びたが、国民の多くが天皇陛下と美智子皇后に一層の敬愛を示すことになっていった。おふたりへの熱烈な歓迎ぶりがよく表している。
おふたりが作られた象徴としての天皇・皇室の在り方は、皇太子と雅子さんへ受け継がれていくだろう。苦しいことや嫌なことがあれば、それを発露されてもいいのではないかと思う。皇室がなくなったとしても、国民はそれを静かに受け止めるだろう。それくらいの心の広さは国民も持てるようになってきた。
みんなが幸せであるために、誰かを犠牲にすることはあってはならない。トランプ大統領は「アメリカ ファースト」と言うが、自国の利益ばかり求めたら相手の国はどうなるのか。相手の国にも人々は生活している。みんなが幸せになる道を探り出すのが政治であり、人がなすべきことだと思う。明日から令和となる。明日から次女一家がやって来る。次女のダンナと新元号を祝して一杯やろう。
明日からはしばらくブログは休むことになりそうだ。