暑い。疲れた。市内の小さな町内会の夏祭りに参加して3年目、今年は特に暑かった。祭りが始まるのは午後5時だが、準備もあって8時に集合し、軽トラックを借りてきて道具を載せ、祭り現場に行く。すこし、動くだけで汗が滴り落ちる。午後3時に女性軍と子どもたちを迎えに行き、それぞれが担当するメニューの準備にかかる。私たちのグループの名物、鮎の塩焼きの担当者はもう炭火を起し、鮎の串刺しを始めている。
余りの暑さは夕方になっても、陽が落ちて暗くなっても、少しも変わらない。暑さのせいなのか、人がなかなか集まってこない。「今年は凹むなあー」と話していると、いつの間にか狭い広場に人が繰り出して来ていた。「やっぱり、暗くならないと祭り気分にならないのかな」と先輩は言う。会場を見回すと、小学校の高学年から中学生が一番多い。その次は小さな子どもをつれた親子で、どこの祭り会場でも見られる年齢構成だ。
日進市の高校生による高齢者の殺害事件が新聞に載っていた。昨日は「小遣いもらえず不満か」の見出しで、少年が友人に預けたサバイバルナイフに殺害された高齢者のDNAが付着していたこと、刃の形が遺体の傷口とほぼ一致したことが書かれていた。記事でビックリしたのは、ナイフで人を殺害する方法をインターネットで調べていたことや、捜査が自分に及んだ場合に備え、警察の追及をかわす想定問答を準備していたことだ。
凶器に使ったサバイバルナイフを友人に預けたり、返り血を浴びたシャツやズボンを隠し、同じものを新しく買うなど、稚拙な証拠隠滅を図っている。また、今朝の新聞は「夕飯のことで叱られた」の見出しで、夕飯を全部食べたのに、捨てたのではないかと言われたと、「家族と仲が悪く、ストレスがたまっていた」ことの中身に触れていた。そして犯行後は、強盗殺人などの罪の重さや少年法の刑事手続きなどもインターネットで調べていたとある。
両親が離婚したために祖父母と叔母の家に預けられた少年は、祖父母の真面目に育てなければという思いが重りになっていたことだろう。悩みを話す家族はいないばかりか、何かにつけて「指導」され続けてきたに違いない。思春期から青春期へと育っていく肉体と心の変化を受け止めるには祖父母では無理がある。愛情が憎悪のように少年は感じられただろう。人の心に寄り添うことは難しい。