友だちが三越星ヶ丘店で開かれている『魔法の絵画展』のチケットをくれたので行って来た。絵画展とあるけれど、観るものではなかった。カメラの位置が印してあるから、何だろうと思っていると、子どもたちが作品の前とか中に立ち、親が「もう少し、右に寄って、手を広げて」とか言ってカメラのシャッターを押している。カメラの位置が印してある場所に立つと、まるで恐竜の口の中にいるように、あるいは空を飛ぶじゅうたんの上に立っているように見えるのだ。
絵は描いたものだが、プリントして拡大したり、曲げたりして、それがある点から見ると立体的に見えるように作られている。作品の中に立ちあるいは寝そべると、その空間の中にいるように見えるから、みんなが写真を撮っている。恋人同士であろう男女も、互いにモデルをしながら写真を撮ってはその出来上がりにキャーキャー喜んでいた。7月に6歳になる孫娘を連れて来てやれば、きっと得意の顔でポーズをするだろうが、連絡が取れなかった。
以前、我が家のあるシャガールの絵本に興味を示し、何度も開いていたので、美術館で開かれた『シャガール展』へ連れて行ったけれど、全く関心がなかった。この『魔法の絵画展』なら連れて来てもよかったかも知れない。ただ、まだひとりで我が家へ来ることは出来ないし、ママがいないと泊まることも出来ないだろう。お転婆であるとはいえ、それは両親の前だからで、まだまだ内弁慶な孫娘である。
私がひとりで母の実家に出かけたのは小学校の4年か5年の頃だった。バスに乗り、国鉄に乗り換え、次に私鉄の駅まで歩き、私鉄の終点まで行き、再びバスに乗り、バス停から歩いて30分はかかった。バス停から5分くらいのところに母の妹の家があり、そこには私よりも3つくらい年上の男の子がいたので、母の実家に行かずに叔母の家に行っていた。小学校の2年か3年の頃、姉のダンナの実家まで子どもの自転車に乗って出かけたこともある。私鉄の線路に沿って行けば着けると思って出かけたが、どうやって辿り着けたのか覚えていない。
私は結構ひとりで行動したけれど、2つ年下の妹はひとりで出かけることはなかった。名古屋の姉の家に泊りがけで行く時も私と一緒で、ひとりということはなかった。女の子はそういうものなのかも知れない。今朝、チューリップを全部引き抜いた。腰が痛い。情けないほど身体はいうことを利かない。