仙台の次女が出産のために里帰りしてくる。そのため、長女らが住んでいた隣りの家で暮らせるようにと準備している。隣りの家は長女が再婚して出て行ってから、空き家になっている。本当はリフォームして、私の事務所にする予定だった。しかし、長女たちの用品がほとんどそのまま残っているので、それを片付けないと事務所にも生活する場にも出来ない。けれど、首長にはなれなかったので、リフォームする気力が失せそのままになっていた。
まさか次女が出産で帰ってくることになろうとは思わなかったが、こういうことでもなければ室をリフレッシュしようとも思わなかっただろう。私は貯金を使って本格的にリフォームしたかったけれど、「そんなにお金をかけて、どうするの?あの子はせいぜい3ヶ月くらいしかいないのよ」とカミさんから叱咤され、自分のお金を持たない私は「わかった」としか言えない。宝クジでも買っておけばよかったなどと馬鹿なことを夢見る。
長い間、人が住まない家は悪くなるというが、全くその通りだった。トイレの便器から水漏れがするので、これはどうしても新しくしなければならない。便器を取り替えるだけでなく、壁紙も照明も新しくしたかったけれど、「それはもったいない」となった。台所のガス台は35年前のものだから新しくする。その時も、システムキッチンそのものを取り替える案もあったけれどダメだった。しかし、蛇口はひどく汚れていたのでこれは取り替えることなった。
システムキッチンを新品にすると65万から85万くらいかかるが、ガス台と蛇口だけの取り換えにしたので25万で済んだ。いろんなところがきれいになると逆に古いところの汚れが目立ち、ますます全室をリフォームしたくなる。「あなたは現実も見ずに夢ばかり見るのね」と嫌味が飛んで来そうだ。次女が里帰りするので、ダンナはもちろんダンナの両親もこちらへみえる。少しはキレイにしておきたい。私のささやかな見栄である。
40歳の次女は初産なので、私としては高齢出産が一番心配だ。次女は長女の働いている病院で出産するが、それも長女が新生児治療の看護師だから安心なのだろう。小さな時から、私たち親よりも姉を一番頼りにしていたが、この歳になってもそれは変わらないようだ。