しをり戸

ささやかな庭の山野草と
散歩・旅で出会った草木。 
季語・拙い俳句、
折々の写真などの記録です。

シラネアオイ ( 白根葵 )

2011-04-21 |  4月 の花たち

                           ↑ 2011/04/11 撮影

[ キンポウゲ科シラネアオイ属の多年草 ]

日本固有種の1属1種で、
北海道~本州中北部以北の日本海側にかけ、
山地の広葉樹林の林床や林縁に自生します。
草丈は、15~60cm。
茎は、根茎から直立し、緑色でやや軟質、
枝分かれしません。
葉は、掌状に7~11中裂し、
幅10~20cm、縁に鋸歯があります。
茎の基部に鱗片葉が数枚、中部以上に柄を持つ葉が2枚互生し、
上部に柄の無い小形包葉1枚が付きます。
花期は、5~7月。
茎頂に、径5~10cm、
花弁状のガク片4枚の花を単生します。
ガク片は楕円形または広いさかさ卵形で
長さ5~6cm幅3~4cm、薄質です。
雄シベ多数と雄シベより短い2本の雌シベを持ちます。
淡青紫色~紅紫色の花や白花などが見られ、
白色を咲かせるものをシロバナシラネアオイと呼びます。
果実は、袋果で、熟すと縦に裂け、
扁平な広翼のある多くの種子を出します。
名は、花の姿がタチアオイに似ていて、
日光の白根山に多く見られので付いたそうです。
別名;ハルフヨウ(春芙蓉)・ヤマフヨウ(山芙蓉)

今年は例年より早く咲き出しましたが、
全体に小さめです。


2011/04/02 撮影
2011/04/04 撮影
2011/04/07 撮影
2011/04/08 撮影
2011/04/09 撮影
2011/04/10撮影
2011/04/11 撮影
2011/04/11 撮影
2011/04/12 撮影
2011/0413 撮影
2011/04/13 撮影
2011/04/16 撮影
2011/04/17 撮影
2011/04/19 撮影



< 2010 年 >
去年のことですが、
以前7月の月山で出合った
白根葵の苗を園芸店で見つけました。
うれしくなり、さっそく求めて植えたところ、
大きな花を咲かせ種も付けました。
今年も元気で美しい花が咲きました。

  2010/04/20  撮影


< 2009 年 >
2009/04/? 撮影


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アケビ ( 通草 )

2011-04-21 |  4月 の花たち

                                                                              ↑ 2011/04/13 撮影

[ アケビ科アケビ属の蔓性落葉低木 ]

日本では、本州~九州にかけて、
日当たりのよい平地や山地の藪や林に自生します。
樹高は、蔓の長さで10~15m。
茎はつるになり、
他物に巻き付いて長く伸び、
古くなると木質化します。
葉は、長い柄を持ち、楕円形の小葉が5枚掌状につく複葉で、
単枝に束生し1年生のつるには互生します。
表面は濃緑色、裏面は淡緑色、
両面ともに無毛で縁は全縁です。
雌雄同株。
花期は、4~5月。
花は淡紫色で、
葉の間から総状花序に垂れ下がります。
花弁はなく、花弁状に見える3枚のガク片を付けます。
花序の先の方に小型の雄花を多数付け、
基部に大型の雌花を少数付けます。
果期は、9~10月。
果実は、長楕円形で長さ7~10cm、淡紫色に熟して
縦に一方が裂開します。
近縁のミツバアケビは、
卵形の小葉3枚、花は小さく濃紫色で、
果実はやや大きく、アケビより甘味が多く美味です。
ゴヨウアケビは、
アケビとミツバアケビの雑種と思われ、
小葉5枚で葉縁に鋸歯があります。
アケビのつるは強靭なので、
皮をはいで、籠や椅子・バスケットなどを作る材料に使われます。
アケビ細工はミツバアケビが適しています
通草の新芽をキノメと呼び、
塩茹でしておひたしや和え物にします。
熟した実の果肉は、白く半透明で甘さがあり生食しますが、
甘い果肉に含まれている黒い種子には、
苦味があります。
果皮にはほろ苦さがあり、味噌炒め・揚げ物などにします。
茎を生薬名で木通(もくつう)と言い、
アケビの実は木通子(もくつうし)と言います。
木通子(もくつうし)は、利尿剤としての薬効があります。
名は、実の色から「朱実(あけみ)」、
果実が熟すと口を開けるところから「開け実」
などという説があります。
別名:山女(ヤマヒメ)・アケビカズラ・キノメ


2011/03/23 撮影・・・つぼみ
2011/03/31 撮影
  2011/04/11  撮影
  2011/04/13  撮影
2011/04/17 撮影


< 2010 年 >
あけびは淡紅紫色の花を付けますが、
その色合いは、木によってまた年によって
多少の違いが見られるように思います。
自然教育園の花は、色のグラデーションがすばらしく、
いつも行く公園の花は白が強めで、
草庭の花は紅がかっていると思います。
どの色でも可愛いらしくよい香りがします。
草庭のあけびも毎年よく咲くのですが、
まだ実を付けたことがありません。

2010/04/18 撮影


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ウラシマソウ ( 浦島草 )

2011-04-20 |  4月 の花たち

                           ↑ 2011/04/20 撮影

2011/04/19 撮影

[サトイモ科テンナンショウ属の多年草;毒草]

北海道~九州にかけて、
平地から低山地の樹林内や林縁・竹藪などにしばしば群生します。
草丈は、40~50cm。
球茎は、多数の子球(子いも)を付け繁殖します。
葉柄は、多肉で長く、
葉は、1枚で花序よりも高く伸び、烏足状に深裂し、
11~15片ほどの小葉に分かれています。
小葉は、倒披針形または広倒披針形で先がとがり、
中央の小葉が最も大きく、
両面とも毛はありません。
雌雄異株で、性転換を行うことで有名です。
花期は4~5月。
花柄は、葉柄の基部から出て、
先端に紫褐色の仏炎苞と呼ぶ大きな苞葉を出し、
肉穂花序を包みます。
花序の付属体の先端部が細く直立して伸び、
長さ60cmほどのつり糸状に垂れ下がります。
仏炎苞の内側には白い模様があります。
果実は液果で、秋に赤く熟します。
類似種の、
ナンゴクウラシマソウは
本州中国地方~九州に分布します。 
ヒメウラシマソウは九州に分布し、
花柄は、葉柄の基部から出ていて長さ5~15cm、
仏炎苞の内側にT字形の白い模様があります。
名は、花序の付属体が長く伸びて垂れ下がった様子を
浦島太郎の釣り糸に見立てて付いたということです。
別名;オオウラシマソウ

テンナンショウ属の仲間は毒草です。
特有の仏炎包を持つ花は地味ですが、
存在感があります。

2011/03/31 撮影…芽生え
2011/04/05 撮影
2011/04/08 撮影
2011/04/08 撮影
2011/04/09 撮影
2011/04/10 撮影
2011/04/13 撮影
2011/04/15 撮影
2011/04/17 撮影



<  2010 年  >
2010/04/11 撮影


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シロヤマブキ ( 白山吹 ) 

2011-04-20 |  4月 の花たち

                             ↑ 2011/04/22 撮影

2011/04/21 撮影

[ バラ科シロヤマブキ属の落葉小低木 ]

日本では、岡山県・広島県の山地に自生します。
樹高は、約2m。
地下茎を伸ばして増え、束生し、
若枝は緑色でやがて褐色となります。
葉は、短い柄を持ち、卵形で先が尖り、
基部は円形または心形、
縁に鋭い重鋸歯があり、葉脈のしわが目立ち、
裏面には絹毛が密生し、
単葉で対生します。
花期は、4~5月。
小枝の先に径3~4cm、白色の花を1個ずつ付けます。
両性花で、やや大きく丸い4枚の花弁を持ちます。
雄シベは、黄色で多数付き、
ガク片は4枚で、副ガクが付きます。
果実は痩果で、黒い光沢のある実を4個付け、
葉が落ちてもしばらく残っています。
観賞用として栽培され、庭木などに広く用いられます。
名は、姿がヤマブキに似ていて、
白花をつけることから付いたそうです。

白山吹は姿が山吹と似ていますが、
別の属に分類されます。
主な違いは、
山吹は花弁やガクが5枚で葉が互生し、
白山吹は花弁やガクが4枚で葉が対生です。


2011/04/02 撮影
2011/04/17 撮影
2011/04/17 撮影
2011/04/17 撮影
2011/04/20 撮影


<  2010 年  >
40年も前に、
お隣のおばあちゃまから戴いた白山吹が、
今年も咲き出しました。

2010/04/19 撮影

2010/11/21 撮影…黒い実


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田島ヶ原の桜草 と 武蔵丘陵森林公園・・・ 「埼玉県さいたま市と比企郡 」 < 4月 >

2011-04-18 |  雀の足あと ・・ 春

                 ↑ 2011/04/14 撮影…サクラソウとノウルシ

 田島ヶ原の桜草 
「田島ヶ原サクラソウ自生地」は、
さいたま市さくら草公園内にあります。
荒川の秋ヶ瀬橋の南側の河川敷に広がり、
北側は秋ヶ瀬公園に接します。
広さが約4.1ヘクタールの草原で、
150万株のサクラソウをはじめ約250種の植物が生育し、
国の特別天然記念物に指定されています。

ノウルシの黄色とサクラソウの紅色の群落、
それにサクラも咲いていて、見事な眺めでした。
散策の足を止めながら、
今日の野草との出会いをゆっくり楽しみました。

            2011/04/14 撮影


…サクラソウ





…ノウルシ



…アマドコロ

…白花サクラソウ




国営武蔵丘陵森林公園 ( こくえいむさしきゅうりょうしんりんこうえん ) 
武蔵丘陵森林公園は、
埼玉県比企郡滑川町と熊谷にまたがる比企北丘陵にあり、
国の明治百年記念事業の一環として開設されました。
東西約1km、南北約4kmの敷地は
東京ドームの約65倍ほどの広さがあり
総面積304ヘクタール程の広大な自然公園です。
園内は、クヌギ、コナラ、アカマツなどの豊かな雑木林に覆われていて、
山田大沼、西田沼、あざみくぼ沼などのたくさんの池があります。
動植物や野鳥の宝庫でもあり、多様な種類の生物が生息しています。

南口改札から入園し、桜・梅の花木園をとおり、
あざみくぼ橋を渡って野草コースを散策し、
やまゆりの小径をとおり都市緑化植物園で休憩。
カエデ園・針葉樹園をとおり、中央口改札へ。
期待していた熊谷草の花はまだ咲いていませんでしたが、
丘いちめんに蒲公英、道々には菜の花・雪柳・連翹などが豊かに咲き、
色々な山野草にも出会うことが出来ました。
四季を通じて何度でも訪れたいと思う公園です。

…南口広場

…ヤマザクラ

…ソメイヨシノ

…ユキヤナギ

…カイドウ

…チョウセンレンギョウ

…ナノハナ

…クヌギの花

…ミヤマウグイスカグラ

…リュウキンカ

…スミレ

…キジムシロ

…ヤマツツジ

…ワラビ

…ツバキ「 紅唐子 」

…フデリンドウ

…センボンヤリ

…白花トキワイカリソウ

…ヒトリシズカ

…トキワイカリソウ

…シュンラン

…シライトソウ

…キクザキイチゲ

…ヤマブキソウ

…スミレ



…ニリンソウ

…ヤブレガサ

…ゼンマイ …ゼンマイ



…シデ

…ヤマザクラ

…ムスカリとチュウリップ

…ミツバツツジ


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片栗の花 ( かたくりのはな ) <季> 初春

2011-04-16 |  春の草木 の 俳句

◉  堅香子の花 (かたかごのはな)・ぶんだいゆり・かたばな・うばゆり・はつゆり

日洽し片栗の葉に花に葉に ・・・・・ 石井露月 [露月句集]
片栗の一つの花の花盛り ・・・・・ 高野素十 [野花集]
かたくりは耳のうしろを見せる花 ・・・・・ 川崎展宏 [観音]

春の代表的な草花の一つで、
落葉樹林などの半日陰の傾斜地などに群生しています。
一対の葉を広げて、長い花茎の先に、
紅紫色の6枚の花弁が反り返った独特の花を1つ下向きに付けます。
うつむいて咲く姿は可憐で印象的な花です。
万葉集に「もののふの八十をとめらが汲みまがふ寺井の上の堅香子の花」と
詠まれている「堅香子(かたかご)の花」は、
「片栗の花」のことと言われています。
葉を一枚しか出さない株も多く、片葉鹿子が転じて、
堅香子の古名が付いたそうです。
鹿子とはと葉の白っぽいまだら模様を指します。
春に芽を出し、花をつけ、結実したあと
夏までに地上から姿を消し、
その後は地下で過ごします。
「春の儚い命」に例えられる草花、
「春植物(スプリング・エフェメラル)」 の1つに数えられます。

  [ ユリ科カタクリ属の多年草 ]

ひと佇てばひとの翳片栗の花 ・・・・・ みなみ

カタクリ (片栗)
日本では、北海道~九州、
山地の落葉樹の林内や縁の草地、北側斜面などに
群生します。
草丈は、10~20cm。
地下深くに円柱形の鱗茎(りんけい)を作ります。。
鱗茎から長い葉柄をだし、1~2枚の葉を広げます。
葉は厚く、淡緑色の長楕円形・無毛で、
通常表面に紫と白の斑紋があります。
花期は、4~5月。
鱗茎より1本の花茎を出し、
茎頂に紅紫色の花を1個、下向きに付けます。
花径4~5cm、花被片6枚で強く反り返り、
基部の近くにW字形をした濃紫色の紋があって、
その下に蜜腺があります。
花後、さく果を結び種子を散布して
地上部は夏までに枯れ、
地下の鱗茎が残ります。
日本に分布するのは1種と言われます。
鱗茎から良質の澱粉がとれ片栗粉を作りますが、
現在市販の多くはジャガイモの澱粉です。
葉・茎・花・鱗茎の全草が食べられ、
若葉を茹でておひたしなどにし、
また鱗茎をそのまま煮て食します。
名は、根の鱗片が栗の片割れに似ていることから付いたそうです。
古名 : カタカゴ(堅香子)
別名 : カタコ




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カタクリ ( 片栗 )

2011-04-16 |  4月 の花たち

                                   ↑ 2011/04/10 撮影

2014/03/23 撮影

[ ユリ科カタクリ属の多年草 ] 

日本では、北海道~九州、
山地の落葉樹の林内や縁の草地、北側斜面などに
群生します。
草丈は、10~20cm。
地下深くに円柱形の鱗茎(りんけい)を作ります。。
鱗茎から長い葉柄をだし、1~2枚の葉を広げます。
葉は厚く、淡緑色の長楕円形・無毛で、
通常表面に紫と白の斑紋があります。
花期は、4~5月。
鱗茎より1本の花茎を出し、
茎頂に紅紫色の花を1個、下向きに付けます。
花径4~5cm、花被片6枚で強く反り返り、
基部の近くにW字形をした濃紫色の紋があって、
その下に蜜腺があります。
花後、さく果を結び種子を散布して
地上部は夏までに枯れ、
地下の鱗茎が残ります。
日本に分布するのは1種と言われます。
鱗茎から良質の澱粉がとれ片栗粉を作りますが、
現在市販の多くはジャガイモの澱粉です。
葉・茎・花・鱗茎の全草が食べられ、
若葉を茹でておひたしなどにし、
また鱗茎をそのまま煮て食します。
名は、根の鱗片が栗の片割れに似ていることから付いたそうです。
古名 : カタカゴ(堅香子)
別名 : カタコ


2011/03/06 撮影
2011/03/23 撮影…花芽
2011/03/28 撮影
2011/04/02 撮影
2011/04/04 撮影
2011/04/06 撮影
2011/04/07 撮影…朝
2011/04/07 撮影
2011/04/08 撮影
2011/04/09 撮影
2011/04/11 撮影
2011/04/13 撮影
2011/04/13 撮影…これから
2011/04/15 撮影
2011/04/17 撮影
2011/04/19 撮影



<  2010 年  >
テレビや友人などから
片栗の花便りが聞こえ始めた頃、
庭の片栗の蕾はまだ堅かったのですが、
4月に入ってやっと膨らみ出し
花を咲かせました。
片栗は気難しい草花と思っていましたが、
気に入った場所に植えてやれば
比較的に機嫌よく花を咲かせることが解りました。
このところ毎年咲いています。

珍しく八百屋さんで見かけた花付きの片栗を
お浸しにしたら甘みがあり、
美味しく頂きました。

2010/04/11 撮影


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蒲公英 ( たんぽぽ ) <季> 三春

2011-04-11 |  春の草木 の 俳句

                            シロバナタンポポ ・カントウタンポポ

◉ たんぽ・鼓草 (つづみぐさ)・藤菜 (ふじな)・白花たんぽぽ・桃色たんぽぽ・蒲公英の絮 (たんぽぽのわた)・西洋たんぽぽ

たんぽぽに東近江の日和かな ・・・・・ 白雄 [白雄句集]
たんぽゝと小声にいひて見て一人 ・・・・・ 星野立子 [春雷]
たんぽぽの上に強風の村黄なり ・・・・・ 飯田龍太 [童眸]

道端や野原など、どこにでも見られます。
緑色の葉に鮮やかな黄色の花が印象的で、
春の暖かさを感じさせます。
春の野を代表して日本人に親しまれている
明るい花です。
タンポポとは、タンポポ属の総称です。
在来種には、古くから日本に生育している、
エゾタンポポ・シナノタンポポ・カントウタンポポ・
カンサイタンポポ・シロバナタンポポ・などがあり、
地域や生育地によって異なる種が見られます。
古典園芸植物の中の1つでもあります。
外来種には、明治以降に帰化した、
ヨーロッパ原産のセイヨウタンポポ(痩果が褐色)・
アカミタンポポ(痩果が赤褐色)などがあり、
繁殖力が強く、現在ではほぼ日本全国に広がっていて、
一年中見られます。
また、変異の幅が大きいので、
外見からは見分けづらい交雑種もあります。
ロゼット状の葉の間から、花茎をまっすぐに伸ばし、
早春から初夏にかけて、
多くの種では黄色い菊に似た頭花を付け、
朝に花が開き、夕方に花が閉じます。
晩春には、
白い冠毛(綿毛)の付いた種子(蒲公英の絮)が、風に乗って飛びます。
生薬や食用に用いられ、
また中が空の花茎を草笛にして遊びます。

  [ キク科タンポポ属の多年草 ]

しろばなたんぽぽを咲かす老夫婦 ・・・・・ みなみ

友人から戴いた
丈が低く、葉が地面にはりつくような関東蒲公英と、
園芸店で求めた
丈が高く、葉が立つ傾向のある白花蒲公英を、
育てています。
夏は、休眠するので葉が枯れて無くなってしまいますが、
秋には、比較的小さ目なロゼット状の葉が地面を覆い、
冬を越します。
春になると緑色が鮮やかになり、新しい葉が力強く広がります。

カントウタンポポ (関東蒲公英)
日本固有種で、
関東・東海地方の道端や草地などに自生しますが、
数が減りつつあります。
草丈は、10~30cm。
根は、牛蒡状。
根出葉は、倒披針形でやわらかく、羽状に深裂し、
多数ロゼット状に広がります。
花期は、3~5月。
花茎を根出葉の間から伸ばし、
茎頂に頭花を単生します。
頭花は、黄色で径4cm前後、
花弁は黄い舌状花からなり、
中央の花柱部も黄色です。
総包片は、先端に角状の突起があって、
外片は反り返らず内片に着きます。
果実は、褐色の痩果(そうか)で、白色の冠毛(綿毛)が傘状に付き、
果皮が堅く成熟しても裂開せずに、
風によって四散します。
どの種類のタンポポも、
花・葉・根を食用にします。
花をテンプラ・三杯酢など、
若葉をさっと茹で水に晒して和え物など、
やわらかい生の葉をサラダ・油炒めなど、
また、乾燥した根を炒めミキサーかけてタンポポコーヒーに、
と色々利用します。
根を生薬の蒲公英根(ほこうえいこん)として、
健胃・催乳剤に用います。
中が空の花茎を草笛にして遊びます。
名のタンポポは、冠毛が開いて球形となった形が
たんぽ槍の穂に似ていると言う説に、
関東地方を中心に分布することで付いたそうです。
漢字の蒲公英(タンポポ)は漢名からです。

ー在来種と外来種の見分け方 ー
総苞の大きさ、総苞片の形状や長さ、小角突起の状態などで区別します。

・在来種
< カントウタンポポ >
外側の総苞片が反り返らないで内側の総苞片に密着し、
その先にやや発達した小角突起があります。関東に多く、夏に休眠します。


       2013/04/05 撮影

< シロバナタンポポ >
外側の総苞片がやや反り返り、内側の総苞片から少し離れ、
その先に小さな小角突起があります。
花は白色で中心部は淡黄色、関西・四国に多く、夏に休眠します。



       2013/04/05 撮影

・外来種
< セイヨウタンポポ >
外側の総苞片が蕾のときから反り返り、
その先に小角突起はありません。
環境への適応力が強く各地に見られ、夏にも休眠しません。
・ 
 ・
 ・
       2013/04/05 撮影


* 桃色蒲公英
南ヨーロッパ原産のキク科で、
タンポポ属でないクレピス属の耐寒性一年草です。
草丈は30~50cm。
秋にタネをまくと翌年の春に、
株元から多数の茎を長く伸ばし、
茎頂にタンポポに似た淡桃色又は白色の花を付けます。
学名;クレピス・ルブラ、
和名;モモイロタンポポ、
別名;クレピス・センボンタンポポ(千本蒲公英)。



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シロバナタンポポ ( 白花蒲公英 )

2011-04-11 |  4月 の花たち

                                  ↑ 2011/04/02 撮影

2011/04/15

[キク科タンポポ属の多年草]

日本固有種で、
関東地方以西~九州にかけ、
道端や草地などに自生します。
草丈は、15~30cm。
根は、牛蒡状。
根出葉は、倒披針形で縁が羽状に裂け、
ロゼット状です。
葉はやや斜めに立つものが多く、
他のタンポポより幾分大形です。
花期は、3~5月。
花茎は直立し、茎頂に頭花を単生します。
頭花は白色で、径4cm前後、
花弁は白い舌状花からなり、
舌状花は他種と比べて比較的少なめで、
中央の花柱部は黄色です。
総包はやや反り返り、先に小さな突起があります。
果実は褐色の痩果(そうか)で、
白色の冠毛(綿毛)が傘状に付き、
果皮が堅く、成熟しても裂開することなく、
風によって四散します。
全草を食用とし、
根は生薬の蒲公英根(ほこうえいこん)として
健胃・搾乳剤に用います。
名は、冠毛が開いて球形となった形が
たんぽ槍の穂に似ていると言う説に、
花弁が白いから付いたそうです。


2012/03/08 撮影
2012/03/12 撮影


< 2011年 >
2011/03/11 撮影…花芽
2011/03/23 撮影・・・つぼみ
2011/03/28 撮影
2011/04/02 撮影
2011/04/02  撮影
2011/04/02  撮影
2011/04/04 撮影
2011/04/05 撮影
2011/04/05 撮影
2011/04/06 撮影
2011/04/07 撮影
2011/04/07 撮影
2011/04/16
2011/04/16 撮影・・・痩果(そうか)で冠毛
2011/04/17 撮影…ワタの飛んだあと
2011/04/17 撮影
2011/04/17 撮影
2011/04/22 撮影
2011/04/22 撮影




<  2010 年  >
触れれば今にも壊れそう
壊れる前に撮りました
雨より早く風よりもー
ブログに残してあげましょう
2010/04/24 撮影

2010/12/10 撮影…冬の葉


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カントウタンポポ ( 関東蒲公英 )

2011-04-11 |  4月 の花たち

                         ↑ 2011/04/06 撮影

2011/04/15 撮影

[ キク科タンポポ属の多年草 ]

日本固有種で、
関東・東海地方の
道端や草地などに自生しますが、
数が減りつつあります。
草丈は、10~30cm。
根は、牛蒡状。
根出葉は、倒披針形でやわらかく、羽状に深裂し、
多数ロゼット状に広がります。
花期は、3~5月。
花茎を根出葉の間から伸ばし、
茎頂に頭花を単生します。
頭花は、黄色で径4cm前後、
花弁は黄い舌状花からなり、
中央の花柱部も黄色です。
総包片は、先端に角状の突起があって、
外片は反り返らず内片に着きます。
果実は、褐色の痩果(そうか)で、白色の冠毛(綿毛)が傘状に付き、
果皮が堅く成熟しても裂開せずに、
風によって四散します。
どの種類のタンポポも、
花・葉・根を食用にします。
花をテンプラ・三杯酢など、
若葉をさっと茹で水に晒して和え物など、
やわらかい生の葉をサラダ・油炒めなど、
また、乾燥した根を炒めミキサーかけてタンポポコーヒーに、
と色々利用します。
根を生薬の蒲公英根(ほこうえいこん)として、
健胃・催乳剤に用います。
中が空の花茎を草笛にして遊びます。
名のタンポポは、冠毛が開いて球形となった形が
たんぽ槍の穂に似ていると言う説に、
関東地方を中心に分布することで付いたそうです。
漢字の蒲公英(タンポポ)は漢名からです。


2012/03/08 撮影

2011/03/06 撮影…花芽
2011/04/02 撮影
2011/04/02 撮影 
2011/04/04 撮影
2011/04/05撮影
2011/04/05 撮影
2011/04/05 撮影
2011/04/07 撮影
2011/04/07 撮影
2011/04/10 撮影
2011/04/11 撮影
2011/04/15 撮影
2011/04/17 撮影
2011/04/22 撮影  



<  2010 年  >
2010/05/16 撮影

2010/12/10 撮影…冬の葉


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黒文字の花 ( くろもじのはな ) <季> 初春

2011-04-09 |  春の草木 の 俳句

◉ …

黒文字の花のさかりは目立たざる ・・・・・ 五十嵐播水
くろもじの花虔(つつ)ましき山の風 ・・・・・ 山田みづえ [木語]
七十七忌くろもじの黄の花の壺 ・・・・・ 岡井省二

山地から低地の林内に生えます。
若葉と同時に淡黄色の花が咲きます。
葉や枝をちぎると爽やかな芳香があり、
古くから材は小楊枝や箸に使用されます。
  
  [ クスノキ科クロモジ属の落葉低木 ]

くろもじの花夕影のやすらぎに ・・・・・ みなみ

今年も萌黄色の新芽と一緒に
淡黄色の小さな花をたくさんつけました。
昼間のやわらかな緑と黄色の花もいいものですが、
夕方の花明かりにも趣があります。

クロモジ (黒文字)
本州~九州の山地に自生します。
樹高は、2~4m。
枝が多く、幹は直立し時には斜上します。
樹皮は平滑で若枝は緑色ですが普通暗紫色で黒い斑点が見られます。
葉は、柄を持ち、長さ5~9㎝の狭楕円形で両端がとがり、
質は薄く、全縁で、枝の上に互生します。
裏面は帯白色で、まれに軟毛がまばらに生えています。
雌雄異株。
花期は、3~4月。
葉に先立って、または新葉とともに、
葉腋から散形花序を出し、
淡黄色あるいは淡黄緑色の小花を多数付けます。
被片は6片に深く裂け、各片は楕円形で長さ2~3㎜です。
雄しべは9個です。
果期は、9~10月頃。
果実は小球形の液果で、黒く熟します。
枝葉に香気があり、香料の黒文字油がとれ、
枝は小楊枝や箸に利用されます。
名は、緑色の樹皮に黒い斑点があり、
それを文字に見立てたことから付いたそうです。


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クロモジ ( 黒文字 )

2011-04-09 |  4月 の花たち

                            ↑ 2015/04/02 撮影

2011/04/06 撮影

[ クスノキ科クロモジ属の落葉低木 ]

本州~九州の山地に自生します。
樹高は、2~4m。
枝が多く、幹は直立し時には斜上します。
樹皮は平滑で若枝は緑色ですが普通暗紫色で黒い斑点が見られます。
葉は、柄を持ち、長さ5~9㎝の狭楕円形で両端がとがり、
質は薄く、全縁で、枝の上に互生します。
裏面は帯白色で、まれに軟毛がまばらに生えています。
雌雄異株。
花期は、3~4月。
葉に先立って、または新葉とともに、
葉腋から散形花序を出し、
淡黄色あるいは淡黄緑色の小花を多数付けます。
被片は6片に深く裂け、各片は楕円形で長さ2~3㎜です。
雄しべは9個です。
果期は、9~10月頃。
果実は小球形の液果で、黒く熟します。
枝葉に香気があり、香料の黒文字油がとれ、
枝は小楊枝や箸に利用されます。
名は、緑色の樹皮に黒い斑点があり、
それを文字に見立てたことから付いたそうです。

やわらかな緑と淡い黄色の
花明りにも
おもむきがあります。


2015/03/30 撮影
2015/04/02 撮影

2015/04/04 撮影


2015/04/10 撮影


2016/04/16 撮影


2015/04/18 撮影


< 2011 年 >
2011/02/04 撮影…葉芽と蕾
011/03/28 撮影
2011/03/31 撮影
2011/03/31 撮影
2011/04/06 撮影
2011/04/06 撮影 2011/04/09 撮影
2011/04/11 撮影
2011/04/13 撮影
2011/04/16 撮影
2011/04/18 撮影
2011/04/20 撮影


< 2010 年 >
3月の末からぽつぽつと咲き出しました。

2010/06/07 撮影…青い実
2010/07/02 撮影…青い実


< 2008 年 >
2088/04/17 撮影


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タチツボスミレ ( 立坪菫 )

2011-04-08 |  スミレたち

                          ↑ 2011/04/08 撮影

2011/04/08 撮影

[スミレ科の多年草 ]

日本では、
北海道~沖縄にかけ、
山地や丘・道端などに普通にみられ、
群生していることもあります。
草丈は、5~30cm。
地下茎は短く木質化し、
横に這って枝分かれし、株を作ります。
根出葉は、柄を持ち、先のとがった心臓形で、
長さ1.5~2.5cm、幅2~3cm、
茎葉は三角状で、根出葉とほぼ同形です。
托葉は披針形で、細く深裂します。
葉の形の大小や厚さなどには多くの変異が見られます。
有茎種で、葉の間から数本の茎が立ち上がり、
花の時期には5~15cmと短く、
果実時には10~30cmに伸びます。
花期は、4~5月。
茎の先に径2cm前後の5弁花を付け、柄は無毛です。
5弁花は、上部の上弁2枚、左右の側弁2枚、下の唇弁1枚からなり、
唇弁には紫色の筋があります。
花の後方に伸びた距の内部に、蜜腺があります。
花色は個体による変異が多く、
淡青紫~濃紅紫など色々です。
花後、葉腋に閉鎖花が多数付き、実を結びます。
果実は朔果で、熟すと縦に3裂し、
種子をはじき飛ばします。
近縁種には、
花に芳香があるニオイタチツボスミレ・
葉が細長いナガバノタチツボスミレなどがあり、
また北海道や中部地方以北にアイヌタチツボスミレ・
日本海側にオオタチスミレ・テリハタチツボスミレなどが分布しています。
万葉集に詠まれた「つぼすみれ」は、
タチツボスミレではないかと言われています。
名は、坪すなわち庭に生えてるスミレの意から、
また姿がツボスミレに似ていて
茎がやや立つために付いた、
などと言われています。


2011/04/02 撮影
2011/04/05 撮影
011/04/07 撮影
2011/04/12 撮影





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エンレイソウ ( 延齢草 )

2011-04-06 |  4月 の花たち

                                ↑ 2015/03/22 撮影

2015/03/22 撮影

2011/04/06 撮影

[ ユリ科エンレイソウ属の多年草 ]

日本には、
基本種が3種、自然交雑種など5種ほどが
分布しています。
すべて有花梗種です。
北海道~九州にかけて、
山地の林内のややあかるく少し湿った所に
自生します。
草丈は、20~40cm。
太く短い根茎から、
1株に1~3本、高さ20~50cmの茎を出します。
茎は丸くなめらかで無毛です。
茎の先端に、広卵形・菱形、
長さ・幅とも7~15cmの葉を3枚輪生します。
葉は柄を持たず、茎から直接生じます。
花期は、4~6月。
葉の中心から2~4cmの花柄を1本だし、
小さな花を1個付けます。
花弁に見える紫褐色~緑色のガク片を3枚、
雄しべを6個、先が3つに裂けた雌しべを1個持ち、
横向きに咲きます。
果実は、液果で球形、径1~1.2cm、緑~黒紫色です。
種子は多数で歪んだ長楕円形です。
近縁種に、
シロバナエンレイソウ(ミヤマエンレイソウ)•
オオバナノエンレイソウなどがあり、
交雑種に、
ヒダカエンレイソウ・シラオイエンレイソウ・
コジマエンレイソウなどが知られています。 
中国では、乾燥した根茎を延齢草根(えんれいそうこん)といい、
民間薬として、健胃・腹痛・食あたり・高血圧・神経衰弱などに
用いられています。
日本でも古くから胃腸薬として利用されてきたようです。
サポニンなどの有毒成分を含み、
多量に服用すれば嘔吐・下痢などが生じます。
名は、漢名の延齢草根から付いたそうです。

侘びた趣があり、
古くから茶花などとして
親しまれています。


2015/03/22 撮影


2015/03/23 撮影


2015/03/25 撮影



<  2011 年  >
 2011/03/ 撮影…芽生え
2011/03/28 撮影…ほころんでいるつぼみ
2011/03/31 撮影
2011/04/02 撮影
2011/04/04 撮影
2011/04/04 撮影
 2011/04/06 撮影
  2011/04/06  撮影
2011/04/08 撮影
2011/04/09 撮影
2011/04/10  撮影
 2011/04/11 撮影
2011/04/15  撮影
 2011/04/16 撮影
  2011/04/17  撮影
 2011/04/18 撮影
  2011/04/30  撮影
 2011/05/16 撮影


< 2012 年 > 
 2012/05/14 撮影
 〃





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ヒカゲツツジ ( 日陰躑躅 )

2011-04-05 |  4月 の花たち

                       ↑ 2011/04/10 撮影

[ツツジ科ツツジ属の常緑低木]

本州関東以西~九州の山地、
渓流の岩壁などに自生します。
樹高は1~2m。
樹皮は灰褐色または灰白色。
葉は、長さ約6㎝の披針形または広披針で先が尖ります。
表面は濃緑色、裏面は淡黄緑色。
縁は全縁で革質、互生ですが枝先には輪生状に付きます。
花期は4~5月。
枝先に漏斗状鐘形の黄色い花を2~5個つけます。 
花径は3~4㎝で5裂。
果実は果です。
名は、日照時間の少ない渓谷などに咲くことから
付いたそうです。
別名:サワテラシ


2011/03/04 撮影…硬いつぼみ
2011/04/04 撮影
2011/04/04 撮影
2011/04/05 撮影
2011/04/08 撮影
2011/04/09 撮影
2011/10/30 撮影…来年の花芽



<  2010 年  >
花の少ない時に咲き
まわりをほんのり明るく照らします。
2010/04/09 撮影

 

 


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