↑ 2025/08/09 撮影
[ キジカクシ科(クサスギカズラ科)オモト属の多年草 : 毒草 ]
日本では、
本州関東地方以西から九州にかけて、
山地の林下に自生します。
また観賞用にも栽培されています。
草丈は、30~50cm。
地下茎は肥厚し、粗いひげ根をだします。
地下茎の先から多数の濃緑色の葉を束生します。
葉は、大きく披針形で長さ30~50㎝になり、
先が尖り、質は厚く、光沢があります。
花期は、5~7月。
葉の間から10~20㎝位の短大な花茎を出し、
厚みのある淡黄色の花を密に穂状に付けます。
花被片は6枚で、下部は盤状に融合し、上部は短く広い裂片となります。
雄しべは6個です。花糸はほとんど花被片に合着し、葯は卵形です。
花柱はごく短く、柱頭は3裂します。
果実は、液果で球形、晩秋に赤色まれに黄色に熟し、
中には種子が1~3個入っています。
葉、根、果実には、強い毒性のあります。
薬用として強心・利尿薬には用いられますが、
毒性が強く死に至るので、一般的には使用されません。
古くから観葉植物として栽培され、江戸時代には爆発的に流行し、
斑が入ったものや覆輪のあるものなどさまざまな園芸品種が作出されました。
葉の状態や葉姿、柄などのさまざまな特徴を「芸」といい、観賞点とします。
現在では古典園芸植物として、一部の愛好家の間では鉢植えで栽培されています。
縁起物として、引っ越しや新築の時に最初の荷物として、
人より先にオモトの鉢植えを運び入れると、
災いを防いで運が開けると言われています。
名は、漢名で「万年青」。
株が太いことから大本(おおもと)といい、なまってオモトに。
また江戸時代には老母草(おもとぐさ)と書かれることが多く、
老母(葉)が子の成長(赤い実)を包むように育つ姿を見立てた名前です。
大分県のオモトを産出する御許山(おもとやま)が、オモトの語源とする説もあります。
古名 : 於毛止(おもと)
以前に赤い実を付けたことがありますが、
その後は実を付けません。
来年に実を付けることを期待して‥‥。 2025/08/09 撮影