しをり戸

ささやかな庭の山野草と
散歩・旅で出会った草木。 
季語・拙い俳句、
折々の写真などの記録です。

座禅草 ( ざぜんそう ) <春> 晩春

2011-02-27 |  春の草木 の 俳句

◉ 達磨草 (だるまそう)

源流のきらめきを抱く座禅草 ・・・・・ 福田甲子雄 [師の掌] 
座禅草己がくらがり顧みる ・・・・・ 藤木俱子 [火を蔵す]
うしろより水のささやき座禅草 ・・・・・ 堤高嶺 [裸子]


山地の湧水の湿地帯などに自生します。
葉に先がけて、
紫褐色の仏焔苞(ぶつえんほう)を地表に現します。
花の形や静かな佇まいが、
座禅をする達磨大師や修行僧の姿のようと言われています。
面白い形に魅せられる人も多い花でが、
残念なことに悪臭を伴います。

  [ サトイモ科ザゼンソウ属の多年草 ]

座禅草          ・・・みなみ
現在世失意淡然座禅草
水際や色艶のよき座禅草

座禅草に人の跼みて話すごと

熊川や蛇尾川(さびがわ)の伏流水が湧き出る湿地に、
およそ2万株の座禅草が自生しています。
流水の際の花は、色艶がよく、存在感がありました。
那須野ヶ原の田園に囲まれた私有地の、
ハンノキの多い落葉樹林の落ち葉の間に、
ぽつぽつと開花していました。

ゼンソウ (座禅草)
日本では、
北海道~本州にかけて、
湿原や湿地の半日陰に自生しますが、日向にも見られます。
草丈は、20~40cm。
根茎は太く、
葉は数本を根出し、長い柄を持ち、卵状心形で基部は心形、
花後に伸びて大型になります。
花期は、2~5月。
花は、葉に先立って開き、単生します。
卵形をした紫褐色の仏焔苞の中の、
楕円形の肉穂花序(にくすいかじょ)に多数の小花付けます。
花被片4枚、雄しべ4本、雌しべ1本。
先に雌しべが現れ、
後から雄しべが出て黄色い葯から花粉をこぼします。
両性花ですが、自家不和合性であり、
昆虫などによる媒介を必要とします。
熱を発生する植物で、強い臭気があります。
果実は、その年の夏に熟します。
まれに仏焔苞が緑色のものがあり
アオザゼンソウと呼ばれます。
ヒメザゼンソウは、葉とほぼ同じ長さの柄をもち、
6月末頃に、小形の花を1株に2~3花開きます。、
葉が出てから花が咲き、臭気は無く、
果実は翌年の春に熟します。
名は、花の形が座禅を組む修行僧の姿に似ていることから付いたそうです。
別名 : ダルマソウ (達磨草)


2011/02/25 撮影
2011/02/25 撮影…アオザゼンソウ



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座禅草 (ざぜんそう) 群生地・・・[ 栃木県大田原市 ] < 2 月 >

2011-02-27 |  雀の足あと ・・ 春

                             ↑ 2011/02/25 撮影
北金丸群生地 
熊川や蛇尾川(さびがわ)の伏流水が湧き出る湿地に、
およそ2万株の座禅草が自生しています。
那須野ヶ原の田園に囲まれた私有地ですが、
大田原市の天然記念物に指定され
2月初旬から無料で一般公開されています。

1~2月に、高さ10~20cmの仏炎苞につつまれた花が現われるそうです。
母屋の庭先を横切り納屋の脇を通り抜けると、
群生地の木道です。
ハンノキの多い落葉樹林の落ち葉の間に、
ぽつぽつと開花していました。

            2011/02/25 撮影
…湧き水の澄んだ流れ‥セキショウ

…ネコヤナギ

…入り口の目印

…庭のフクジュソウ

…群生地のザゼンソウ
 

ふれあいの丘北側群生地 

ふれあいの丘の北側斜面には、
豊かな自然を残した雑木林が広がり、
自然観察路を下ると、群生地がありました。
湧水の流れる傍の座禅草は色艶が良いように思いました。
 
             2011/02/25 撮影
…アオザゼンソウ

…ザゼンソウ

…セツブンソウ

…サンシュユの花



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日本のスミレ ( 日本の菫 )

2011-02-05 |  スミレたち

                 ↑ 2011/04/15 撮影…ヒゴスミレ

 2019/04/13 撮影…苗場キスミレ

[ スミレ科スミレ属の多年草 ]

「スミレ」は、スミレ科スミレ属の総称です。
スミレ属 は、世界の温帯に400種以上あり、
日本には50種ほどが分布しています。
スミレ属は一般に、
まず有茎種と無茎種とに区分され、類に分別されます。
・有茎種は、
 地上に茎が有り、葉や花がその茎の途中に付く種です。
 キスミレ類・キバナノコマノツメ類・シレトコスミレ類・ツクシスミレ類・ニョイスミレ  類
・オオバタチツボスミレ類・ウラジロスミレ類・タチツボスミレ類・イブキスミレ類・
 ニオイスミレ類など。
・無茎種は、
 地上に茎が無く、地下茎の上端から葉茎も花茎もまとめて出る種です。  
 スミレサイシン類・ウスバスミレ類・ミヤマスミレ類など。
・交雑種としては、
 おおかたは有茎種同士、無茎種同士の交雑ですが、
 なかには有茎種と無茎種の交雑種も見つかっています。
 エイザンスミレとスミレの自然交雑のエドスミレなどは江戸時代から栽培されてきましたが、
 多くは近年になって見つかったものです。

類は、さらに仲間に分かれます。
たとえば、ミヤマスミレ類は、
スミレの仲間と、ミヤマスミレの仲間に分けられます。
日本で代表的なスミレと言えば、
スミレ科スミレ属ミヤマスミレ類スミレの仲間で、
種名としてのスミレを指します。

 2014/04/01 撮影…スミレサイシン

 2014/04/14 撮影…スミレ

2022/04/05 撮影…タチツボスミレ


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梅 ( うめ ) <季> 初春

2011-02-04 |  春の草木 の 俳句

◉ 好文木 (こうぶんぼく)・春告草 (はるつげぐさ)・匂草 (においぐさ)・風待草 (かぜまちぐさ)・初名草(はつなぐさ)・野梅 (やばい)・白梅 (はくばい)・臥竜梅 (がりようばい)・青竜梅 (せいりゆうばい)・残雪梅 (ざんせつばい)・残月梅 (ざんげつばい)・枝垂梅 (しだれうめ)・飛梅 (とびうめ)・鶯宿梅 (おうしゆくばい)・箙の梅 (えびらのうめ)・老梅 (ろうばい)・ 梅が香 (うめがか)・梅暦 (うめごよみ)・梅園 (ばいえん)・梅林 (ばいりん)・梅の里 (うめのさと)・梅屋敷 (うめやしき)・梅の宿 (うめのやど)・梅の主 (うめのあるじ)・梅見 (うめみ)・観梅 (かんばい)・夜の梅 (よるのうめ)・闇の梅 (やみのうめ)・梅月夜 (うめづきよ)

梅一輪一輪ほどの暖かさ ・・・・・ 嵐雪
しら梅に明る夜ばかりとなりにけり ・・・・・ 蕪村
夜の梅寝(い)ねんとすれば匂ふなり ・・・・・ 白雄

早春寒気の中に咲く
気品と香気の高い清楚な花は、
古くから日本人に親しまれ、
万葉の時代に花といえば梅をさし、
詩歌にも広く詠われてきました。
古今集では「梅が香」が珍重され、
闇夜でもその香はまぎれもないというので、
「夜の梅」・「闇の梅」としてもよく詠まれました。
四季の花の中で他に先駆けて咲くことから
「花の兄」・「春告草」などと呼ばれ、
「飛梅」・「鶯宿梅」には名高い伝説があります。
衣装の紋様・襲の色目・家紋などにも使われ、
調度品その他にも描かれています。
庭木・盆栽・切花・観梅など
現代でも広く親しまれています。
白梅・臥竜梅など品種も色々ありますが、
もっとも多いのは白色5弁の野梅で、普通に見られます。

  [ バラ科サクラ属の落葉高木、中国原産 ]

梅の絵に重なる梅の神楽堂 ・・・・・ みなみ

庭の白梅が散って、紅梅が盛りの頃に、
青梅の吉野梅郷が見頃となります。


ウメ (梅)
飛鳥から奈良時代に
遣唐使が梅の苗をもたらしたと言われ、
もっと古くは、薬用としての燻し梅「烏梅(うばい)」が
渡来したとも言われています。
樹高は、5~10m。
葉は互生し、楕円形~卵形で先がとがり、
縁に細かい鋸歯があります。
花期は、2~3月。
初春、葉が出る前に、
白・薄紅・紅色などの
一重の5弁花(基本)や八重咲きの、
香の高い花を付けます。
花は前年の枝の葉腋に付き、
柄がほとんどありません。
雄しべは多数で花弁より短く、子房に毛を密生します。
果実の収穫は、6月中旬頃。
果実はほぼ球形で微毛があり、
片側に浅いみぞがあって、
梅干あるいは梅漬とします。
梅を目的別に分類すれば、
採果用の実梅・観賞用の花梅・
それらの兼用種に大別されます。
花梅は、江戸時代に園芸品種が数多く作られ、
現在でも350種以上あります。
枝が長く垂れるシダレウメ・ 枝がねじれて曲がるコウテンバイ・
幹や枝が地面を這うガリュウバイ・花も葉も実も小形のコウメ(シナノウメ)・
花が淡黄色のキバナウメ・萼が緑色で花は純白のリョクガクバイ(アオジク)・
花弁が萼片より小さく雄しべが外に飛び出しているテッケンバイ・
一花から数個結実するザロンバイ(ヤツブサウメ)・
梅と杏の雑種のブンゴウメなどの品種もあります。
園芸上では、
野梅性・紅梅性・豊後性・杏性の4性に
類別されます。


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ウメ ( 梅 )

2011-02-04 |  2月 の花たち

                             ↑ 2013/03/05 撮影

2013/03/05 撮影…白梅

[バラ科サクラ属の落葉小高木・中国原産]

飛鳥から奈良時代に
遣唐使が梅の苗をもたらしたと言われ、
もっと古くは、薬用としての燻し梅「烏梅(うばい)」が
渡来したとも言われています。
樹高は、5~10m。
葉は互生し、楕円形~卵形で先がとがり、
縁に細かい鋸歯があります。
花期は、2~3月。
初春、葉が出る前に、
白・薄紅・紅色などの
一重の5弁花(基本)や八重咲きの、
香の高い花を付けます。
花は前年の枝の葉腋に付き、
柄がほとんどありません。
雄しべは多数で花弁より短く、子房に毛を密生します。
果実の収穫は、6月中旬頃。
果実はほぼ球形で微毛があり、
片側に浅いみぞがあって、
梅干あるいは梅漬とします。
梅を目的別に分類すれば、
採果用の実梅・観賞用の花梅・
それらの兼用種に大別されます。
花梅は、江戸時代に園芸品種が数多く作られ、
現在でも350種以上あります。
枝が長く垂れるシダレウメ・ 枝がねじれて曲がるコウテンバイ・
幹や枝が地面を這うガリュウバイ・花も葉も実も小形のコウメ(シナノウメ)・
花が淡黄色のキバナウメ・萼が緑色で花は純白のリョクガクバイ(アオジク)・
花弁が萼片より小さく雄しべが外に飛び出しているテッケンバイ・
一花から数個結実するザロンバイ(ヤツブサウメ)・
梅と杏の雑種のブンゴウメなどの品種もあります。
園芸上では、
野梅性・紅梅性・豊後性・杏性の4性に
類別されます。
春の訪れをいち早く告げる
凛とした清楚な香りの花は、
万葉の時代から歌に詠まれ、
衣装の紋様・襲の色目・家紋などにも使われ、
調度品その他にも描かれています。
庭木・盆栽・切花・観梅など
現代でも広く親しまれています。

草庭の白梅は樹齢80年以上と思われます。
何度も植え替えたので老木の風情を漂わせていますが、
それでも毎年花や実をよく付け楽しませてくれています。
白梅が散り出すと、
遅れて紅梅が咲き始めます。
紅梅が盛りの頃に
青梅の吉野梅郷が見頃となります。

2011/02/05 撮影…白梅つぼみ
 2011/02/05 撮影…白梅開花

2011/02/05 撮影…紅梅つぼみ
2011/02/21 撮影…紅梅開花


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早梅 ( そうばい ) <季> 晩冬

2011-02-01 |  冬の草木・その他 の 俳句

◉ 早咲の梅 ( はやざきのうめ )・梅早し ( うめはやし )

早梅や御室の里の売屋敷 ・・・・・ 蕪村
早梅や日はありながら風の中 ・・・・・ 原石鼎
早梅に汁粉屋もなし初音町 ・・・・・ 長谷川零余子

気候風土や日当たりの良し悪しなどによって、
近づく春に先立ち早く咲き始めた梅を言います。
梅の種類のことではありません。

  [バラ科サクラ属の落葉小高木・中国原産]

人すこしゐて早梅を見てをりぬ ・・・・・ みなみ  

1月13日に訪れた池上梅園には、
もう早梅のよい香りが漂っていました。
人のまばらな、手入れの行き届いた静かな庭を
ゆっくり楽しみました。


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