しをり戸

ささやかな庭の山野草と
散歩・旅で出会った草木。 
季語・拙い俳句、
折々の写真などの記録です。

蓼の花 ( たでのはな ) <季> 初秋

2019-09-27 |  秋の草木 の 俳句
                            ↑ サクラタデ

◉ 蓼の穂(たでのほ )・穂蓼 ほたで)・ 桜蓼(さくらたで)・柳蓼(やなぎたで)・蓼紅葉(たでもみじ)・ままこのしりぬぐい
 
草の戸を知れや穂蓼に唐辛子 ・・・・・ 芭蕉
醤油くむ小屋の境や蓼の花 ・・・・・ 其角
溝川を埋めて蓼のさかりかな ・・・・・ 正岡子規
 
俳句で蓼の花といった場合は、
蓼属の花全体をさすことがおおく、
種類によって、高さや穂の大きさなどさまざまです。
おおよそは初秋に、
紅の濃淡から白色の小粒の花を穂状につけ、
秋が深まるにつれ葉が紅葉し、
野趣に富んで秋らしい風情があります。
花に見えるものは萼で、桜蓼などの一部をのぞき、花弁がありません。
蓼というと、柳蓼を指すことが多く、本蓼・真蓼ともいいます。
柳蓼は水辺に生え、葉が柳に似た形で、
特有の辛味があって食用として栽培もされ、
蓼酢・刺身のつま・蓼味噌などに用いられます。
桜蓼は蓼としては花が大きめで、
サクラ色の花弁に長い蘂、
垂れた花穂が風に揺れる姿には、
優しい美しさがあります。
* 犬蓼は「赤のまま」として別に題をたてています。

   [ タデ科イヌタデ属の多年草 ]

さくら蓼晩年の友一人増え ・・・・・ みなみ


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シコタンハコベ ( 色丹繁縷 )

2019-09-27 |  8月 の花たち

                       ↑ 2019/09/09 撮影

2019/09/09 撮影

[ ナデシコ科ハコベ属の多年草 ]ハコベ(ナデシコ科)

北海道や本州中部の、
高山の砂礫地や岩壁などに自生します。
草丈は、5~20cm
全体が滑らかで無毛です。
根茎は横に這って叢生し、
茎はまばらに分岐します。
葉は、柄が無く、卵状披針から披針形で長さ5~30㎜、先は鋭く尖り、基部は円形、
質は硬く、白緑色を帯び、全縁で対生します。
花期は、7月~8月。
花は茎頂から花柄を出し、径約1.5㎝白色の花を1個付けます。
5枚の花弁は深く基部近くまで2裂して、10枚のように見えます。
雄しべは10本です。
萼片は花弁より短いです。
果実は、蒴果で宿存萼があります。
名は、色丹島で最初に採集されたことから付いたそうです。
別名 : ネムロハコベ(根室繁縷)

昨年の3月に、友人から戴きました。
図鑑で調べてみますと
白地に赤い葯の可愛い花が載っていました。
草庭のシコタンハコベの葯は赤味を帯びた茶色でしたが、
やはり可愛い花でした。
 
 
2019/08/15 撮影…地植え
 
 2019/09/08 撮影…(aの花)
 
〃…つぼみ(b)


2019/09/09 撮影…昨日の蕾が開く(b)
〃(b)
 
〃…花後(昨日のa花)
 
 
2019/09/10 撮影(b)
 
〃…花後(a)
 
 
2019/09/12 撮影…(b)
 
〃…花後(a)
 
 
2019/09/14 撮影…(b)
 
〃…(a)
 
 
2019/09/21 撮影
 
 
 
 
<  2018 年  > 
2018/04/02 撮影
 
 
 
2018/07/18 撮影
 



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薄荷の花 ( はっかのはな ) <季> 初秋

2019-09-21 |  秋の草木 の 俳句

◉ めぐさ・おおあららぎ

肩痛き浴衣の糊や花薄荷 ・・・・・ 森澄雄 [餘白]
白山や薄荷の花のはたと暮れ ・・・・・ 花谷和子 [俳句四季]
少し不幸にて薄荷の花咲けり ・・・・・ 遠山陽子 [弦楽]

初秋になると、
優しい淡紫色の唇形の花を密集して付け、
全草に香気を持っています。
郷愁に近いものを感じさせて、
涼しげな香りが爽やかです。
ハーブの一つで、薄荷油を採るために栽培されています。
茎や葉からとった薄荷油は、香料・清涼剤・薬・菓子などに用いられます。
安政年間に岡山県や広島県で栽培が始まり、
明治初期にかけて主産地が山形県に移ったあと、
北海道で栽培が始まり、盛んに生産されていました。
戦前は世界に輸出されましたが、
今日では合成メントールに押されて生産量が減り、細々と栽培されています。
外来種に対して、こちらを日本薄荷と呼びます。
西洋薄荷をペパーミントと言い、オランダ薄荷をスペアミントといいます。

  [ シソ科ハッカ属の多年草 ]

花薄荷草引く庭に香り満ち ・・・・・ みなみ 

ハッカ (薄荷)
日本では、
北海道~九州にかけて、
原野のやや湿った土地や小川の縁などに自生します。
草丈は、20~60cm。
長い地下茎を四方に伸ばして繁殖します。
茎は、四角形で直立し、上部で分枝します。
茎や葉・ガクには軟毛が生えています。
葉は、柄を持ち、長楕円形で長さ2~8cm、幅1~2.5cm、
先が尖リ、縁には鋸歯があって、対生します。
表面の軟毛はまばらで、裏面には小さい油点があります。
花期は、8~10月。
茎の葉腋に淡紫色の小さな唇形花を多数輪状に付けます。
花冠は長さ4~5mmで4裂し、上唇の先は浅く2裂します。
雄しべは4本、雌しべは1本です。
ガクは5裂し、裂片の先は尖ります。
全草に強い芳香があり、香料植物として栽培されています。
茎・葉からとった薄荷油は、香料・清涼剤・薬・菓子などに用いられます。
安政年間に岡山県や広島県で栽培が始まり、
明治初期にかけて主産地が山形県に移ったあと、
北海道で栽培が始まり、盛んに生産されていました。
戦前は世界に輸出されましたが、
今日では合成メントールに押されて生産量が減り、細々と栽培されています。
名は、漢名の薄荷が転訛。西洋薄荷をペパーミントと言います。
別名 : メグサ(目草)・ニホンハッカ(日本薄荷)・ワシュハッカ(和種薄荷)

  


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サンカヨウ ( 山荷葉 )

2019-09-21 |  7月 の花たち

                           ↑ 2019/04/03 撮影

[ メギ科サンカヨウ属の多年草 ]

日本では、
北海道~本州中部地方以北にかけて、
深山の林内に自生します。
草丈は、30~60cm。
古い茎の基部がつらなり、下にひげ根をだします。
全体に短毛が生えていて、1株に1本の茎が直立します。
根生葉は、長い柄を持ち、下の葉は大きく楯状に付き、広腎円径で幅は20~35㎝、2深裂し、
縁には不揃いの鋸歯があります。
上の葉はほとんど柄が無く、形は下の葉とほぼ同形ですが、
やや小さく、基部は深心臓形です。
花期は、5~7月。
茎頂に散形状の花序を出し、径2㎝の白色の6弁花を数個付けます。
花弁は広倒卵形で長さ1㎝です。
雄しべは6本で、雌しべには子房が1個あり、花柱は短いです。
萼片は6個で早落性です。
果実は液果で球状、緑色から紫黒色に白粉色を帯びます。
名は、深山に植生し、蓮の葉に似た葉形を持つことから荷葉、
と名付けられたそうです。

白い花びらが霧や雨に濡れると透明になるという、
透明になるのには長い時間がかかるそうな...。
残念ながら見ることは出来ませんでしたが、
優しい白い花と緑色の大きな葉、
食べられるという美しい紫色の実に、
楽しみ癒されました。

 

2020/04/19 撮影 

 

<  2019 年  >

 2019/03/25 撮影

 〃 

 〃…つぼみ

2019/03/29 撮影

2019/03/31 撮影

 

2019/04/03 撮影

 

2019/05/05 撮影

  

 

コメント (7)
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コキンバイザサ ( 小金梅笹 )

2019-09-14 |  5月 の花たち

                               ↑ 2019/05/12 撮影

2019/05/14 撮影

 [ キンバイザサ科コキンバイザサ属の多年草 ] 

日本では、
本州宮城県以南~沖縄にかけて、
山地の日当たりの良い草原などに自生します。
草丈は、10~25cm。
根茎は径約1㎝の塊状です。
短い茎に数個の葉を束生します。
葉は、長さ10~25㎝の線形で、先は細長く尖り、基部が狭まって、
中央より上部が幅広く、まばらに長毛が生えています。
花期は、4~6月。
下部の葉腋から長さ5~10㎝の細い花茎を出します。
花は、短い花柄を持ち、茎頂に径1㎝の黄色い花を1~2個ずつ上向きに平開します。
花被片は6枚で長さ4~6㎜、長毛があります。
雄しべは6個です。
果実は蒴果、長楕円形で長さ8~10㎜で、
種子は径約1.5㎜の球形で黒褐色です。
名は、キンバイザサに比べて小形なので付いたそうです。
別名 : キバナアツッザクラ(黄アツッ桜) 

ヒメギボウシの鉢に一輪咲いていました。
5月から咲き継いで、
今も楽しませてくれています。

 
2019/05/12 撮影
 
 
 
2019/08/15 撮影
 
 
 
 
2019/08/29 撮影
 
 
 
2019/08/31 撮影
 
 
2019/09/14 撮影

 


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ヒトツバ ( 一ッ葉 )

2019-09-14 |  シダたち

                              ↑ 2019/08/25 撮影 

[ ウラボシ科ヒトツバ属の多年草常緑性シダ植物 ]

日本では、
本州関東地方以西~沖縄にかけて、
暖地の乾いた岩上や樹上に着生します。
高さは、20~40cm。
根茎は硬い針金状で粗く、長く横に這い、茶褐色の披針形の鱗片を密性し、
根茎からまばらに葉を立てます。
葉は単葉で、長い針金状の硬い柄を持ち、広披針形または卵状披針形で鋭頭、
基部はくさび形、硬い革質で厚く、縁はしばしば波状となり全縁です。
表面は深緑色、裏面は白褐色の星状毛が密生します。
胞子嚢軍は点状で葉の裏面に密に付きます。胞子嚢群の付く葉は細くなります。
名は、単葉で1本1本分立することから付いたそうです。

元気がなくなった岩檜葉の後に一ッ葉を植えてみましたが、
思ったほど大きくならずに増えませんでした。
躑躅が被さってきたことも良くなかったようです。
お彼岸頃に植え替えたいと思っています。

 

2019/04/06 撮影 

 

2019/07/18 撮影

 

2019/08/27 撮影

 

2019/09/09 撮影

 


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ムギラン ( 麦蘭 )

2019-09-06 |  7月 の花たち

                             ↑ 2019/07/29 撮影

2018/08/08 撮影

[ ラン科マメヅタラン属の常緑多年草 ] 

本州(宮城県以南)~九州にかけて、
暖地の林内の樹幹や岩上に自生し、群生状に着生します。根茎は横に這い、まばらに分枝し、
偽球茎(バルブ)を付けます。
偽球茎は長さ5㎜の卵形で緑色、麦粒状をしていて、無毛です。
その先端に葉を1枚つけます。
葉は、長さ1~3㎝の卵形、肉厚で革質です。
3年ほどで枯れて、偽球茎となり、約5年で偽球茎も茶色く枯れます。
5月ごろ小さな芽を出し、葉を展開して基部が膨らんで新偽球茎となり、
糸のように細い根を偽球茎から伸ばして着生します。
花期は、6~7月。
偽球茎の基部から短い花茎を出し、
その先に黄白色の花を半開状に1個付けます。
萼片は卵状楕円形長さ約3㎜、
側花弁と唇弁はやや短く、縁に毛があります。
淡緑色筒状の部分は子房、その下に2個の膜質の苞があります。
名は、偽球茎を麦粒に見立てたことから付いたそうです。

去年、麦蘭を水苔で庭石に付けました。
12月の初めごろ、しっかりと付いた方がいいと思い、
ケト土で押さえてみました。
活着しましたが、
日蔭なので、お花を見るのは少し難しいようです。

 

  2019/07/27 撮影 

2019/08/27 撮影

 

<  2018 年  >

 2018/08/08 撮影 

 2018/12/10 撮影

 

コメント (2)
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オヘビイチゴ ( 雄蛇苺 )

2019-09-06 |  5月 の花たち

                                  ↑ 2020/04/07 撮影

2020/04/07 撮影

2019/05/26 撮影

[ バラ科キジムシロ属の多年草 ]

本州~九州にかけて、
原野や田んぼの畦などのやや湿った場所に自生します。
草丈は、20~50cm。
全体に伏毛があり、茎は地を這います。
根生葉は、長い柄を持ち、多くは掌状の5出複葉で、
茎葉は短い柄を持ち、3出複葉です。
小葉は狭長楕円形で長さは2~4㎝、先は円形または鈍形、基部は狭い鋭形、
縁には粗い鋸歯があります。
花期は、5~6月。
茎の上部に集散花序をだし、径約1㎝の黄色い5弁花を多数付けます。
花弁は倒心臓形、先くぼみ、基部は広いくさび形です。
萼片は5、卵形または卵状披針形で先が尖ります。
副萼片は5、線形で萼片よりやや短いです。
果実は痩果で一つの長さ約0.6㎜で広卵形です。
名は、ヘビイチゴより大型という意味で雄が付いているそうです。
別名、オトコヘビイチゴ。

草もの盆栽展で頒布していました。
本でよく見かけましたが、
実際に手に取って見たのは初めてでした。
蛇苺のように赤い実を付けるのかと思っていましたが、
褐色の乾いた実が付きました。


2020/04/04 撮影

2020/04/07 撮影

2020/04/15 撮影

 

2020/04/19 撮影

2020/05/04 撮影

 

 <  2019 年  >

2019/05/14 撮影

 

2019/05/26 撮影



2019/08/15 撮影

 


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