しをり戸

ささやかな庭の山野草と
散歩・旅で出会った草木。 
季語・拙い俳句、
折々の写真などの記録です。

八手の花 ( やつでのはな ) <季> 初冬

2016-12-27 |  冬の草木・その他 の 俳句

◉ 花八手 (はなやつで)・天狗の羽団扇 (てんぐのはうちわ)

八ツ手散る楽譜の音符散るごとく ・・・・・ 竹下しづの女
立つ人に困りて八ッ手の花もよし ・・・・・ 高浜虚子 [定本虚子全集]
みづからの光りをたのみ八ツ手咲く ・・・・・ 飯田龍太 [山の木]

北風の吹く、花の少ない時期に幹から白い花梗を出し、
白く小さな花を球のようにかたまって付けます。
落ち着いた静かな花が寒気の中に咲いている様子には逞しく凛々さを感じます。
生き生きと咲く花の甘い蜜に、蝿や虻・蜂などが集まってきます。
江戸時代に庭木として植えられるようになりました。

  [ ウコギ科ヤツデ属の常緑低木 ]

禁煙をはじめて四日花八つ手 ・・・・・ みなみ

子供の頃兄たちと、実を竹鉄砲に詰め、
飛ばして遊んだことを思い出します。

ヤツデ (八手)
福島県以南~沖縄にかけて、
沿海地の温暖な山林に自生します。
樹高は、2~3m。
株立ち状になります。
葉は、長い柄をもち、大型で掌状に深く7~9裂し、
質が厚く光沢があって、互生します。
花期は、11~12月。
茎頂から大きな円錐花序を出し、
白い5弁の小花を球状に多数付けます。
同じ花に雄性期と雌性期があって、雄→中性→雌へと性転換します。
果実は液果で球形、翌年の5月頃に黒く熟します。
日陰や大気汚染にも強く、丈夫で、
庭木として親しまれ、斑入りなどの園芸品種もあります。
葉を生薬の八角金盤(はっかくきんばん)として、
煎じて飲んだりうがいをしたり、
去痰・鎮咳の薬に用いました。
また葉などには、ヤツデサポニンが含まれているので
かっては殺虫剤として利用され、
手洗いの近くに植えられたりしました。
大きな葉で福を招くという縁起があり、
疫病や魔物などを追い払うとも言われて、
玄関の脇や裏口の脇に植えられたりしました。
名は、手に似た大きな葉に切れ込みが多数あり、数のよい8をとつて
付いたそうです。
別名 : テングノハウチワ (天狗の羽団扇)

2010/11/21 撮影…つぼみ
2010/12/05 撮影


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カンギク ( 寒菊 )

2016-12-08 |  12月 の花たち

                               ↑ 2016/11/27 撮影…寒菊

 2017/12/11 撮影

 2016/11/26 撮影

[ キク科キク属の多年草 ]

シマカンギ (島寒菊/ 島甘菊 )
日本では,
本州近畿地方以西・四国・九州にかけ、
山麓の傾斜地で日当たりのよいところに自生します。
草丈は、30~80cm。 
地下茎は横に伸び、先端に新苗を付けます。
茎の下部は倒れ、上部で立ち上がります。 
葉は、長さ3~5㎝、幅2.5~4㎝で5片に中裂し、
濃緑色、縁に鋸歯があり、互生します。
裏面は淡緑色で、細かい毛が生えています。
開期は、10~12月。  
径約2.5cmの頭花を散房状に付けます。
中心の部分に筒状花が集まり、まわりを舌状花が囲みます。
ともに濃黄色、冠毛はありません。
総苞は長さ5~6㎜の半球形で、
総苞片は4列に並び卵形~長楕円形で、縁は褐色の乾膜に覆われます。 
品種には、白花種のシロシマカンギクや、
地方変種として
オッタチカンギク(乙立寒菊)、ツルギカンギク(剣寒菊)、イヨアブラギク(伊予油菊)などがあります。
別名 : アブラギク(油菊)・シモミグサ(霜見草)・ハマカンギク(浜寒菊)

*「寒菊」とは、
 シマカンギクを改良した黄色い花の園芸品種と
 晩生の普通の栽培ギクの二つを言います。

季節外れ(11月)の雪にも負けず、
寒菊の名前どおり、
生き生きと咲いています。
いつも小さな虫が遊びに来ています。

 

 2016/10/31 撮影   

 2016/11/05 撮影 〃  〃

 2016/11/15 撮影   〃 〃 

 2016/11/17 撮影  〃 …下の花に虫が..

 2016/11/18 撮影 

 2016/11/20 撮影  〃 

 2016/11/22 撮影 〃… 下の花

 2016/11/25 撮影  〃… 右の花

 2016/11/26 撮影     〃   〃… 右の花  〃

2016/11/27 撮影  〃  〃  

 2016/11/29 撮影   〃  〃

 2016/11/30    〃 〃

 2016/12/03 撮影  〃  〃 

 2016/12/05 撮影 〃   〃

 2016/12/09   〃  〃

 

 

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野生ギク の 育て方

2016-12-08 | 栽培のポイント

                                     カンギク

[ キク科キク属の多年草 ] 

 主な野生ギクは、
ノコンギク・コンギク・ダルマギク・シラヤマギク・ゴマナ・シオン・シロヨメナ・ハコネギク・クルマギク・ヨメナ・ユウガギク・ハマベノギク・ヤマジノギク・ハマギク・コハマギク・ノジギク・リュウノウギク・キクタニギク・シマカンギク・イソギク・シオギクなど。

育て方の一例
・耐寒性: 強。  
・耐暑性: 強。
・日照: 日向。    
・植え付け適期: 3月。
・用土: 赤玉土(小粒)7・腐葉土3の混合土。または市販の草花用培養土。
・肥料: 元肥…マグァンプKやリン酸とカリウムが多めの緩効性化成肥料を一つまみ。 
     追肥…置き肥は、油カスの玉肥(春の間、1~2個)。 
     液肥…草花用液体肥料の1,500~2,000培希釈液(成長期4~9月、月に2回)
・鉢: 浅~中深鉢。 
・植え替え頻度: 毎年。
・増殖: 株分け。挿し芽 (5月~6月に、新芽の先端をさす。)。実生。 
・病害虫: 軟腐病・炭そ病やナメクジ・ヨトウムシ・アブラムシなど。
・潅水: 表土が乾いたら水をたっぷり水を与える。

*
・風通しのよい場所に置く。水はけの良い土。
・加湿に注意する。
・夏は葉灼けに注意する。
・アブラムシに注意する。
・多肥にする必要はない。
・4~6月頃に2度ほど摘心して草丈を抑える。

植え替え。
①新しい用土に植える。
②2~3月に新しい芽(冬至芽)ができている株を掘り上げる。 
③古い株から、それぞれに根の付いた冬至芽を3~5芽を一株にして切り離す。
④ポットに1株ずつ植え付ける。(細根の触れるところに腐葉土などを薄く敷くと生育が良い。)
⑤1カ月ほどして根が回ったら、定植する。 
⑥根付いたら、株元より葉を1/3から半分ほどを残して上部を切り取り摘心する。 
⑦摘心後に伸びた枝の先端を摘み取り、2度目の摘心をする (4~6月末までに済ませる)。
 
 

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