しをり戸

ささやかな庭の山野草と
散歩・旅で出会った草木。 
季語・拙い俳句、
折々の写真などの記録です。

曼珠沙華 ( まんじゅしゃげ ) <季> 仲秋

2020-09-22 |  秋の草木 の 俳句

◉ 彼岸花 ( ひがんばな )・死人花 ( しびとばな )・天蓋花 ( てんがいばな )・幽霊花 ( ゆうれいばな )・捨子花 ( すてごばな )・
  狐花 ( きつねばな )・三昧花 ( さんまいばな )・したまがり・まんじゅさげ

まんじゆさげ蘭に類ひて狐啼く ・・・・・ 蕪 村
草川のそよりともせぬ曼珠沙華 ・・・・・ 飯田蛇笏
われにつきゐしサタン離れぬ曼珠沙華 ・・・・・ 杉田久女

秋の彼岸が近づくと花茎を伸ばし、
長い蘂の鮮やかな赤い花を開きます。
畦や土堤などに群生して咲く花は、
燃える炎のような美しさです。
曼珠沙華は天上に咲く赤い花をあらわす梵語といわれます。
昔から墓地に植えられ、
葉のある時に花は無く、花のある時には葉は無い不思議な咲き方と、
この花の妖麗なあやしさに、不吉な呼称もあります。
畑や墓地をネズミやイタチなどから守るために植えられ、
人の暮らしに根付いて、自生していますが、
全草にリコリンなどのアルカロイドを含み有毒です。
とくに地下の鱗茎に多いのですが、
昔は飢饉のとき、水によく晒して食用にしました。
吐剤や去痰剤にも用いました。

  [ ヒガンバナ科ヒガンバナ属の多年草 : 毒 ]

曼珠沙華些事(さじ)にこだわることなかれ ・・・・・ みなみ

以前はよく、
曼珠沙華の群生地巾着田を訪れました。

高麗川沿いの木々の下は、
曼珠沙華の鮮烈な赤色に染まり見事で、

その頃は比較的人も少なく、ゆっくりと散策できました。
夕景のしずかな巾着田も印象に残っています。

ヒガンバナ (彼岸花)
古く中国から渡来した帰化植物と考えられています。
日本では、
本州~九州にかけて、
畦や堤・路傍など人里の明るい場所に多く群生しています。
草丈は30~50cm。
葉は根生し、長さ30~60㎝、幅6~8㎜の線形で鈍頭、
質はやや厚くやわらかく光沢があって濃緑色です。
中脈沿いに白緑色の筋が入ります。
花後の晩秋に葉が伸びはじめ、冬を越して翌年の春に枯れます。
花期は、9~10月。
地下の鱗茎という球根から花茎を伸ばし、
茎頂に花柄を持つ赤色の花を数個散形状に付けます。
花被片は6枚で長さ4㎝の狭披針形で、外側に強く反り返り、
縁には強いフリルがあります。
雌しべは6本で花被と同色、花の外に長く突き出ます。
結実せず、球根でふえます。
全草にリコリンなどのアルカロイドを含み有毒です。
昔は、澱粉を多く含む鱗茎を水でさらして有毒成分を除き、
救荒植物として食用にしました。
名は、ヒガンバナは秋の彼岸の頃に咲くことから、
マンジュシャゲは天上の紅い花をあらわす梵語から、付いたそうです。
地方の俗名が多くシビトバナ(死人花)や天蓋花(テンガイバナ)・ステゴバナ(捨子花)・
ユウレイバナ(幽霊花)など50余の呼称があります。
別名 : マンジュシャゲ(曼珠沙華)

コメント (2)
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ニラ ( 韮 )

2020-09-08 |  9月 の花たち

                           ↑ 2020/08/27 撮影

2020/08/30 撮影

2020/09/08 撮影

[ ネギ科ネギ属の多年草 、中国南部~東南アジア原産]

日本各地で、食用として畑に栽培されています。
山野にも自生するといわれていまが、
自生のものか、野生化したものかよくわかっていません。
草丈は、30~40cm。
全草に特有な匂いがあります。
鱗茎は狭い卵形体で、鱗片葉が枯れて残った繊維で包まれています。
葉は、篇平の線形で長さ20~30㎝で、柔らかく濃緑色、2列に並びます。
花期は、8~9月。
葉の間から1本の花茎を出し、
先端に花柄を持ち、半球状の散形に径6~7㎜の白花を多数付けます。
花被片は長さ5~6㎜の狭長楕円形で、先は尖り、開出します。
雄しべは6個、花被片より少し短く、葯は黄色です。
果実は蒴果、倒心臓形で、黒い種子は6個です。
栄養価が高く、葉を生食・煮食にし、花は塩漬けにして食べます。
四季通じて食べられますが、辛臭が強く避ける人もいます。
名は、「古事記」にはカミラ(加美良)、古代においてはミラの名で登場し、
これが転訛したという説があります。韮は漢名です。
古名  :  コミラ(小韮)・ミラ(彌良)

ほかの球根と混ざらないように鉢植えにしました。
ことしは株を充実させたいとも思いましたが、
花を楽しむことにいたしました。
真っ直ぐ伸びた花茎に真っ白な花、
風に揺れている姿は涼げです。

2020/08/27 撮

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2020/08/30 撮影


2020/09/02 撮影

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2020/09/06 撮影

 

〃 2020/09/08 撮影

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2020/09/11 撮影


2020/10/01


2020/10/23 撮影


2020/11/02 撮影

 

 

 

 


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