しをり戸

ささやかな庭の山野草と
散歩・旅で出会った草木。 
季語・拙い俳句、
折々の写真などの記録です。

歯朶萌ゆる ( しだもゆる ) <季> 仲春

2018-04-30 |  春の草木 の 俳句

                           ↑ ヤマドリゼンマイ
◉ …

歯朶萌えて岩滝翔ける雉子かな ・・・・・ 飯田蛇笏 [雲母]
きりきりと羊歯の渦芽の日を集む ・・・・・ 上村占魚 
かくれても野兎の耳歯朶萌ゆる ・・・・・ ないとうともこ

歯朶は種類が多く、「夏緑性のシダ」の
ワラビ・ゼンマイ・クサソテツ・クジャクシダ・シノブなどは、
冬に葉が枯れ、春新たに芽生えます。
枯れていたシダが、春に萌え出る新葉は、柔らかくみずみずしく生気に満ちています。
この頃の若葉を広げる歯朶を「歯朶萌ゆる」といいます。
特に山中や庭の日陰に伸びるシダの若葉のようすは、
鮮緑色で美しく、繊細な趣があります。
* 新年の季語としての「歯朶」は、ウラジロ(裏白)を指します。
* 青歯朶(初夏)・歯朶(新年)・歯朶刈(仲冬)

   [ シダ植物の総称 : 特に胞子体、大型の葉をつける類の総称,多年草 ]

しだ萌ゆるゆかしき女主かな ・・・・・ みなみ

シダ植物とは
種子ではなく胞子で繁殖し、
胞子体と配偶体がそれぞれ独立している維管束植物の総称です。
維管束とは、根が吸収した水分を運ぶための導管(シダ植物の場合は仮導管)と、
光合成でできた栄養分を運ぶための篩管が束になったものです。
シダ植物は、大きく小葉類と大葉類の二つの系統に分かれて進化してきました。
                   「くらべてわかるシダ」より

一般の植物と同じように、シダも環境に合わせて生育する種類がかわります。
シダにも常緑性や夏緑性の種類も多く、なかには冬緑性の種類もあり、
生育する時期が異なっています。
常緑性は、春に葉を出し、翌年春に新しい葉が出るまで葉が枯れないもので、
 ホウライシダ・イノモトソウ・ベニシダ・イノデなどです。
夏緑性は、春に葉を出し、秋に葉が枯れてしまうもので、
 シノブ・ゼンマイ・イヌワラビ・クジャクシダなどです。 
冬緑性は、晩夏に葉を出し、翌年の初夏近くに葉が枯れてしまうもので、
 フユノハナワラビ・アオネカズラ・オオハナワラビなどです。

 

…クジャクシダ


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

4月の草庭 (1)

2018-04-18 | 2024年・2018年の草庭

                              ↑ 2018/04/18 撮影…4月の佇まい

2018/04/10 撮影…イチリンソウ

〃…ミヤマオダマキ

昼間が長くなり、ゆつたりした気分です。
心地よい暖かさに、
つい時間を忘れて、庭に長居してしまいます。
生き生きとした小さな花たちが、
次々と咲き出しています。
4月になると、春植物には、地上部のある間に
肥料過多にならないよう注意しながら、
暖効性の有機肥料を与えていましたが、
今年は、
根圏(*)に集まる微生物との共生関係を考え、
肥料を与えないようにしようと思っています。

かつては草庭に、山桜や里桜など4本ほどの古木がありました。
とても残念なことでしたが、
工事のために移動や枝下ろしをしましたら、
何年かは咲いたのですが、
樹勢が弱り、とうとう全部枯れてしまいました。

 

 草庭での桜の句 ・・・・・・みなみ  
・齢深まり山桜すきになり 
・棲み古りてあふるる朝の桜かな 
・日に透けて哀しきまでの朝桜 
・身のうちに花の匂の潜みゆく 
・子守終へて夕べの花を見てをりぬ 
・花を見て遅れてゐたり夕支度
・大安の桜の苗木届きけり 
・桜落葉に桜の香ありにけり

 

 < 芽生えや蕾・花 など 2018/04/10 撮影 >

…イチリンソウ …ミヤマオダマキ …キエビネ

…ヒトリシズカ …フタリシズカ …ユキザサ

…バイカイカリソウ …イカリソウ …オドリコソウ

…レンゲショウマ …キレンゲショウマ …シラン

…ウラシマソウ 

…アズマシャクナゲ …ドウダンツツジ 

 

< 芽生えや蕾・花 など 2018/04/11撮影 >

 …チョウジソウ 

 

< 芽生えや蕾・花 など 2018/04/12 撮影 >

…トキソウ …ヒメイチゲ …オオヤマフスマ

…ツクバネソウ …ヂエビネ …クマガイソウ

…キンラン …ササバギンラン …フウチソウ 

…シコタンハコベ 

…リュウキンカの実 

…シロバナタンポポの綿毛 …セツブンソウの種 

…シロモジの葉 …ウグイスカグラの実  

 

< 芽生えや蕾・花 など 2018/04/18 撮影 >

…ニオイエビネ …キエビネ …二ホンサクラソウ

…ヤマドリゼンマイ …エヒメアヤメ …ヒメイズイ

…イワヒバ  …ヒメシャガ …キンラン

…セリバヤマブキソウ …シライトソウ

…ヒイラギソウ …ホウチャクソウ

…コバノタツナミ …シロバナコバノタツナミ 

 …ツクシカラマツ …イワシャジン …ヒメイチゲ

…ヤクシマショウマ …シモツケソウ …ヒメカンゾウ

…ラショウモンカズラ …テンニンソウ 

…ソバナ …フイリマイヅルソウ …ナルコラン

…トクダマ …オオバギボウシ …リンドウ

…クジャクシダ  …ヤマオダマキ 

…エンレイソウの果実

…ヒラドツツジ …ヒラドツツジ …ヤマツツジ 

…クロマツの花 …赤松の花 …アマチャ 

…ヒメウツギ …ツリバナ 

 

< 芽生えや蕾・花 など 2018/04/20 撮影 >

…シキンカラマツ …シチダンカ 

 

< 芽生えや蕾・花 など 2018/04/23 撮影 >

…オオアマナ …チョウジソウ …ノシメラン

…サクラソウ …蛇イチゴ …ユキノシタ

…セキショウ

…オオムラサキ 

 

< 芽生えや蕾・花 など 2018/04/26 撮影 >

…三寸アヤメ …ベルフラワー …ローズゼラ二ウム

…ネモフィラ …オレガノケントビューティー …ビオラ

…シラン …ヒメカンゾウ …ヤブレガサ

…ミズヒキ …リュウキンカの種

…モッコウバラ …テイカカズラ …ノブドウ

 

< 芽生えや蕾・花 など 2018/04/28 撮影 >

…サンズンアヤメ …クチベニシラン 

 

< 芽生えや蕾・花 など 2018/04/29 撮影 >

…フタリシズカ …ニワゼキショウ …ハハコグサ

…カキラン

* 4月の草庭 (2) へ続きます。

 

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

4月の草庭 (2)

2018-04-18 | 2024年・2018年の草庭

                    ↑ 2018/04/18 撮影 

* 4月の草庭 (1) からの続きです。

< 芽生えや蕾・花 など 2018/04/30 撮影 >

…サギソウ …トキソウの実 …イブキジャコウソウ

…ユキノシタ …アマドコロ

…バイカオウレンの実 

…トウオガタマ 

 

 4月1日~4月末日まで の花 

2018/04/02 撮影…トキソウ

〃…ヒメウズ

〃…ツクバネソウ

〃…ハボタン

2018/04/03…スズメノヤリ

〃…キバナカタクリ

 

2018/04/07 撮影…ボタン

〃…ヤマシャクヤク

〃…アカバナチゴユリ

2018/04/09 撮影…ヒメイチゲ

 

2018/04/10 撮影…アオジクヒトリシズカ

〃…ドウダンツツジ

〃…アズマシャクナゲ

〃…バイカイカリソウ

〃…イカリソウ

〃…オドリコソウ

〃…ユキザサ

 

2018/04/12 撮影…オオヤマフスマ

〃…ヂエビネ

〃…クマガイソウ

 

2018/04/18 撮影…ニオイエビネ

〃…キエビネ

〃…サクラソウ

〃…ヤマドリゼンマイ

〃…セリバヤマブキソウ

〃…ヒイラギソウ

〃…コバノタツナミ

〃…シロバナコバノタツナミ

〃…シライトソウ

〃…ホウチャクソウ

〃…ラショウモンカズラ

〃…フイリマイヅルソウ

〃…ヒラドツツジ

〃…フイリヒラドツツジ

〃…ヤマツツジ

〃…クロマツ

〃…アカマツ

〃…ナルコラン

〃…ヒメウツギ

〃…ヤエヒメイチゲ

〃…ツリバナ

 

2018/04/20 撮影…キンラン

〃…ヤクシマキンバイ

 

2018/04/23 撮影…オオアマナ?

〃…チョウジソウ

〃…ヘビイチゴ

〃…オオムラサキ

〃…セキショウ

 

2018/04/26 撮影

〃…サンズンアヤメ

〃…ヒメカンゾウ

〃…シラン

〃…ヤブレガサ

2018/04/28 撮影…サンズンアヤメ

〃…クチベニシラン

〃…テイカカズラ

2018/04/29 撮影…フタリシズカ

〃…ニワゼキショウ

〃…ハハコグサ

 

2018/04/30…サツキ

〃…ユキノシタ

〃…ユキノシタ

〃…アマドコロ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

スズメノヤリ ( 雀の槍 )

2018-04-07 |  3月 の花たち

                       ↑ 2018/03/18 撮影

2018/03/18 撮影

[ イグサ科スズメノヤリ属の多年草 ]

日本では、
北海道〜九州にかけて、
平地や山麓の日当たりの良い草地にごく普通に自生します。
草丈は、10~30cm。
太い根茎から多数の葉を叢生します。
根生葉は、先が尖った線形〜広線形で長さ5〜15㎝、幅2〜6㎜、
縁に長い白毛が並びます。
花期は、4~5月。
多数の花茎を出し、
茎頂に赤褐色の花が多数集まった球形または卵形の頭状花序を付けますが、
まれに2〜4個の小頭状花序になることもあります。
花序下に花序より長い苞葉を出します。
花被片6個は赤褐色または黒褐色で小さく、広披針形です。
雄しべは6本、花糸はごく短く、黄色の葯は長楕円形です。
果実は蒴果で卵形体、種子は球形または広卵形体です。
よく似た種に、 
ヤマスズメノヒエ(山雀の稗)・オカスズメノヒエ(丘雀の稗)・ヌカボシソウ(糠星草)などがあります。
名は、頭花(穂)の様子を毛槍に見立てて、付いたそうです。
別名 : スズメノヒエ(雀の稗)

武蔵野の面影が残っている草地に、
お花見のころ目にすることがあります。
よく殖えるので小さ目の鉢で育てています。

 2018/03/18 撮影

 〃

 

2018/04/03 撮影

 〃

 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

キバナカタクリ ( 黄花片栗 )

2018-04-04 |  4月 の花たち

                    ↑ 2018/04/03 撮影

[ ユリ科カタクリ属の多年草、北アメリカ原産 ]

手持ちの図鑑で調べましたが
載っていませんでしたので、
ネットからの抜き書きと見た目からの雑感です。

亜高山帯の林下に自生します。
草丈は、20~40cm。
地下に鱗茎を作ります。
鱗茎から葉を広げます。
葉は、柄を持ち、長楕円形~楕円形で淡緑色、質は厚く無毛です。
花期は、4月~5月。
鱗茎より1本の花茎を出し、
茎頂に黄色の花を1個、下向きに付けます。
花被片は6枚で強く反り返ります。
日本のカタクリよりも大型で、育てやすい品種です。
別名 : エリスロニューム

黄花片栗を植えた覚えはありませんでしたが、
芽生えの時から何と無く違和感がありました。
きっと片栗を植えた時に混ざっていたのでしょう。
思いもよらず黄色の花を見ることが出来ました。

 

2018/03/10 撮影

 

2018/03/26 撮影

 

2018/03/31 撮影

 

2018/04/03 撮影

 

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする