しをり戸

ささやかな庭の山野草と
散歩・旅で出会った草木。 
季語・拙い俳句、
折々の写真などの記録です。

キランソウ ( 金瘡小草 )

2011-04-21 |  4月 の花たち

                           ↑ 2011/04/16 撮影
 
  2011/04/16 撮影

 2016/04/12 撮影

[ シソ科キランソウ属の多年草 ]

日本では、
本州~九州の路傍や
日当たりのよい丘陵地・野原に自生します。
草丈は、5~10cm。
全草に白く長い毛があります。
茎は基部に根出葉をもち、
よく分枝し地表を這い、
長さ5~10cm位となって、茎葉を対生に付けます。
根出葉は倒披針形で、やや紫色を帯びた濃い緑色、
大形の波状鋸歯を持ち、ロゼット状に付きます。
茎葉は少し短く、先のまるい倒披針形です。
花期は、3~5月。
花径1cm位の濃紫色の唇状花を、
葉腋に数個ずつ輪生して付けます。
上唇は小さく、
下唇は大きくて3裂し、
その中央片が大きく濃い色の線条が入ります。
名の語意は不明とのことです。
別名 ;ジゴクノカマノフタ(地獄の釜の蓋)


 2011/03/25 撮影…花芽
 2011/04/10 撮影
 2011/04/11 撮影
 2011/04/17 撮影



<  2010 年  >
2010/04/15 撮影


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遅桜 ( おそざくら ) <季> 晩春

2011-04-21 |  春の草木 の 俳句

                            ギョイコウ
◉  …

遅桜なほもたづねて奥の院 ・・・・・ 虚子 [虚子句集]
ほつかりと咲きしづまりぬおそ桜 ・・・・・ 暁台 [暁台句集]
引据ゑて夜出車のとよむ遅櫻 ・・・・・ 黒田杏子 [水の扉]

花時に遅れて咲き出す八重桜や
その他の遅咲きの桜を指して言います。
大方の桜の散った後、遅れて咲く桜には、
また別の趣があります。
鬼貫が「あるは遠山桜、青葉がくれの遅桜、若葉の花、風情各一様ならず」
と記しています。

高尾の多摩森林科学園には、
4月下旬、御衣香や普賢象・天の川など
驚くほど多種類の遅桜が咲いていて、
思いがけずいいお花見となりました。


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二ホンサクラソウ ( 日本桜草 )

2011-04-21 |  4月 の花たち

                                2011/04/21 撮影

2011/04/21 撮影

2015/04/25 撮影

[ サクラソウ科サクラソウ属(学名プリムラ)植物の総称、多年草 ]

日本では、
北海道南部~九州の
高原の草地や低地の河川敷などに自生します。
草丈は、15~40cm。
根茎は短く横走し、
葉は、根生で長い葉柄を持ち、楕円形でしわがあり、
縁に2重歯を付けます。
基部は浅い心形で、
全体に白い軟毛があります。
花期は、4~5月。
花茎の先に淡紅色・まれに白色の花を
数個~十数個散形状に付けます。
花径2~3cm、花冠は合弁で深く5裂し、
それぞれの裂片は上部がくぼみ、浅く裂けます。
ガクは筒状で、上半が5裂します。
果実は、平球形の果です。
江戸時代に本格的な栽培が始まり、
種子まきを繰り返すうちに、
白・桃・紅・紫・絞りなどの色変わりや、
大小さまざまな花形が生まれました。
品種数も非常に増えて、
数百に及ぶ品種が作られた古典園芸植物です。
現在も愛好家に栽培されるニホンサクラソウ(日本桜草)は約300品種、
その半数は江戸時代からの株分けで伝えられたもので、
多様な花型と繊細な花色が特徴です。
名は、花の形が桜の花に似ているので
付いたそうです。

*田島ヶ原サクラソウ自生地について
さいたま市桜区(埼玉県)の「田島ヶ原」は
国の特別天然記念物に指定されている貴重な群生地です。
荒川流域のこの一帯は、
下流の「浮間ヶ原」とともに、
江戸時代からサクラソウの名勝地として
人々に親しまれてきました。
4月中旬の花期には人々が訪れ、
美しい可憐な姿を楽しんでいます。
  「 雀の足あと4月・田島ヶ原の桜草 」参照


2014/04/14 撮影


< 2011 年 >
2011/03/15 撮影…芽生え
2011/04/05 撮影
2011/04/08 撮影
2011/04/15 撮影
2011/04/16 撮影
2011/04/17 撮影
2011/04/18 撮影
2011/04/19 撮影
2011/04/20 撮影



< 2010 年 >
どちらかと言えば
静かな色の花の多い山野草の中で、
ピンクの花を咲かせる桜草は、
のどかな春の日の喜びをあらわしているかのようです。
植え替えたりするためか、
最近は何年かたつと消えてしまうので、
時々買っては補充しています。
少しでも増えるようになればと思っています。
この時期園芸店に行くと
ついつい長居してしまいます。

2010/04/18 撮影


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残花 ( ざんか ) <季> 晩春

2011-04-21 |  春の草木 の 俳句

◉ 残る花 (のこるはな)・名残の花 (なごりのはな)・残る桜 (のこるさくら)・残桜 (ざんおう)

幾山を越えし残んの山桜 ・・・・・ 山口青邨 [寒竹風松]
残桜や見捨てたまひし御用邸 ・・・・・ 松本たかし [松本たかし句集]
いつせいに残花といへどふぶきけり ・・・・・ 黒田杏子 [花下草上]

花期はおそくない花が、
盛りを過ぎた晩春の頃に、まだ散らずに
枝に残っている桜の花を言います。
なにかなつかしい寂しげな風情を感じさせます。

この時期、玉川上水や野火止用水の雑木林は、
若葉へと移り行く瑞々しさを漂わせている木々や
咲き残っている桜の花など、
流れに沿ってどこまでも歩いて行きたくなります。


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シラネアオイ ( 白根葵 )

2011-04-21 |  4月 の花たち

                           ↑ 2011/04/11 撮影

[ キンポウゲ科シラネアオイ属の多年草 ]

日本固有種の1属1種で、
北海道~本州中北部以北の日本海側にかけ、
山地の広葉樹林の林床や林縁に自生します。
草丈は、15~60cm。
茎は、根茎から直立し、緑色でやや軟質、
枝分かれしません。
葉は、掌状に7~11中裂し、
幅10~20cm、縁に鋸歯があります。
茎の基部に鱗片葉が数枚、中部以上に柄を持つ葉が2枚互生し、
上部に柄の無い小形包葉1枚が付きます。
花期は、5~7月。
茎頂に、径5~10cm、
花弁状のガク片4枚の花を単生します。
ガク片は楕円形または広いさかさ卵形で
長さ5~6cm幅3~4cm、薄質です。
雄シベ多数と雄シベより短い2本の雌シベを持ちます。
淡青紫色~紅紫色の花や白花などが見られ、
白色を咲かせるものをシロバナシラネアオイと呼びます。
果実は、袋果で、熟すと縦に裂け、
扁平な広翼のある多くの種子を出します。
名は、花の姿がタチアオイに似ていて、
日光の白根山に多く見られので付いたそうです。
別名;ハルフヨウ(春芙蓉)・ヤマフヨウ(山芙蓉)

今年は例年より早く咲き出しましたが、
全体に小さめです。


2011/04/02 撮影
2011/04/04 撮影
2011/04/07 撮影
2011/04/08 撮影
2011/04/09 撮影
2011/04/10撮影
2011/04/11 撮影
2011/04/11 撮影
2011/04/12 撮影
2011/0413 撮影
2011/04/13 撮影
2011/04/16 撮影
2011/04/17 撮影
2011/04/19 撮影



< 2010 年 >
去年のことですが、
以前7月の月山で出合った
白根葵の苗を園芸店で見つけました。
うれしくなり、さっそく求めて植えたところ、
大きな花を咲かせ種も付けました。
今年も元気で美しい花が咲きました。

  2010/04/20  撮影


< 2009 年 >
2009/04/? 撮影


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アケビ ( 通草 )

2011-04-21 |  4月 の花たち

                                                                              ↑ 2011/04/13 撮影

[ アケビ科アケビ属の蔓性落葉低木 ]

日本では、本州~九州にかけて、
日当たりのよい平地や山地の藪や林に自生します。
樹高は、蔓の長さで10~15m。
茎はつるになり、
他物に巻き付いて長く伸び、
古くなると木質化します。
葉は、長い柄を持ち、楕円形の小葉が5枚掌状につく複葉で、
単枝に束生し1年生のつるには互生します。
表面は濃緑色、裏面は淡緑色、
両面ともに無毛で縁は全縁です。
雌雄同株。
花期は、4~5月。
花は淡紫色で、
葉の間から総状花序に垂れ下がります。
花弁はなく、花弁状に見える3枚のガク片を付けます。
花序の先の方に小型の雄花を多数付け、
基部に大型の雌花を少数付けます。
果期は、9~10月。
果実は、長楕円形で長さ7~10cm、淡紫色に熟して
縦に一方が裂開します。
近縁のミツバアケビは、
卵形の小葉3枚、花は小さく濃紫色で、
果実はやや大きく、アケビより甘味が多く美味です。
ゴヨウアケビは、
アケビとミツバアケビの雑種と思われ、
小葉5枚で葉縁に鋸歯があります。
アケビのつるは強靭なので、
皮をはいで、籠や椅子・バスケットなどを作る材料に使われます。
アケビ細工はミツバアケビが適しています
通草の新芽をキノメと呼び、
塩茹でしておひたしや和え物にします。
熟した実の果肉は、白く半透明で甘さがあり生食しますが、
甘い果肉に含まれている黒い種子には、
苦味があります。
果皮にはほろ苦さがあり、味噌炒め・揚げ物などにします。
茎を生薬名で木通(もくつう)と言い、
アケビの実は木通子(もくつうし)と言います。
木通子(もくつうし)は、利尿剤としての薬効があります。
名は、実の色から「朱実(あけみ)」、
果実が熟すと口を開けるところから「開け実」
などという説があります。
別名:山女(ヤマヒメ)・アケビカズラ・キノメ


2011/03/23 撮影・・・つぼみ
2011/03/31 撮影
  2011/04/11  撮影
  2011/04/13  撮影
2011/04/17 撮影


< 2010 年 >
あけびは淡紅紫色の花を付けますが、
その色合いは、木によってまた年によって
多少の違いが見られるように思います。
自然教育園の花は、色のグラデーションがすばらしく、
いつも行く公園の花は白が強めで、
草庭の花は紅がかっていると思います。
どの色でも可愛いらしくよい香りがします。
草庭のあけびも毎年よく咲くのですが、
まだ実を付けたことがありません。

2010/04/18 撮影


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